名古屋地裁豊橋支部 刑事裁判傍聴part1
平成25年2月15日 豊橋地裁402号法廷
銃刀法違反、傷害罪 (初公判)
被告人 鈴村 泰史 (30)
内容は、愛知県蒲郡市蒲郡駅付近で、川崎市から観光で来ていた23歳女性に、包丁で脅して突き倒し、胸や腹部を蹴り、右腕をつかんで路上を引きずった事件です。
(観光で川崎から来て、お気の毒です。2度と蒲郡には来ないでしょうね)
この日は、たまたま午前中に時間があり、地元の地裁である、豊橋地方裁判所に行きました。
午前9時半ごろ、地裁に到着したのですが、駐車場の車台数がいつもより多い事に気付きました。
ひょっとすると、大きな裁判があるのかな?と思いながら、刑事裁判が行われる4階の法廷に行ったところ、裁判所の職員や、記者の腕章をした人たちが10人ほど、すでに法廷前の廊下にいました。
廊下を進んで、法廷に近づいていくと、傍聴券配布所と看板が法廷前の廊下にあるではないですか!
11時から始まる裁判の、傍聴券を10時20分から配布するとの情報です。
傍聴初心者としては、ぜひとも傍聴しなければいけないと思いました。
法廷前で、裁判所職員から、「11時からの裁判は傍聴券が必要です」と、声をかけられました。
そのまま、法廷前の開廷表を確認したところ(豊橋地裁は、1階に開廷表などありません)11時からの裁判は、銃刀法違反、傷害罪初公判だと分かりました。
それほどインパクトがある罪名ではないのですが、時間が少しあり、一旦車へ戻りスマホで被告人の名前を検索したところ、1999年に起こった(西尾ストカー殺人事件)の犯人である事が分かりました。
(西尾ストーカー殺人事件)
1999年8月9日、元同級生の高校生永谷 英恵さん(16)を殺害して、懲役5年から10年の不定期刑を受け、岡崎医療刑務所に服役した事件。
10時15分ごろ、傍聴券配布に並びましたが、6人ほどしか並んでいません。
10時20分に、傍聴券配布を始まり、いただいた傍聴券はNo8でした。
傍聴券は、35枚との事でしたから、余裕でしたね。
記者席は別に16席ほどあります。
傍聴券配布後に、別室に裁判所職員から案内されて、一般的な注意事項の他に、「裁判前に法廷内をテレビ局が2分間撮影しますから、映される事を避けたい方は、撮影後に入廷して下さい」等の注意事項が説明されました。
10時55分から入廷できるとの事ですから、法廷から少し離れた長椅子に座って待っていましたが、時間になっても入廷出来そうにありません。
11時頃に、裁判所職員から、前の裁判が予定より長引いており、10分ほど開始時間が遅れると連絡がありました。
近くにいた記者たち数人が、携帯電話で各新聞社に「前の裁判が長引いて、時間通りには始まりません」など、連絡をしていました。
11時13分ごろに、法廷入口に並んでいた記者が法廷内に入りはじめて、続いて私も入廷しました。
豊橋地方裁判所は、裁判員裁判の裁判はありません。(確か?間違っていたらすいません)
広い法廷ではありますが、名古屋地裁のように、壁に大きな液晶テレビや、裁判関係者用のテレビモニターなどは見当たらないです。
裁判官が入廷してすぐに、テレビ局の撮影が始まりました、法廷内はシーンと静まり返っています。
撮影中、裁判官の緊張した顔がちょっと笑えました。(ごめんなさい)
11時17分ごろ、被告人が刑務官と入廷しました。
被告人の顔を見ると、青白く気が弱そうな30歳の若者で、凶悪な犯行をする人間には見えませんでした。
検察官から、起訴状が読みあがられて、罪状認否では、「間違いありません」
続いて弁護人に対する、罪状認否では、「被告人同様承認しますが、甲号証26号については、不同意いたします」
甲26号証は、精神鑑定報告書で、精神鑑定結果、精神異常ではないとの報告の様ですが、弁護人は「ちょっと待ってください」と言いたいのでしょう。
(検察官は50代半ばの優しそうな方)
検察官の冒頭陳述では、高校中退し、西尾市で起こった殺人罪で、不定期刑を受けて岡崎医療刑務所に2009年まで服役した後、蒲郡市の実家で家事手伝いをしていた事。
出所後、名古屋市にある精神科病院に2010年6月まで入院し、犯行時も月1回程度通院していた事。
簡単なアルバイト等をしながら生活していたが、その生活に嫌気がさして、自分の無茶苦茶な人生を悲観し、可愛い女の子見つけて、自分と同じように無茶苦茶な人生にしてやると考えて、平成24年8月19日正午過ぎ、蒲郡駅周辺で可愛い女の子を探して、茶髪の若くて可愛い女の子を見つけました。
(蒲郡地方にはあまり見ない、川崎市から来たおしゃれな被害者が、目に留まったのでしょうか)
その女性を持ってきた包丁で脅してから突き倒し、倒れた女性の胸や腹部を蹴り付けてから右腕をつかんで、路上を引きずっていたところ、近くにいた男性が気付いて近づいてきた為、逃走し不在の交番に逃げ込んだが、戻ってきた警察官に現行犯逮捕されたと述べられました。
被害者は、路上を引きずられた時に、臀部等に怪我を負いました。
(犯行後交番に逃げ込むとは、やはり頭がおかしいのか?)
