名古屋地裁豊橋支部
平成25年10月10日
401号法廷
道路交通法違反、自動車運転過失致死(新件)
被告人(男性34歳 見た目はごく普通な会社員)
裁判長(長橋裁判長)
検察官(女性30代 地裁豊橋の美女検察官Vs薬がやめられない困ったクマさん ←こちらと同じ公判の女性検察官)
弁護人(男性30代 私選弁護人のオーラを感じました)
自動車運転過失致死の公判は、通常記事にしませんが、酒気帯びの事故ですから取り上げました。
今回の記事は、シリアスな内容になります。
(たまには、まともな記事をアップしないと、ただの変態おやじと思われてしまいますよね^^;ま~間違いではないですが。。。)
公訴事実は、平成25年7月30日、午前6時10分ごろ愛知県豊橋市神野新田町江緑の市道で、被害者(男性60才)を時速約50㎞ではねて、道路脇の側溝に落下させた。
直ぐに、豊橋市民病院へ搬送されたが死亡が確認された。
被告人は、緊急逮捕されアルコール検査の結果、0.15mlのアルコールが検出された。
道路交通法違反、自動車運転過失致死の罪に問われています。
保釈中の被告人は、ダボダボな黒のスーツを着て、傍聴席から証言台へ行きます
罪状認否
「私がやった事に間違いありません。」
飲酒運転による事故は、世間から非難されて罰則も強化されているにも関わらず、なくなりません。
しかも、この被告人平成20年3月に、酒気帯び運転による事故で、4重衝突を起こし5名も怪我させいます。
道路交通法違反、自動車運転過失致傷の罪で有罪判決を受け、執行猶予付の有罪判決が出ています。
検察官からの、冒頭陳述によりますと、千葉県千葉市出身。
事故当日は、前日深夜にウォッカソーダ等を飲んで寝た。
朝起きて、酒が抜けていない事を自覚していたが、会社に出勤する為に車を運転した。
事故が起きた道路を走行中に、左側前方の人が気になり、右側を歩いていた被害者に気付かずに、自車右前部ではねた。
側溝に落下した被害者をすぐに救助して、近くにいた人へ救急車を呼んでもらい病院へ搬送したが、当日死亡が確認された。
弁護人からの証拠請求は、書証3通、証人尋問1名、被告人質問です。
書証1、被告人の反省文。
書証2、弁護人による示談交渉報告書。
書証3、任意保険損保ジャパン対人賠償無制限の保険証書
証人尋問に被告人の父親が、証言台に立ちます。
この日の為に、千葉市から来られたようです。
後から分かるのですが、証人の妻他4名の親族が傍聴席にいらっしゃいました。
それから、被害者のご遺族も3人いらっしゃいました。
弁護人→証人尋問
弁護人:被告人との関係は?
証人 :父親です。
弁護人:子供は何人いらっしゃいますか?
証人: 3人です。
弁護人:被告人は何番目のお子さんですか?
証人: 3番目です。
弁護人:今回の事故後は、千葉市の実家に被告人と一緒に住んでいるのですが、それ以前に実家ではどれくらいお酒を飲んでいましたか?
証人: ビール2~3杯くらいだと思います。
弁護人:前回の事故は、どの様な事故でしたか?
証人: 4重衝突でした。
弁護人:4重衝突で、被告人は最後部から衝突させたのですね?
証人: はい
弁護人:その時の事故で、証人はどのように対応したのですか?
証人: 先ずは、被害者に謝らなければと考えました。
弁護人:それで、どうしましたか?
証人: 保険の担当者と一緒に、被害者1件1件に謝りに行きました。
弁護人:今回の事故は、証人はいつ知りましたか?
証人: 事故があった日に知りました。
弁護人:あなたは、事故の事を知って直ぐに謝らなければと思いましたね?
証人: はい
弁護人:しかし、被害者のご遺族は、ご連絡先を教えていただけなかったのですね?
