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INFINITE妄想小説☆彡

INFINITEの妄想小説☆彡

初めての小説に挑戦しています。
名前やキャスティングなど全て個人的趣向での
人物としています。
ファンの皆様の御理解をお願いします。

※最近の動画は作ったものです。


 


俺達のキッチンには相変わらず適当な物しかない。

そのキッチンにある1番豪華な物をと言ったら、
ファンの子からもらったソンヨル専用のコーヒーメーカーだろう。

俺達は贅沢をしないんじゃない。
する時間も暇もないだけだった。

もう桜は散った。

後は何が残されているのだろう。

黄緑色の真新しい葉と、少しだけ残った桜に
想いを託して、俺は朝食を取る。

トースターの前にしゃがみこんだ俺は
カスタードプリンを少しづつ味わいながらパンが
焼けるのを待っていた・・・・。


ジーーーーーーーーーーー・・・・


タイマー音が静かな朝のBGMになって、
不愉快な眠気を少し和らげてくれる。


とてつもない体の重みに耐えながら
次の事を考えた。
今はもう新曲が出ても、当たり前になって
ユカリンのお見舞いもかれこれ数十回は
行っただろう。

ユカリンにイヤホンを付けて、リピートさせた
INFINITEの曲。
これがなんの意味なのかも分からずに
ただ、気づいて欲しいと願う俺の
まじないなんだろう。

だけど、俺は全く虚しくはならなかった。
お見舞いに行くことが日課になって・・・
そうは言っても毎日行けるわけじゃないから
時間を見つけてって感じかな・・・

ユカリンのヌナとも時々LINEでどうでもいい
楽しい話もするようになっていった。

一体どんな関係でいるのか
俺は別に区別するつもりもなくて、
ヌナもそれと同じ様な気持ちでいるんだと思う。

いつもの朝・・・
眠い朝・・・

いつもの顔が揃ったら、賑やかに笑って
男ばかりの生活の楽さに楽しさもつまらなさも
覚えた。

俺はパンが焼ける音にだけ耳を澄ませて
食べ終わったカスタードプリンをゴミ箱に捨てる。

するとその横でウヒョンが卵焼きを作り始めた。

「玉子焼きと目玉焼きどっちがいい?」

「目玉焼き~」

「ん、O.K」

そんなあり触れた会話をしながら、俺はお皿を出して待っていた。

チーーーン・・・・

パンの焼けた香りに釣られてみんなゾロゾロとソファに集まっていた。

俺は次のパンを焼くために、新しいふわふわのパンを用意して、
焼けたパンをお皿に乗せて運んだ。

トースターが熱くなったから、次のパンはすぐに焼けるだろう。

バターとイチゴジャムを冷蔵庫から出してくれたホヤに
「サンキュ」と言って少しの笑顔を交わした。

ソンヨルは後から起きてきたけど、冷蔵庫から
出来上がっているサラダを出してくれた。

袋詰めになっているサラダを大きめのお皿に2つに分けて
乗せて、チーズをトッピングした。

ソンジョンはソファに座るミョンスの膝の上に頭と腕を乗せて
まだ眠そうにしていた。

あくびの曲ができそうなくらいに次々と連鎖して
みんながあくびをしている頃に、朝食が出来た。

俺達は7人で朝食を摂り、満たされたお腹に満足した。

俺の髪が何色にも変わったり、歌が変わっていく度に
君が居ない事を実感してしまう・・・

こんな慣れてしまった忙しさの中に君を探して
俺は色んな風に姿を変えていった。
それがまた時の流れを感じて益々君への思いが募った。

朝食で汚したお皿を洗った後、洗面所に向かって
顔を洗った。
なんだか、気持ちが悪くなって、朝からシャワーを浴びる事にした。
眠くてそうなのか、気が付けばバサバサと服を脱いでいる自分がいた。

