1月18日(日)に二戸市長選挙が行われたが、「投票したくてもできなかった人」がいる。
南館さんは、新型コロナワクチンの後遺症による薬害で障害を負い、現在は車椅子で生活している。
その南館さんは、今回の市長選挙で投票に行くことができなかった。
雪と車椅子、そして投票所の現実
投票日はかなりの積雪があり、通常の車椅子では外出そのものが困難な状況。雪用の車椅子ではないこともあり、雪道を進むことは不可能だった。
南館さんの自宅近くには、元小学校を利用した投票所がある。
しかし、その建物は車椅子で中に入ることができない構造になっている。
もう一つの投票所である二戸市役所は、車で10分強の距離にある。
仮にそこまで行けたとしても、駐車場から入口までの移動には介助者が必要であり、やはり雪道での移動という大きな壁がある。何より、雪に対応した車椅子ではない。
「連れて行ってもらう」ことの不自由さ
以前の選挙では、同級生が投票所まで連れて行ってくれた。
しかしその場合、車椅子の後ろに介助者が立つことになり、「誰に投票したか分かってしまう」という問題が生じる。投票の秘密が守られない可能性があるということだ。
南館さんは、そのことに抵抗を感じている。
投票とは本来、誰にも干渉されず、自由に意思を示す行為のはずである。障害者は我慢しろと言われる類のものではない。
こうした事情に加え、今回は特に雪が多かったため、南館さんは投票に行かないという選択をせざるを得なかった。
南館さんだけの問題だろうか
おそらく、今回の雪で投票に行けなかった障害者は、南館さんだけではないだろう。
正直なところ、健常者であっても「外に出るのが嫌になる」ほどの積雪。
南館さんは、数年前から選挙のたびに不便さを感じ、行政にもその問題を伝えてきた。しかし、状況が改善される様子は見られない。
この現実を前にすると、
「障害者は投票しなくてもいい」
「そこまでして来なくていい」
「むしろ来るな」
と、言われているように感じてしまう。
これは、健常者のためだけの選挙なのだろうか。
障害者の存在は、最初から想定されていないのだろうか。
むしろ、はっきりと「障害者は来ないでください」と言われた方が、まだ誠実なのではないかとすら思えてしまう。
ワクチン後遺症の人たちはどうしているのか
全国には、ワクチン後遺症により歩くことすらできなくなった人たちがいるはずだ。
彼らは、選挙のたびにどうしているのだろうか。
南館さんと同じように、「投票したくてもできない」状況に置かれている人は、決して少なくないのではないか。
まもなく衆院選が行われる。
投票日は2月8日(日)で、まだまだ雪深い時期。
今回と同じように、「行きたくても行けない」人が、また生まれてしまうのではないだろうか。
投票権は、すべての人にある
障害者にも、等しく「投票権」があるはず。
それは、制度として与えられているだけでなく、実際に行使できなければ意味がない権利である。
行政は、その現実を真剣に考える必要がある。
障害者の声を聞きながらも、何も変えようとしない態度は、果たして許されるものだろうか。
選挙は、誰のためのものなのか。