みなさんこんにちは。院長の村田です。

今日は下肢静脈瘤治療の大事なポイントについて、説明したいと思います。

 

下肢静脈瘤といえば「足の血管が浮き出る」「だるい」「むくむ」「つる」といった症状が現れます。浮き出ている血管(はほぼ全てが、実は青色で描いた枝葉の血管です。枝葉の血管は足に無数にありまして、時間経過とともに次々に瘤となって現れます。その原因は何でしょうか?

 

原因★印をつけた緑色の血管大伏在静脈小伏在静脈血液の逆流です血液の逆流が原因で血液が体から足へ足へと落ちて貯まることによって、枝葉の血管から膨らんでくるのです。だるかったり、むくんだり、つったりするのもこの大伏在静脈小伏在静脈血液の逆流が原因となっていることが多いです。

 

高周波焼灼術は、この大伏在静脈小伏在静脈逆流を止めます大伏在静脈・小伏在静脈の血液の逆流がないか超音波検査で調べて逆流量が多ければ高周波焼灼術で症状が改善します枝葉の血管の瘤は原因が治療されると自然と消失していくことが多いですが、2mm程度の小さな創で抜き取る(!)こともできます。

 

ちなみに黒色で描いた血管は深部静脈系といいまして、基本的に逆流が現れることはないタフな血管です。ただしここに血栓ができると深部静脈血栓症といいまして、急性肺塞栓エコノミークラス症候群ともいいます)の原因となります。これは命にかかわる疾患で、場合によっては人工心肺を用いた緊急手術が必要です。何例も急性肺塞栓の手術をしてきましたが、とても大掛かりな手術で難易度が高いです。私はここの血栓の有無を必ず調べるようにしています