「ドンウヤー、朝からシャワーかぁ~?」

「お~・・・」

遠くから聞こえる、ソンギュヒョンの声に
なんとなく安心感が生まれて、俺はそのまま
入って行った。

少しだけ寒い朝の空気の中で、熱いシャワー浴びると
身体はだるくなるけれど、気分はスッキリとした。

「ドンウヒョン、シャワー浴びたの?」

「うん。なんかサッパリしたくて。」

「ふ~ん・・風邪引くなよ?」

「うん・・・。」

そんなウヒョンとの会話もスムーズに交わした後、
俺は服に着替えて髪も乾かした。

ニガオプスルッテ~♪ニガオプスルッテェ~♪

なんて陽気に歌いながら、ドライヤーをフリフリと振って
完璧に乾くまで洗面所にいた。

「ドンウヒョン?」

ソンジョンが顔を出して見に来た。

「ん~?」

「今日、行くの?病院。」

「うん。ちゃんと帰ってくるから大丈夫だよ。」

「うん。今日は夕方からだからね?」

「うんうん。分かってるよ」

「ん・・・気をつけてね。」

「ありがとっw」

「ねぇ・・ドンウヒョン。」

「ん~?」

ドライヤーはゴゥゴゥと音を立て、今にもソンジョンの声を
かき消してしまいそうだった。

「あのさ、僕も一緒に行こうか?」

「あははっ何言ってんだよぉ~大丈夫だよ。
一人で・・・」

「ん・・・そっかw」

そう言ってソンジョンはピョコっと出していた顔を引っ込めた。
すると、それと同時くらいにミョンスがカメラを持ったまま
ドンウに話しかけてきた。

カシャ・・・

「わっ!何っ!今の撮ったの?」

「うんっ。上半身、裸の男のドライヤータイム・・・」

「何、その元気のいい返事と変なタイトルは。」

「なんか絵になると思ったから撮った。」

髪が乾いて、ドライヤーのスイッチを切ると、
ドンウは撮れた画像を見せてもらった。

「おぉ~ほんとだ。なんかいいね。」

「こういう風景みたいな写真って思い出にもなるし
日常って感じがいいよね。^^」

「うんうん。なんか俺、渋い顔で格好良いんじゃない?」

「うん。なかなか絵になるよね。」

「あ、それさっきも言ったね・・・」
そう言うと、そうだった?と言う感じで
顔を見合わせて、思わず二人で吹き出してしまった。

つまらないことで笑える幸せに感謝した。

「ミョンス。ミョンスは今日写真撮りに出かける?」

「う~ん・・・どうしようかな。この間桜の木とソンジョン撮ったから
写真整理でもしようかなぁ・・・」

「そっか。俺は病院行ってくるから。」

「うん。気をつけてね。時計と携帯、ちゃんと
持って行ってよ?」

「分かってる。帰る時電話するね?」

「ん。分かった。」

そう言ってミョンスも部屋の方へ戻って行った・・・

俺はソンギュヒョンにも出かけることを伝えてから
玄関を出た。

眩しい太陽がぬくもりと同じくらい暖かかった。

猫は当然、寝ちゃうよなぁ~・・・
そんな風に思いながらね。
俺は歩き出したんだ。

小鳥がさえずって、遠くで犬が吠える。
車の排気音とクラクション。

それから時々サイレンが聞こえた・・・。

街の中もさっきまでいた俺の家も
いつも変わらない日常が既に始まっていた。

なんだろう・・・?
この気持ち。

この道だってもう、慣れた筈なのに、
なんだか時々違う世界になったように見えるんだ。

風に揺れる葉が擦れる音も、普段は何も
気にしないのに、やけに耳に残って。

君がいないこの世界はグルグルと回っているよ。

君の声が聞こえない世界が俺を駄目にしてしまうよ。

それでも俺はご両親に頼み込んで、未だに
ユカリンを病院に閉じ込めている・・・
治療費はもう要らないけど、個室に替えてもらった
部屋代や呼吸をするための機械を使っているから、
お金が掛かる・・・

俺はそれを治療費として、全て振り込んでいる。
半ば無理矢理受け取ってもらって、俺の我が儘を
通しているんだ・・・

ご両親は本当は安らかに眠らせてあげたいのと
それでもユカリンを見ていたいという葛藤の中で
お金を受け取ってくれている・・・

できればまだ失いたくはない命だから。

目覚める事がないって言い切れない為に
何処かで期待してしまうんだ。

ご両親も含めて俺も、ヌナもその覚悟が
出来ないから、こうするしかないんだ。
俺が申し出て、無理矢理そうしてるって形なら
少しはご両親の気持ちも救われると思って。


だけど・・・この虚しさはなんだろう・・・

この心の中だけであがいている気持ちは
なんなんだろう・・・?

