( ったく! あの 小生意気な女のせいで ゆっくり休めやしね~ )
そう 呟きながらも 内心 絵梨花の鼻っ柱を折ってやったという 満足感もあった。
彰は また パーティー会場の中に紛れ コンパニオンが運んでくれる シャンパンを受け取ると 父親の健一郎の元へ戻った。
「おお やっと戻ってきたか 姿が見えないから 気分でも悪くなって 部屋でも とって休んでるのかと思っておったところだ」
「すみません ちょっと 外の風にあたっていました」
「そうそう おまえに紹介したいお嬢さんがいるんだけど… あ~ そちらも 今姿が見えないようだな」
健一郎は そう言いながら 会場を見渡してみたが そのお嬢さんの姿を見つける事ができなかった。
「会長 それより そろそろ 体を休ませないと… まだまだ 本調子ではないんですから」
彰は 健一郎を ”会長” と呼んでいた。
”父さん” と呼ぶには まだ抵抗もあったし 人前では やはり 会社関係者が多いせいもあって ”会長” と呼ぶようにしていた。
「そうだな 立食パーティーは 少し疲れるな」
壁際には 椅子も設置してあるが 入れ替わり立ち替わり 彰と健一郎の元には 挨拶に来る者があとを絶たない。
そのせいで 立ちっぱなしを余儀なくされるのだ。
それから しばらくして パーティーの締めくくりの挨拶を 主催者である健一郎によって行われ、それぞれ ホテル内の部屋を用意されてるキャストはそれぞれの部屋へ
自宅に帰るキャストには タクシーの手配がされ パーティーは無事に終わった。
彰は 自宅に戻らず この日 最上階の部屋をとっていた。
エレベーターのドアの前で上りのボタンを押そうとした時 赤いラメの付いたマニキュアの指が 彰より先にボタンを押した。
「さっきは ご丁寧に挨拶返しを ありがとう
」
「あっ!」
つづく…
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