お笑い芸人コンビ「ピース」の又吉さんが、芥川賞を受賞されましたね。おめでとうございます!
まあ、いろいろな出版業界の事情もあってのW受賞なのかもしれませんが、芥川賞候補になるだけの実力は十分にお持ちの方なのではないかと思います。
といっても、私はまだ「火花」を読んでいないので、コメントする立場ではないかもしれないのですが、受賞コメントを読んで、又吉さんの本への深い愛情を感じたのでブログで書くことにしました。
又吉さんは、太宰治に中学校の教科書で出会って、純文学にはまったとおっしゃっていますが、私も夏目漱石や芥川龍之介、遠藤周作にであったのは国語の教科書や模試でした。
なので、いまも国語でこういった(古典?純文学?)作品を載せることはとても意味があると思います。もし、教科書で出会えなかったら、これらの作家さんは完全にスルーしてしまったかもしれません。
さて、太宰治といえば小学校6年生くらいでならう「走れメロス」でしょうか。私も習った覚えがあります。でも、当時真面目な12歳だった私は、自分の身代わりとなってくれている親友を助けに行かなくてはいけないとわかっているのに、すぐ弱音を吐いたり、昼寝をしてしまったりするメロスが許せなくて、このお話は大っ嫌いでした。
そんなわけで、その後太宰作品「人間失格」とか「斜陽」とかは手に取ることがなかったのですが、先日朝日の小学生新聞で太宰の「駆け込み訴え」の一部が掲載されていて、それを読んだとき改めて太宰の力と狂気を感じた気がしました。
「駆け込み訴え」は太宰作品であまりメジャーではないかもしれませんが、ぜひ一読してみてください。
内容は、イエスキリストが使徒のユダの裏切りによってゲッセマネの園から連行されたあの日、ユダが何を語ったのかが、ユダ側からの言葉で語られます。
短編ですが、文章はすべてユダの独白です。一人芝居とかでしたらいいでしょうね~。
これは、太宰の妻が口述筆記したといわれています。つまり、ユダの独白をまさに太宰が自分の言葉で語って作られたのでしょう。
ユダはキリスト教では完全に裏切り者の悪ですが、太宰にはユダこそが弱く強いものにあこがれつつ嫉妬してしまうという、人間そのものに感じたのではないでしょうか。
だんだん興奮状態となるユダの独白に、太宰の狂気を見た感じがしました。ある意味やはりすごい作家だと再確認しました。
「駆け込み訴え」青空文庫にもあります。おすすめですよ!
さらに、又吉さんは若い人に向けてという質問に、
「おもしろい小説はたくさんあるんで。ぼくの本を読んで面白くなくて、小説読むのをやめようと、ぼくでジャッジしないでほしい。100冊読んだら、絶対本を好きになると思うんで。」
と答えています。
本当に、本というものを愛している人のコメントだと思います。世界中にたくさんある本、人。その中で自分の本当の友と言えるものはほんの少ししかないかもしれない。けど、それを見つけられたら、絶対に生涯の宝になる。だから、あきらめないで探してほしい。
司書の仕事も力及ばずですが、日々そんなことを思っています。