考えるだけ無駄な事にも既に気がついて、
ヌナと俺はいつも互いにそんな話をした。
それから、何気ない会話や日常の出来ごとも
話して、笑いあった。

ヌナの優しいぬくもりを文字から受け取る度に
俺はとても優しくなれた。
ギスギスした気持ちをセーブしてくれる
お薬のようなヌナだ。

「ヌナお薬をください~~><」

「またですか?w」

時々そんな文字まで交わした。

だけど、未だに会った事がない・・・
なぜだか避けられているような気もして。
ハッキリと言われた分けじゃないけれど、ヌナは
俺の心を時々かき乱すんだ・・・

時々寂しそうに、「会いたい・・・」とか。

でも、それは俺にじゃなくて他の誰かに
なんだろう・・・。
俺はそう思って、「何かあったの?大丈夫?」
としか言えなかった。

やっぱりヌナはごめん。と言って
次の日になればいつものヌナに戻っているんだ。

そんなヌナが心配だけど、俺とヌナはそうして
お互いに会わないまま、寂しさを埋めて来たんだ・・・。


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もうすぐ病院につくから、俺はお土産を買って
ユカリンに会えるっ~~!!って思って、スキップをした。

今日の顔色はどうかな?
そんな風に顔を出した。

「ユカリン、ドンウが来たよ^^今日も可愛いね^^」

ユカリンの髪を撫でて、俺は頬にキスをした。
だって、今日は新しいCDを持ってきたから。

「ユカリン、俺ね?ホヤとINFINITE Hって名前で
歌を出したんだよ!それでね?今日はそのCDを
持ってきたんだぁ~♪ユカリンは今何を聞いてるのかな?」

俺はユカリンの耳からイヤホンを外して
自分の耳に片方だけ付けた。

「アイゴ~~まぁ~だこの曲聞いてたの?
新しいの入れなくちゃね!」

俺は替えのI PODを出して、新しい曲が入っている
方と取り替えた。

たまには違うアイドルの曲を聞かせたけど、
ちゃんとユカリンにこれは違うからね?1曲だけだよ?
って念を押してから聞かせた。

だってさ、こっちのファンになっちゃったら大変だろ?
でもさ、毎日同じ曲じゃ飽きちゃうと思ってさ。

そう言いながらユカリンに新しい曲を聞かせた。
返事がなくても俺はずっと説明したり、話しかけている。
変な人なんて思われたって俺にはどうでも良かったし
関係ないって思うんだ。


俺がそうしたいからそうしてるだけ。
それでいいだろ?
そこは曲げないし、やめられない。
だって俺はユカリンが大好きだからさ。

あ、起きたらちゃんと言えるかな・・・?
おわっ!ヤダヤダ・・・なんか
考えただけで胸がドキドキするぞ?

「さて、じゃぁユカリンいい?曲流すよ?」

俺は2曲を何度もリピートさせて、俺の声が
沢山流れるINFINITE Hをかけ続けた。


「今度来る時までにこの曲を覚えてよ?」


俺はそう言ってニッコリ微笑んだ・・・


俺が見逃したユカリンのサイン。










「聴こえる・・・?どうかな・・・気に入ってくれるかな?」

少し微笑んだ・・・
俺は少しだけ口の端をを上げて微笑んだ筈だったんだ。

それなのに、君は指先一つ動かさないまま
涙を流した。

「えっ・・・どうして?あっ!ナースコール!!どこだっ?」

ガタガタンッ!!

ベッドの柵に足をぶつけて動いてしまった。
だけど、反対側に回らなきゃナースコールのボタンに手が届かない。

焦ってベッドが動いてもユカリンは
涙だけを流して、反応した。

俺の曲を聞いて・・・
反応したんだ。


急いで押して来てもらった。


「ほんとですね・・・。」

「でしょっ!?でしょっ!?これって、もしかして
僕の声が聞こえてるって事ですよねっ!?」

俺は嬉しくて嬉しくて、どんな言葉でも言い表せない
程だった。
こうなったら、どんな手を使っても目を覚まさせてあげるんだ。

ご両親だって喜ぶぞっ!!

「看護士さん、これって・・・これって・・・
目が覚めるかもしれないって事ですよねっ?」
俺は興奮気味に言った。

あぁ~・・なんて今日はいい日なんだろう。
清々しい天気のおかげなのかな?

俺の願いが届いたのかな・・・

期待に胸を膨らませて踊りたくなるようだった。

でも・・・


「すみませんが、この涙は違います・・・。」

「えぇっ?どうしてです?だって曲を聞いたら
涙が出てきたんです。それが違うわけないじゃないですか!!」

「お気持ちは分かりますが・・・」

「だって現に涙が出てるのに違うって言う理由を
教えてください!!納得できませんっ!」

俺は悪くもない看護士に当たるように言葉を投げつけてしまって
我を忘れた・・・
きっと誰だってそうなってしまうだろ?

