お蔵入りとなった5 Cocktails。その経緯があってこその5 Coffeesです。5 Cocktailsはある意味、ブッ飛んだ着想、発想の下に生まれた企画でした。その点5 Coffeesは、対称的にとてもシンプルです。
今日は5 Coffeesについて、少し掘り下げたお話しをします。

このシリーズの面白いところは、余計な添加物を一切使わず、純粋にコーヒー豆をドリップするかのよう、香りを丁寧に抽出しているところです。本物のコーヒー豆が原料ですから、香味には一切の嘘偽りがありません。要するに素材を活かすというやつです。料理の基本的な考え方と似ています。
もちろん単にコーヒー豆を熱湯で蒸せばいいだけのものではありませんから、E-Juiceへ昇華させるための特殊な工程はあります。しかしいずれにしても、“余計なものは使わない”というのが根本の考え方としてあります。
こうした時、まず気になるのが「コーヒーに含まれるカフェイン」ではないでしょうか。
特にお子様がいる環境でVapeを楽しむ方や、妊婦さんなんかはカフェインに敏感かと思います。「カフェインアレルギー」なんてのは聞いたことがありませんが、宗教上の理由でカフェインの摂取に神経質になる方もおられるでしょう。
5 Coffeesにどの程度のカフェインが含有されているかといいますと、実際のコーヒー飲料とさほど変わりません。つまり、5 Coffees30mlボトルと、一般的な200ml前後の缶コーヒーを比較すれば、5 Coffeesのカフェイン含有量は断然低いことになります。もっと簡単に言えば30ml入の5 Coffees一本は、30ml程度のコーヒーを飲んでいるのとさほど変わらないくらいの量です。
なぜかといいますと、5 Coffeesは濃縮していないからです。料理でいうところの“煮詰める”ような真似をしていない。一般的に電子タバコで使われている香料(あるいは料理用の香料においても)というのは、おおむね濃縮されています。だからこそ濃厚で芳醇なフレーバーができあがるわけです。しかし、5 Coffeesは製造工程からして本物のコーヒーを扱うのと同様です。誰も「コーヒーの香りをもっと強くしたいから」といって、ドリップしたてのコーヒーを煮詰めませんよね。熱を加えれば香り成分が飛んでしまうからです。香りが命のコーヒー。その香りが飛んでしまっては台無し。要するに5 Coffeesのカフェイン含有量はその程度のものということです。
それでも一応、コーヒー豆を原料としている以上カフェインは多少なりとも含まれますから、その旨ご承知おきください。
次に、「このシリーズの味の違いがよくわからない」というご意見をいただくことがあります。
そう思う方、実は多いのではないかと思います。
しかしそれは何も「味が分からない人だから」というわけではありません。「違いが分からない」くらいが普通だと思います。
もちろんこれらには香味の差があるのですが、それはとても繊細です。それこそ本当にコーヒーが好きな人やコーヒーに慣れている人、感覚が鋭い人などにしか分からないでしょう。
正直なところ、僕自身も当初はよく分からなかったのですよ。乱暴に言ってしまえば「こんなもん、全部一緒じゃないか」と一蹴してしまいたくなるような画一的なシリーズといえます。
しかしこれは感覚云々ではなく、結局は慣れなのです。
毎日ブラジルばかり吸っていて、ある時ガテマラを吸ってみた時、その違いに気づきます。
母親の豚汁の味と、よその家の豚汁の味の違いに気付く──という幼き頃の記憶に似ているかもしれませんね。
そしてそのうち、この微細な違いに気づき、その中で「好き」「嫌い」を選べる自分の感覚の発達に喜びを覚えるときが来るのだと思います。
事実、コーヒーがそうではないですか。
「俺はブラジル一筋」「私は朝一のエスプレッソだけ」というコーヒー通は、ご家庭でドリップする機会の多い近代において、決して少なくはないと思います。ご自宅にドリッパーなりコーヒーミルを備えているご家庭は多いですよね。それだけコーヒーの微細な違いを楽しむ人が増えているということだと思います。
コーヒーに形から入る人だって、最後にこだわりたがるのは結局は豆。あるいは産地。そして豆の焙煎具合ですね。そういう繊細なところにアプローチするのが、VapeSickの5 Coffeesです。
コーヒーの「こだわり派」が増えつつある背景を思えば、5 Coffeesくらい「こだわり派」にアプローチするリキッドもあっていいのではないか──と思います。
「とりあえずリアルなコーヒーがいい」というライトなコーヒー愛好者にも十分オススメですよ。まずはどれでもいいと思います。どれを吸ってもリアルなコーヒーですから。
ただ僕が個人的に思うのは、VapeSickの5 Coffeesにばかりこだわるよりも、本物のコーヒーにもこだわっていただきたい。味付け加工されまくりの口あたりのいいコーヒー飲料よりも、古めかしくも本格的な設備と豆の種類、そして知識のあるバリスタがいるお店で、ご自身で銘柄を選ぶ楽しさや喜びを知ってもらいたい。5 Coffeesを吸っていれば、そのうちコーヒーが好きになるはず。やがては飲料としてのコーヒーにもこだわりたくなるでしょう。
どれを買おうか、どれを選ぼうかと悩む頃には、コーヒー生産の世界的な社会背景も見えてくるはずです。コーヒー豆の生産もなかなか楽ではないようですよ。世界的にシェアは大きいはずなのに、実際にコーヒー豆を出荷する現場は常に貧困と共にあると聞きます。
そういう時、添加物満載でコーヒー本来の香りをスポイルしたような商業用缶コーヒーではなく、コーヒーのアロマを楽しむ対価として自分なりに社会貢献する選択が見えてきたり、日常を彩るささいな喜びが見えてきたりするのではないかと思うのです。
5 Coffeesが、そういった造詣に一つ貢献できれば、これほど嬉しいことはありません。