琉球八社巡礼.3 普天間宮、天久宮 | 神々の東雲

神々の東雲

わたくしたちの美しい国日本の成立を、記紀や神様のはなしを中心にまとめました。


ところで、琉球八社というのは、どういう定義なのでしょうか??

文部科学省の統計によれば、沖縄県は神社の数が47都道府県では一番少なく、平成28年の調査では14社の登録となっています。
(次に少ないのが和歌山県の444社ー熊野があるのにこれも意外ですね。いや、逆ですね、熊野があるから他の信仰が生まれなかったのですね。因みに一番多いのは新潟県です。これは理解できますね。なにしろ、日本一の米どころですので...)

琉球八社とは、琉球王国において「琉球八社(官社)の制」により王府から特別の扱いを受けた8つの神社のことでであります。

おっと、この辺りのことはおいおいお話するとして、また冒頭が長くなると中々参拝記に辿り着かないので、先に進みます。

 


②普天満宮(ふてんまぐう)

さて、かなり参拝としては消化不良になってしまった金武宮でしたが、あの、地元の参拝のかた。本殿(寺院的な言い方として)に上がられ、中で正座をされて線香を焚いてお参りしておられました。

それで思い出したのが、前年の久高島だったのです。

久高島で、地元の方々が聖なる場所で参拝をされていました。
それはとても敬虔な姿でした。

久高島は神の島でもあり、パワースポットだと言って来られるひとも多いようですが、言い方を変えれば「氏神さま」で、その土地の安泰や、そこに交流できた感謝の祈りを捧げるのは良いかもしれませんが、パワーを求めてくるのは間違えだと痛感いたしました。

これは、なにも久高島に限ったことではありません。

それに、己の身の丈を分かっている方々なら、パワーなんてものは必要ないでしょう。

却って、持て余すだけでしょうし...

そんな、敬虔な祈祷の姿を拝見し、そういう場所の参拝をこのまま続けて良いのか迷いましたが、やはり、折角なので、そのまま続けるが如く、普天間に参りましたが...



わたくしは実に分かりやすい…


 

普天間宮にまず、中々辿りつけません。大きな道路に面しているのに、丁度、その大通りに対してT字路から曲がってすぐに入口があることに3回目のチャレンジで気づきました。


しかも辿り着いた途端に来ました!

 


 

 

どしゃ降り...笑



沖縄の、しかもこの日は台風が接近してきているときの暴風雨はすさまじいものです。
南国のスコールです。

そういえば、最初にサイパンに行ったときに、こっちの暴風雨はすごいよ。どれだけ凄いかっていると、ネコを手から離すとモモンガになっていくってガイドさんが言っていたのを、こんな時に思い出したくらい。

参拝で突然大雨になることはしょっちゅうです。
わたくしはとても分かりやすいんです。
穢れているか、歓迎されていないかどちらかです。

でも、こちらへは駐車場に着いたら途端のスコールです。

恐らく穢れているのでしょう...
ドアを開けて傘を差すまでの数秒間で全身びしょ濡れになれるほどの大雨でした。

ですが、傘を差して鳥居から拝殿に行くまでの間で、雨はやんでしまいました。

やはり相当穢れていたようで、拒否はされていないようです。
 

 

 

ところが、参拝を終えた途端にまた大雨が落ちて参りました。

なので、こちらにも洞窟がありましたが、なんだかそこに入っていくのを拒まれているようで、そう、まるで、京都の月読神社と同じです。

それと同じシチュエーションを感じてしまったので、やめました。
 

 
 

 

この大雨の中、早めの七五三のご家族が...
沖縄でも七五三祝いはなさるのですね。
いつ頃からなのでしょうか??