検察官→被告人質問
検察官:この包丁はわかりますか?(ビニール袋から包丁を取り出す)
被告人:分かりません
検察官;えっ、包丁の柄の部分に、ビニールひもが付いているのですが、見覚えありませんか?
被告人:そう言われると、見覚えがあります。
検察官:犯行時には、このようにして(柄の端に結んだビニールひもを柄の反対方向に結ぶようにして)
ビニールひもで輪っかを作り、手を入れて包丁を使ったのですね?
被告人:はい、そうです。
検察官:それはなぜ、そのような使い方をしたのですか?
被告人:包丁を取られないように、そうしました。
(他省略します。)
被告人の話をまとめると、検察官の冒頭陳述通りで、自分の無茶苦茶な人生に嫌気がさして、自分とは対照的な人生を過ごしている、若くて可愛い女性を無茶苦茶にしたくなり、犯行に及んだとの事です。
包丁は、あくまでも脅すために使うつもりで、包丁でけがをさせるとか、殺害する事は考えていなかったと言っていました。
ターゲットを女性にしたのは、「昔から彼女がいなく、女性とは縁がない、どうせ叶わない夢ならばいっその事キズ付けてやると考えた。」
狙いは女性限定で、性的暴行も考えていたとも発言していました。
また、勾留中両親は面会に行っていない様で、「親からも見放されていると思う」と、少し被告人が可哀そうに思いました。
弁護人→被告人質問
話をまとめると、2009年に岡崎医療刑務所を出所後、2010年6月まで名古屋市の精神科病院に入院しており、犯行時も月に1度ほど通院していた事。
広汎性発達障害(こうはんせいはったつしょうがい)精神疾患である等が、わかりました。
薬を服用するとどうなるか?には「何もかわらない」「意欲が出る」と答えていました。
犯行前には、本人は4つの選択肢があり
①真面目に働く
②病院に入院する
③自殺する
④事件を起こす
①については、犯行当時はほとんど考えていなかった。(可愛い子をどうしても無茶苦茶にしたかった)
②図書館で本を借りていたが、入院する前に返さなければならず、面倒だった。
③何を言ったかメモなし(すいません)
④殺人級の事件を起こして、世間を驚かせようと考えた。
弁護人と打合せ済の内容だとは思いますが、ほとんどかまずに比較的スラスラ証言していました。
むしろ、50代の検察官の方が、よくかんでいました。(^^;)
検察官から、今後またこのような事件を起こす可能性が有りますかの質問に、「あまり、自信がありません。95%は大丈夫ですが5%は不安です」と、危ない発言をしていました。
論告求刑
12年前に、殺人事件で10年間服役後、3年ほどで被告人の身勝手な犯行により、被害者にケガをさせたり、包丁で脅した責任は重い。
酌量の余地なし、実刑で矯正施設に入れる事が望ましい。
求刑2年
判決は3月1日15時です
裁判傍聴ネタです。
法廷画家さんがイラストを鉛筆数本使い分けて描いていました。
この時のイラストをどこかで目にする事があるのかな?など思いました。
35歳くらい(違っていたらすいません)の綺麗な女性の画家さんですが、なぜか?どこかで見た事あるんですよね。(私の勘違いかも知れませんが)
また、法廷近くの長椅子を机に、ノートPCで記事を作成する記者さんの姿を見たりと、緊張した雰囲気が法廷の外でも感じられました。
この日は、午後から用事があり、次回公判日程が決まった後、すぐに帰ったのですが、翌日の新聞記事を読んで分かった事です。(大きく記事が載っていました)
西尾ストーカー殺人事件の被害者ご両親が、傍聴していたようです。
夫妻は取材のコメントで「反省しているように見えない」と、怒りをあらわにしていました。
娘を殺害された犯人が、出所した後にまた人を傷つける犯罪を犯し「5%は自信がない」などと目の前で言われると、誰でも怒ります。
17歳で殺人事件を起こし、青春時代を10年間矯正施設で過ごした被告人は、まともな人間関係が出来なくなるのも仕方がないような?もともと人間関係が築けないのか?
私の感想は、被告人は実は真面目な人だと思います。
しかし、17歳で殺人事件を起こしてしまい、普通の人が歩む人生を大きく外れました。
「普通の人が殺人を17歳でやらないだろう」と、突っ込まれるのは重々分かりますが、一度外した人生を元に戻す事は、並大抵ではありません。
被告人は、当時未成年ではありますが、殺人事件を起こした責任は重いです。
世の中には、被告人のような犯罪者が少なからずいます。
そして、被告人が考えていた4つの選択肢以外の選択肢が、いくつもあるのです。
3月1日の、判決は見に行くことができません。
見に行かれた方は、報告よろしくお願いします。
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