だってどう考えたって俺の曲を聴いてから
涙が溢れたんだから・・・・

「眼球運動による目の乾燥かと・・・」

「そんな・・・」

「でも・・・脳については、未だに解明されていないことが
多いんです。だから、あなたの曲を聞いたから涙を流したと
考えてもそれは間違いとは言えないんです。私は看護士です。
こういう事もあると正直にお伝えしなければなりませんが、
あなたの言うとおり、あなたの声に反応したのかもしれませんね^^」

「看護士さん・・・ありがとう・・・。」


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俺は溢れてきそうな涙をこらえて、ユカリンを車椅子に座らせた。

「俺、お散歩に行ってきます。」

「はい。気をつけてくださいね?」

看護士さんの言葉がありがたかった・・・
嘘でもなくて本当でもなくて。
ただ正直にそういう事が考えられるからって
教えてくれたんだから。


「ユカリン、今日はとっても気持ちがいいね!
ユカリンの髪は今日はここで梳かしてあげるね?」

ゆっくりと歩いた中庭から見えて来た風景は、和風にも見えて
洋風にも見える庭がいくつもくっついたみたいに広がっていた。

左側は砂利や灯篭を飾って、小さな池もある公園・・・
百合の花も植わっていて、池には鯉が泳いでいる。
あれは・・・山百合なんだろうか・・・
そんな風に眺めながらその横を通り過ぎ、ベンチに座った
老人に一礼して、芝生の広がる方へ足を運んだ。

花が咲き乱れる花壇には、色とりどりのチューリップが
咲いている。その間にはムスカリが存在感を引き立ててくれて
とても綺麗だ。

その花壇の横には洋風レンガで作られた水道もあった。
芝生を刈るおじさんに手を振って、俺はそこでユカリンの
髪を梳かし始めた・・・

ユカリンが目を細めて笑った・・・。

「ユカリン?綺麗に咲いたね^^
もうすぐきっと退院できるよ?」

ユカリンがそっと腕を伸ばして
俺の頬に手を当てて微笑んだ。
その手の上に俺も手を重ねて目を閉じた・・・
ユカリンの手が冷たい。氷のように。
次第に凍った手が俺の顔まで凍らせて行き、
体も全てカチコチになっていった。
寒い・・・やめて・・・ユカリン・・・。



あまりの寒さに俺は目を開けてハッとした。

全ては俺が見た白昼夢だった・・・。


気が付けば俺はベッドに頭を付けて
眠っていたようだ。

ユカリンの顔を見たら、まだ目は閉じたままだった。

「ユカリン・・・あはっ俺、夢見てたw
ユカリンとね?この先にある庭で散歩してる夢だよ?」
そう言いながらユカリンの体を横にしたり、起こしたり
マッサージをして刺激を与え続けた。

それがきっかけで目が覚める場合が稀にあるんだってさ。

俺はどんな夢みたいな話でも実践した。
ありとあらゆる話を鵜呑みにして。

それでもいいんだよ・・・


0じゃないだろ?
可能性は0じゃないんだ。

今日の涙は一歩だよね?

俺は自分にそう言い聞かせて、家に帰る。

「ユカリン。また来るからね?」

そう言い残して・・・




この後、俺は知らなかった・・・
ヌナ・・・
どうして言ってくれなかったの?




心臓が破裂する程に俺は走る事になったんだ・・・。


『頼む、間に合ってくれ。』






 




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君に続く道は険しくて辛い道のりだ。

終わりのないような道で、だけど凹凸がない。

何かアクシデントがある訳でもなさそうだ・・・

あるなら個人的な事だけかもしれない。

君の呼吸を止めるのかどうかは俺が決められる
事じゃないのは分かっているけど、
俺は何度だって会いに行ってそうしないでくれと
頼むつもりだ。

それがエゴなのかどうかは今は
考えたくないけど、そうだっていい。
家族もきっと悩む事だろう・・・・

それを外すことはとても勇気がいる・・・・

俺に何ができるか考えなくちゃ。

それまで、待ってて・・・
また会いに行くから・・・
待ってて。



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ため息を付いた後、やっと気持ちを沈めて
LINEを開き、文字を見つめた・・・

そうか・・・そうだったんだね。


「ドンウ・・・」

あの言葉は・・・。


そう気がついた頃にユカリンから
LINEが届いたんだ。
そして今それを開いて見てるとこ・・・。


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『ドンウさん・・・
見たらお返事くれますか?』


                              『はい。今見ました。』

『ごめんなさい・・・
私はユカのオンニです。』


                             『あぁ、オンニでしたか。
                             大丈夫ですよ^^
                             俺よりもヌナなのかな?』


『はい。そうです。
突然すみません。』

                             『いえ、嬉しいです。
                             全然気にしないでください。
                             俺はユカリンだと思ってしまったけど、
                             それでも以前よりは前に進んだって
                             思ってますし・・・。』