証人: はい
弁護人:弁護人が、つまり私が独自に被害者の連絡先を調べて、私からご遺族に連絡出来るようにしましたね?
証人: はい、ありがとうございます。
弁護人:2日前に、安城市の喫茶店でご遺族に会っていだけましたね?
証人: はい
弁護人:今回は刑務所に行きます、2回目ですから、社会復帰後は車の運転はどうされるつもりですか?
証人: もう2度と、車の運転はさせません。
弁護人:お酒については、どうしますか?
証人: 今回、人様の命を奪う事をしています、戒めにお酒はもう絶対飲ませません。
まとめると、酒気帯びで事故を起こし、ご主人が亡くなったご遺族は、当然カンカンに怒っています。
最近まで、連絡先も教えてもらえなったようです。
そこで、私選弁護人は、被害者の連絡先を独自に調べて、ようやくご遺族とお話出来るようになったのです。
そして、公判の2日前にご遺族家族と、被告人、父親、弁護人と会って話をしました。
ご遺族の処罰感情は当然厳しく、今後の被告人の処分等について確認されたようです。
検察官→証人尋問
まとめると、社会復帰後、実家に帰る事になる被告人は、車の運転をしいない生活が本当にできるのか?
千葉市の実家からの、公共交通機関の事を細かく確認して、本当に自動車を運転しない生活が出来るのか確認されました。
平成20年にも酒気帯び運転で事故を起こしているのに、、また、今回酒気帯び事故を起こしているのに、本当に飲酒を止められるのか?と、厳しく尋問しました。
そして、被告人質問です。
弁護人:あなたの最終学歴を教えて下さい。
被告人:千葉県立○○工業高校です。
弁護人:あなたは、睡眠障害がありますね?
被告人:はい
弁護人:睡眠薬を処方されていましたね?
被告人:はい
弁護人:事故を起こした日の、前の晩にも睡眠薬を飲んでいますね?
被告人:はい
弁護人:睡眠薬だけでは眠れないから、アルコールを飲んだのですか?
被告人:はい
弁護人:睡眠薬飲んだら、アルコールを飲んではいけない事は、お医者さんに聞いていますよね?
被告人:はい、睡眠薬を多目に飲んだのですか、効かなくて酒を飲みました。
弁護人:事故を起こした後の事をお聞きします。被害者をはねて、被害者は側溝に落ちました。あなたはその時どう対応したのですか?
被告人:車から降りて、側溝へ降りて被害者の方を、集まってきた人達に協力してもらって、道路に引き上げました。
弁護人:甦生処置をしましたね?
被告人:はい
弁護人:救急車を、すぐに呼びましたか?
被告人:はい
弁護人:被害者のご遺族と、2日前に安城市の喫茶店で娘さんとお会いしましたね?今後、あなたの処分についてや、その後の事を気にされています。
被告人:はい
弁護人:免許取り消しは何年ですか?
被告人:5年です。
弁護人:5年後に、免許を取得するつもりはありますか?
被告人:いいえ、車の運転はもうしません。
弁護人:アルコールは飲みますか?
被告人:いいえ、アルコールも止めます。
弁護人:約束できますか?
被告人:はい、誓います。
おおむねは、このようなやり取りでした。
しかし、誘導が多すぎて、被告人の気持ちが伝わりませんでした。
(ま~私に伝わってもしょうがないですが。。。)
睡眠薬と、アルコールを飲んで、朝に酒が抜けてないのを自覚して、車を運転するとは自殺行為です。
自損事故で、本人だけ死亡で済めば、まだ良かったのですが、今回は他人を巻き込んで死亡事故を起こしています。
最悪の結果と言わざるを得ません。
実は私も事故が発生した道路を、事故の50分後に通行しました。
少し手前で、警察官による通行禁止されていましたから事故かな?とは思っていました。
大変見通しが良い道路ですが、歩道はありません。
しかし、こんな道路で人をはねてしまうとは、居眠りしていたとしか考えられません。
平成20年にも、酒気帯びで自動車運転過失致傷を起こして、今回の事故です。
被害者遺族の怒りは通り越して、恨みに変わっていると思います。
検察官→被告人質問
検察官:事故を起こした日は、会社に行く為に運転しましたか?