そんな興味の中、普天間宮をあとにしました。
 

 

 

普天間宮
住所:沖縄県宜野湾市普天間1丁目27番10号
御祭神  熊野権現:伊弉冉尊(いざなみのみこと)、速玉男命(はやたま 
    をのみこと) 事解男命(ことさかをのみこと)、天照大御神(あまてらす
    おほみかみ)、家都御子神(けつみこのかみ)
琉球古神道神:日の神、竜宮神(ニライカナイ神)、普天間女神(グジー
   神)、天神・地神・海神
社格等 旧無格社
創建 不明
本殿の様式 入母屋造
別名 普天満権現
札所等 琉球八社
例祭 旧暦9月15日

 

 




③天久宮(あめくぐう)

普天間宮から天久宮までは高速には乗らずに一般道を走りました。
国道58号線という標識が。
え?? 国道58号線って、鹿児島市と那覇市を繋いでいるあの道ですね??
殆どが海の道なのですが、種子島、奄美大島にも陸の道が続いていて、確か路線別総延長で日本一長い国道でしたよね。

なぜこんなことを知っているのかというと、それは、「かりゆし58」(沖縄出身のインディーズバンド)を知ったときに、かりゆしは分かりますが、58って何だろうなと思って調べたことがあるのです。
かりゆしは「縁起がいい」とか「おめでたい」という意味で、だから余計58が気になったのですね。

そういえば、この日もかりゆしウエア着て運転してました。

まさに、いま、かりゆし58の時間を楽しみました。


しかし、この琉球八社巡礼は、どうもこれまでの参拝とは勝手が違います。
まず、予想以上に迷います。
カーナビだけでなく、iPad2台で、GoogleMapとウェブサイトのダブル表示して(ひとりレンタカーの辛いところなんですね)、信号待ちでは必ずチェックするようにしました。ここまでは信号も渋滞も少なく、そういう余裕はありませんでしたが、流石に土曜日で雨が降っているので国道58号線はところどころで渋滞もあり、そんな合間に、勉強不足を補いながら走りましたが...

んん?? しまった、
金武宮の祠は、もう少し下ったところだった、
とか、
普天間宮は返還前は米軍基地内にあった、
とか、
色々コア(というか、本来は予備知識として持っていなくてはいけない情報)な部分が分かり、うーむしまった、やはりこの二つは再度、じっくり参拝しないといけないなぁ...
などと、悔いを残しつつも、次からはじっくり境内を探索させていただこうと思いながらの運転でした。


そして辿り着いたのですが...


なんと、駐車場は鳥居の中??
 

ここって境内ではないのかなぁ??
といいつつも周りにクルマを停めるスペースもないし、そこそこ交通量もあったりと。
なので、エイヤー!って、なんとか空いてるスペースにクルマを停めました。
わたくしのクルマよりも数値的にはかなり小さなボディーサイズですが...
やはり、レンタカーだし、車幅が頭に入っていないクルマの駐車は難しいです。
 

 

さて、そんな難関な鳥居内に入り、あれ、ここは境内ではないことに気づきました。

まずは由緒書きを...

 

 

存じあげない神さまです。

龍神さまです。

あ、なるほど、龍は水を呼ぶと申します。
でも、こちらでは雨には降られませんでした。

ということは、もしかしたら、さきほどの普天間宮での大雨は、こちらへのいざないなのでしょうか??
沖縄の神さまは難しいので、やはり事前学習が必要だったようです。

さて、どこへいけば本殿はあるのかと思っていたら、鳥居の脇に下におりる階段が??
 


どうやらこちらが参道の様子です。
こちらを下ってみると...

 


ありました。これが拝殿のようです。
お社というより、普通のお宅の様。
そんな言い方もできる佇まいでした。

拝殿横にもこのような拝所が...
 


参拝のあと、さらに下に行ける階段がありました。

下りて探索してみましたら、びっくり!

 


この拝所は、どうやら先ほどの「龍宮神」の真下にあたる場所のようです。
 


ここまでの参拝体験は、わたくしの神社、さらに言えば参拝の常識をすべて覆すものでした。

神社というのは、例えば太陽神だったり、或いは山がご神体だったりと、どちらかというと上に向かって開いているという認識です。

しかし、こちら沖縄では洞窟の中、さらに奥というように、中に、下に、閉じているイメージなのです。

これはどういうことなのでしょうか??


色々積み残しがありつつも、先を急ぎました。




天久宮
沖縄県那覇市泊3丁目19番地の3
御祭神:天龍大御神(先樋川)・天久臣之姫大神・泊龍宮神、弁天負泰彦大神・弁財天
           熊野三神・伊弉冉尊・速玉男神・事解男神
社格等 旧無格社
創建 成化年間(1465年 - 1487年)
本殿の様式 神明造
札所等 琉球八社
例祭 5月15日(旧暦4月5日)



つづく...


 



 

via 神々の東雲
Your own website,
Ameba Ownd