『そう思って頂けるなら、嬉しいです。
ユカが・・・あの子が話してた事
色々理解したくて、今になって
携帯を覗いてみたんです・・・
そしたら、ドンウさんの文字が
たくさん来てて・・・』


                              『はははっなんだか恥ずかしいですw』


『いえ、すみません・・・。
ドンウって名前を書いたのは
私です。ずっと待っている
ようだったので、申し訳なくて
つい書いちゃったんです。』


                             『そうでしたか。ありがとうございます。』


『ユカに起こったこと、
知らないんじゃないかって
思ったので、どうしようか迷ってて
それで、名前を書いた時に
間違えて送信しちゃったんです・・・。』


                           『あぁ~なるほどっ!
                           でも、あれで俺は救われたんです・・・。
                           だから気にしないでください!!  』

『いえ、ほんとにすみません・・・。
ぬか喜びさせちゃったみたいで。』

                           『いやいや、ヌナ気にしないで!!
                           俺、嬉しかったから。
                           そのおかげで会いに行こう
                            って思えたんです。だから、
                            これで良かったんですよ。  』

『ありがとう・・・。
そう言ってくれると
私も助かります。』

                          『あの・・・お願いがあるんですけど
                                聞いてもらえますか?』

『はい。出来ることでしたら
どうぞ?』

                          『俺、この通り仕事が忙しくて
                           なかなかユカリンの顔を見に
                           行けない日もあるかと
                           思うんですけど、何かあった時とか
                          この携帯で連絡してもらえませんか?』

『あぁ!いいですよっ!
ユカに何か変わったことが
ありましたら連絡しますね?^^』
                         『やった!!ありがとうございます。
                          それと・・・もし良かったら今度是非
                          コンサートに見に来てください。
                            その時はチケット送ります。』

『ありがとうござます。
でもそんな気を使わなくて
いいですよ^^。歌はユカのCDで
聞いてますし。』

                         『わぁ~!!ホントですかっ!!?あっは!
                          なんか嬉しいなっwありがとうございます。
                         ユカリンがこんな事になってて、俺だけ何も
                          知らずに笑ってたんだなって
                          さっきまで落ち込んでましたけど、なんだか
                          ヌナとお話してちょっと元気出ました!!
                          ありがとうございますっ!!』

『いい~っていい~って!!
あははっwwwなんか急にタメ口に
しました。私がヌナなので・・・w
これから、あまり負担にならずに
してくださいね?ドンウさんのせい
ではないのでだから。』

                        『はい・・・分かってます・・・だけど、これは
                         俺だけの中で後悔してる事が沢山あって・・・ 
                        だから、ユカリンの事時々でもいいので
                        こうして連絡してください。我が儘だって
                        分かってますけど・・・。』

『うん。分かった^^
じゃぁ、1つだけ条件が
あるんだけどいいかなっ?』

                        『はい。大丈夫ですよ。
                        何でも言ってください!!』

『これから、こうして会話するのに
敬語するのも疲れるから
タメ口でもいい?って既に
そうだけど・・・。w』

                        『あぁっ!なんだっwwwそんな事
                        いつでもいいですよ!!あ、そうだ・・・
                        あ、今はいいやっwww』

『何っwwww
まぁ、いいけど。
とにかくあまり気負わないで?
それと、ユカの事好きになってくれて
ありがとう。^^』      
                       
                         『ハハハッ!!それは本人にまだ言って
                         ないから秘密です!!じゃぁ、忙しい所
                         すみません。ありがとうございました。』

『wwwwドンウ君。
私から話しかけたんだよ?
忘れちゃった??』

                        『あっああwwwそうでしたっすみませんっw
                        俺・・・ユカリンの顔なるべく沢山見に行きます。』

『うん・・・
ありがとう。ドンウ君・・・
こんな事言いたくないけど、
ユカが目を覚ます確率は
0に近いみたい・・・だから、
あまり無理をしないで?』

                         『はいっ^^ありがとうございます。
                         ヌナも体には気をつけてくださいね?
                        それから、ご両親にも宜しくお伝えください。』

『うん。ありがとう!
ドンウ君も今は辛いだろうけど
仕事には集中してね?
そうじゃないと怪我しちゃうから。』

                        『はい。あ、それと、ヌナは実家に
                            住んでいるのですか? 』

『ドンウ君はストーカーですか?
冗談ですけど』

                        『ヌナはユカリンと違ってSですね・・・。
                        いいんです・・・。(T_T) 』

『冗談ですってw』

                        『あ、そうだ、ユカリンに俺達の歌を
                        聞かせたいと思ってるんです。
                        今度I POD持っていきます!!』

