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トラえもん!?

十代前半の和泉式部、定子、紫式部の三人に二十代の清少納言を加えた四人が中心の百合的日常。史実とは異なりますが、平安時代の女の子たちなので頻繁に和歌を詠みます。
『マーシュの魔術労働』はオリジナルの魔法学園もの

※10/18の続き

(語り:メーティー)
畑に侵入したウノシシ(メティの式神)は、見回りに来たマーシュに見つかっちゃった汗
…ま、あの娘に捕まるウノシシじゃないし、どうせ困って先生に泣きつくだろうからその間になんとかしよう…
「…イノシシのお肉っておいしいの?」
「えっヾ(゚д゚)ノ゛」
唐突に、もうひとりの女の子(御形蓬子)に尋ねるマーシュ。
「おいしいと思うけど…」
変わった服を着た、日本人形みたいな女の子はそう答えた。
「よーし!もうすぐクリスマスだし、ローストビーフ…じゃなくてローストいのししにしちゃうから!」
ついさっきまで10月だった気がするけど…なんだかいつの間に二ヶ月もry
「したけど、どうやって捕まえるの…?」
初めて会ったときメティに不意打ちをくらわせたマーシュの魔法も、ウノシシには簡単に弾き返されたわ。
(何をする気…?)
マーシュとその友人A(蓬子)は何やらひそひそと相談して…
「♪いーつまでも手をーつないで いられるような気がしていたー」
何かと思えば歌なんか歌いだしたわ。ウノシシにかなわないと見てあきらめたのかしら?
「なーにもかもがきーらめいて がむしゃーらに夢を追いかけたぁ~♪」
ウノシシもマーシュたちを無視して、畑の野菜(かぶの葉っぱ)をかじり始めた。
「♪よーろこびも 悲しみも 全部 分かち合う日がくること」
闇夜にぼんやりと光る、マーシュが手にした灯り…その光が強くなったように見えた。
「おもーって微笑みあっている 色あーせたいつかのメリークリスマース♪」
…違う。灯りそのものじゃなくて、持ってるマーシュの魔力が強くなってる…?
「からの~?」
一旦、歌を止めてマーシュが言った。
「♪誰にも寄りかからないで やっていくことは」
「やっていくことはー♪」
今度は別の歌か…友人Aのコーラスが妙に巧い。
「♪信用するなとか友情捨てろってことじゃーなくてー」
空気が変わった…? 冬の夜なのに微かに暖かい…
「クジが外れても ねちねちグチらず前にすすめるかどうかだろう~♪」
そこまで聴いて…思わず、
「メーティ!」
「たーましぃーに火をつけろー♪」
歌にのせて自分の名前を叫んでしまった…けど、気づいてないのかそのまま歌い続けるマーシュ。
「真っ青に~ 凍りついちゃう前にー♪」
カブの葉をかじるウノシシの動きが止まった。魔法から生まれた存在だからわかるんだ…精霊の気配が。

(つづく)