仕事もなく
毎日街をさ迷った
六本木でアメリカ人じゃないのに
アメリカ国籍を語るアフリカンを
経歴詐称の容疑で問い詰め
ビザ切れの口止めとして
金を巻き上げるアングラビジネスが流行った
携帯が鳴りだした
でてみると
腐れ縁のセイジからだった
地元から付き合いのあるセイジは
信用出来るやつだ
来週末
クラブで歌うから遊びに来いと云う
ゲストで入れてもらい
浮いた金を酒に回すと云うのが常識だった
アフリカンからの戦利金を持って家へ帰った
ユカリが料理をこしらえて待っていた
『おかえり、最近変だよ、仕事行ってないでしょ?今日ね
変な人が家に来たよ』
「どんな奴?」
『黒服でみるからに柄が悪い人だった、何かしたの?』
「いや、おまえには関係ねぇよ」
『危ない事しないでね』
ケンジの中で何かがキレた
食卓には美味そうな揚げ物やらで飾られている
食卓を漫画のようにひっくり返し
女を玄関の外へ投げやった
叩くドア音
鳴るインターホン
携帯の着信音
外から泣き声
意味不明の
理解の外
それでも突如としてやってくる別れ生き別れ
初めての経験だったのかもしれない