『あぁ~それいいね!!
ユカが聞いたら何か
反応があるかもしれないし。』

                        『だと、いいなぁ~・・・なので、もし、病室に
                        行って、それがあったら俺なので、そのまま
                        使ってください。お願いします。』

『分かった。両親にも
そう伝えとくから。
じゃぁ、また・・・
ドンウ君、ユカに会いに来て
くれてありがとう!!』

                        『こちらこそ、きっかけを作って頂いで
                        感謝しています!^^では、また・・・です。』

『はい。では、またね^^』





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 ユカリンのヌナとLINEで話が出来て、俺はやっと
正気を取り戻すような気持ちになれた・・・。

まるでユカリンと話してるような錯覚にも
陥って・・・
違うんだけどさ。

 
でも、さっきよりは気が晴れた気がする・・・

俺はまた部屋から出て、いつものように
していたかった。
それなのに・・・・。
俺が一歩部屋から足を出すと、何か
空気が澱んでいるように見えたんだ。

「あれっ?なぁ~んか暗くない?
みんなどうしたのっ?!」

みんな空々しくそっぽを向いてあまり
俺と目を合わせようとしなかった。
小さく握りつぶした手が震えそうで
俺はそれを抑えるように話し続ける。

「あっ!そう言えば、ウヒョンは体の具合
どうだったの?検査したんだよね?
ソンギュヒョン?結果は??」

「あ・・・あぁ。うん。大したことじゃないよ。
体を休めれば大丈夫みたいだよ?」

「あぁ・・そうなんだっw ウヒョン良かったな!
これからまだまだ忙しいみたいだし、
辛くなったら言えよ?」

「うん。ありがとう。ドンウヒョンも・・・」
そう、ウヒョンが言葉をかけようとしている
間にホヤが間を割って入ってきた。

「辛くなったら?ドンウヒョン。辛くなったら言えよって
それ、ドンウヒョンだろ?なんでみんなに言わないんだよ。
今、分かってるだろ?いつもと空気が違うことくらい・・・
ドンウヒョンはなんでいつもそうやって
何も言わないんだ?顔にでてるんだよっ!
俺達がどれだけ心配してるか分かってないだろっ?」

「・・・・・ホヤ。俺さ、分かってる。分かってるよ?
ははっ・・・でも、話をして負担になりたくないんだよ。
自分で解決できることは敢えて言う必要も
ないだろ?」

「なんだよそれ・・・。俺たちじゃ役不足か?
言わなくてもこんな空気なんだ。
ドンウヒョンはそれが分かってる?」

「うん。分かってる^^」

「何、笑ってんの?今笑うとこ?」

「ホヤ、俺、何か悪いことでも言ったの?」

「俺、ドンウヒョンのそういうとこ・・・我慢出来ない。」

「ホヤッ!やめろって。今1番辛いのはドンウだろ?」
ソンギュがそう言うが、ドンウが何に耐えているのかは
知らない・・・。
                        
そんな心をドンウはギリギリまで悪い方に考えないように
必死で笑顔で対応した。

「あははははっなぁ~にそんな真剣に話してるのぉ~
俺は大丈夫だって。なんか、みんなごめんっw
そんな深刻な顔してたっ?w」

ホヤの睨む目が、俺を哀れんでいるように見えて
胸をチクチクと痛めていく・・・

「もう、いいじゃん。ドンウヒョンがごめんって
言ってるんだし。俺達なんか少しおかしくないか?
個人的な悩みを言わないだけで、そんなに
ギスギスしちゃうなんて・・・
俺達、よっぽど疲れてるのかもしれないよ。
ちょっとしたことに敏感になってるのかもね。」
と、ミョンスがおしゃべりになった。

「お?ミョンス、そうだよ。俺もほんとそうだけど、
みんなも疲れてるからちょっとした事が
いちいち気に障るんだろうなぁ~・・・ヌハッw
あぁ、でも俺は別にそんなの気にしてないし
なんか気遣わせちゃってほんっとごめんね?」
俺も負けずにおしゃべりになった。

「ドンウヒョン・・・・ほんと、何やってんだよ・・・。」
ホヤはそう呟いて、その場から離れて行って
しまった・・・。
俺は苦笑いするしかなくて、一瞬だけ下を見てから
頭をポリポリ掻いた。

「まっまぁ、いいじゃん。ドンウヒョンが気にするなって
言ってるんだし、俺達それどころじゃないじゃん。」
と、ソンヨルが言い放つと、何処かへ足を向けた
筈のホヤがピクッとして体を止めて振り向いた。

「やぁ・・・今なんて?」

「なっ何?そんな怖い顔して・・・」
ソンヨルはホヤがどうしてそんなに
感情を剥きだしているのかが理解出来なかった。
できるはずもない・・・
ドンウの悩む事を聞いていないのだから。