被告人:はい、そうです。
検察官:平成20年にも、あなたは酒気帯び運転で事故を起こしていますが、その公判でお酒を飲んで運転しないと誓っていますよね?今回の事故の前に、車を運転する事を思い止まらなかったのですか?
被告人:思いましたが・・・・気持ちが薄れていました・・・・
検察官:睡眠薬が効かずに、お酒を飲んだのですが、何度もそうしていたのですか?
被告人:薬を多目に飲む事はありましたが・・・・お酒はあまりないです・・・
検察官:お酒が抜けてない自覚がありましたよね?、車を運転しないで、公共交通機関を利用する方法もあったのではないですか?
被告人:朝が早くて、他にありませんでした。
検察官:タクシーを使う方法もありますよね?
被告人:その時は、考え付きませんでした・・・・・
検察官:前回平成20年の事故の時は、どこで飲酒したのですか?
被告人:居酒屋チェーン店で飲んで、帰りに事故しました。
検察官:その事故で、何人が怪我をしたのですか?
被告人:5人です。
検察官:それだけの事故を起こして、反省していると証言していますが、その時と今回の反省は何が違うのですか?
被告人:被害者が亡くなって・・・・・取り返しつかな事をして・・・
検察官の厳しい追及は続きますが。。。このへんにしておきます。
女性検察官も、かなりご立腹でした。
裁判長→被告人質問
まとめると、ご遺族の被害感情は強烈であるから、あなたが今後何を考えて行動するかよく考えなさいと、お説教です。
検察官にさんざん怒られたので、軽く済ませてあげたようです。
論告求刑
出勤の為とはいえ、お酒が抜けていない事を自覚していながら車を運転している、悪質である。
他の交通機関を利用する事も出来たはずなのに、それを怠った。
平成20年3月に、酒気帯び運転で、事故を起こして5名も怪我をさせているのにまた酒気帯びで事故を起こしている反省していない。
相当法条適応の上、被告人を懲役4年に処するのが相当と考えます。
(あれ?懲役て言ったような?交通事故は普通禁錮ですよね。聞き間違いかもです。。。)
弁論
過失の態様については、お酒を飲んで直ぐに運転したという悪質なものではない。
ご遺族の処罰感情は、当然厳しいが、被告人はおおむね受け入れている。
任意保険に加入しており、十分な被害賠償が見込まれる。
事故後、救助行為を行っている。
社会帰後は、車を乗らない生活をすると誓っている、再犯の可能性はない。
寛大な判決をお願いする。
最終陳述
被告人:この度は大変な事件を起こして、申し訳ありません。一生かけて償っていきます。
(被告人は、被害者遺族に向かって、長い間頭を下げて謝罪しました。)
ご遺族の方を私は見ませんでしたが、どのように被告人を見ていたのでしょうか。。。
判決期日平成25年10月24日 16:30~
私も、車は毎日運転して通勤する生活をしています。
運転する時には、十分注意して運転しているつもりですが、事故を起こす可能性は、絶対ゼロにはなりません。
自動車運転過失致死の公判を傍聴すると、本当に自分の運転は大丈夫なのかと、改めて考えさせられます。
ところで、女性検察官ですが、ヘアースタイルが変わっていましたから、また描いちゃいました^^;
豊橋市民の皆さん、またそうでない皆さんも、地裁豊橋支部にぜひ傍聴行きましょう!
豊橋支部、の刑事裁判は毎週月、火、木と開廷している日が多いです。(変則的な週もありますが)
自称豊橋支部広報担当の、私がお待ちしています^^;(出入り禁止になるまでは。。。)
以上です。
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