ツカツカとホヤはソンヨルに向かって
足を早めて近づいた。

「お前は何も知らないからだ。」

さっきまで笑っていたソンヨルの顔が
真顔になってホヤを睨みつけている・・・

「あぁ・・だからなんだよ。」
ソンヨルはホヤに今にも飛びかかりそうに
言い放った。

「なんだよって何だ?そっちこそ、
その言い方は何なんだよ?」
ホヤの言葉とぶつかり合って
事態が悪い方へ傾き始めた・・・

「おい・・やめろって・・・」
ソンギュはまたいつものように
止めに入るが耳も貸さない二人。

「おいおいっ急にどうしたんだよ
二人共ぉ~・・・」
ウヒョンもソンヨルの肩を掴んで
和まそうとした。

「ホヒョン・・・何が言いたいわけ?」

「お前さ、それどころじゃないって言ったろ。」

「そうだよ。それのどこが悪いって言うんだよ。」

「何も知らないくせに、いい加減な事言うなって
言ってんだよ。」

「はぁっ?俺のどこがいい加減なんだよっ!」

「お前はいつもそうだ。楽観的過ぎるんだって
言ってるんだよ。」

「また何言ってるの?何で俺がそんなに
言われなきゃなんないんだよ。ホヒョン、何か
ドンウヒョンの事知ってるの?」

「・・・・・・そんな話ししてないだろ?」

「なんだよ・・・それ。俺はとばっちりか?
勘弁してくれよ。俺達の活動だって今
大事だろ?ドンウヒョンが大丈夫だって
言うならそうなんだろ?だったらそれでいいじゃないか。」

「お前・・・俺達は仲間だろ?なんでそんなに
冷たいんだ?」

「何言ってんだよ。言いたくもない事を無理矢理聞けっての?
それって違うんじゃない?」

「それでも手を伸ばすのが仲間だろ?」

「おい・・・いい加減に・・・」
ソンギュの声も届いていない程に
言い合っている・・・

「ヒョン・・・やめなよ。」
ソンジョンが起き上がって言っても
耳には入らない。

「ソンヨラ・・・やめろよ・・・。」
ミョンスも静かに止めようとしたが・・・。


「じゃぁ、ホヒョンは事情を知ってるんだな・・・
それで、そんなに上から目線か。」
ソンヨルがバカにするなと言うように
息を吐く・・・

「・・・・。」


「何を知っているのかは知らないけど
それでそんなに俺の言葉に引っかかってるって
何なの?知らない俺達が悪いとでも???
あのさ・・・知らないならさ、そうするしかないだろ?
ドンウヒョンが言いたくないんなら、それ以上
聞くってどうなの?見ただろっ?あんな顔してる
ヒョンに聞けないだろっ!!」

ソンヨルは興奮して最後には怒鳴るように
斜めになってホヤを睨んで言った。

「それでも聞くんだよ!!俺達の前でさえ
演技してるんだぞ?分かってるだろ?」

「だって、ヌナが聞くなって言ってたじゃないか!!」

「男と女は違うだろっ!!
俺達はまがい物の仲良しクラブか?
それに、聞かない方がいい時と駄目な時の
判断もつかないか?」

「なんなんだよっ!!もぉ~わっけ分かんねぇよっ!!」
ソンヨルがテーブル近くにあった椅子を蹴っ飛ばした。

ガターーンッ!!

「やめて・・・。」
俺はそう言った筈だった。

ソンギュヒョンが俺を見ている・・・
ウヒョンもミョンスも・・・それから
ソンジョンも・・・。

ソンジョンは俺を見て、近くに来て抱きしめてくれた。
多分・・・

ただ、あったかいとしか分からなかった。

「ドンウ・・・・」

そう、呼ばれたかは・・・

俺は泣いていた。
ただ、ただ、泣いて泣いて泣いて・・・

崩れてしまっていた。
いや、もう崩れたかったのかもしれない。

ホヤもソンヨルも泣きじゃくる俺を見て
喧嘩を止めた。

どうして・・・どうして争うの?
俺はただ、自分で納得して出来ることをして、
ただ見守ることしか出来ないのに。

話してもいい。
話したっていいんだ。
でも、葛藤してた・・・・

ユカリンを可哀想だって、俺を可哀想だって
そんな目で見て欲しくなかったんだよ。

それに、話すのが怖かった・・・
いつでも変わらない笑顔がそこに
あれば頑張れるって思ったから。

俺がみんなをバラバラにしてしまった。

それが・・・何よりも辛かったんだ・・・。



ソンヨルが椅子を蹴った後、ホヤはその胸ぐらに
掴みかかった。
俺はただ泣いていた・・・

「言えよ・・・何を知ってるのかを。」
ソンヨルが滅多に出さないような冷たい視線を
ホヤに向かって送った。

「っ・・・・。」
苦しそうに歯を食いしばるホヤ・・・

「言えない?あんなに俺に当たった癖に。」

ホヤはクソッ!とでも言っているかのように
ソンヨルの胸ぐらから手を強く放した。

ソンヨルは舌打ちをしながら胸元を直して、
部屋へ入って行った・・・

「まっ・・・待って・・・。」
俺は必死で声を出して、ソンヨルが
部屋に入るのを止めた。

「ソンヨラァ~・・・ごめっ・・・ごめん・・・。」

振り返ったソンヨルの顔は、今にも泣き出しそうな
悲痛な表情だった。

みんな同じ・・・

思い違いはあるけれど
思う事はみんな同じだったんだ。


ただ、ドンウが心配だったって・・・


「俺・・・ほんとは誰にも言うつもり
なかったんだけど・・・その・・・色々あってさ・・・。
俺とユカリンの事は、皆にも迷惑かけちゃうかもしれなくて
どうしても言えなかった・・・。」

「いいんだよ。何もそこまで考えなくたって・・・。」
ウヒョンは目を細めて言ってくれた。

「俺のせいで皆がバラバラになっちゃうのが
嫌だから・・・話すよ。」

「うん・・・。」
返事をしてくれたのはウヒョンだった。

「ユカリンは以前、空港で俺の失くしたパスポートを拾ってくれた
子なんだ・・・」

「えっ!あの時のっ??凄い偶然だね。
また会えるなんて・・・。」
まさか、未だに連絡を取っているとか
また出会えた事にミョンスは驚きを隠せなかった。

「うん・・・あの時、俺連絡先を渡してた・・・
どうしてそうしたのかは自分でも分かんないよ。
でも、また会いたかったんだ・・・。」

メンバーはそれから静かに話を聞いてくれた。

ユカリンの他に気になる人がいた事・・・
俺達のファンの一人だという事。
それから、ダンス教室で、また出会えたこと。
俺の気持ちの迷い。
二人が同一人物だったこと・・・
それから、俺がそれを悩んでいたこと。

そんな中でのユカリンの事故・・・・


全て洗いざらい話した。


「ホヒョン・・・ごめん。ホヒョンも辛かったんだね・・・。」
ソンヨルが話を聞いた後、直ぐにそう言った。

「いいんだ・・・俺も悪かったし。」

俺達には何も出来ない・・・
でも、支えることは出来る。
だから、そうしたかったホヤ。

言いたくないのならそっとしてあげる優しさ。
普段通りの俺達を見て、少しでも元気が出ればいい・・・
そう思っていたソンヨル。

お互いに違う道でも、心はやっぱり
一つの所に還る。

こうやって俺以外の誰かが喧嘩をして、
壁を取り払ってくれて、俺は肩の荷が
降りるかのように、少しだけ気持ちが
安らかになった。


「みんな・・・言えなくてごめん・・・
ユカリンが良く来ていたファンだったから。
もちろん最初は友だちの付き添いで
来ただけだったみたいだけど・・・。
だから言えなかったんだ。色んな事が心配で・・・
でも、ユカリンは悪い子じゃないから、迷惑を
掛けるような子じゃないから・・・」

「うん・・・うん・・・分かったよ、ドンウヒョン。
僕には理解出来るよ?だから、安心して?」
ソンジョンがゆっくりと目を閉じて頷いた。

「そうだよ。少しは話して楽になったろ?
話してくれなきゃ、いざ助けたくても助けられないし。
だから、もっと俺達に頼ってよ^^」
そう言ってミョンスはニコッと笑った・・・

「なんでも一人で抱え込まなくていい・・・
ドンウ、全てを話せとは思わないけど、もしも
抱えきれなくなったら、必ず相談して欲しい・・・
一人で解決できない事だってあるだろ?」
ソンギュがそう言って苺牛乳を手渡してくれた。

「ありがと・・・」

「あははっ美味しい?」
ウヒョンが笑っている・・・

「うん・・・良かった。」
俺はつい心の中で思った事を口に出してしまった。

「良かった?変なドンウヒョンだねっw
俺も苺牛乳のもぉ~っと!」
ウヒョンはそう言ってキッチンへ行った。

「あ、もうこれで最後っw」
そう言ってソンギュヒョンは最後の苺牛乳を
一気にチュ~~~っと飲み干してしまった。

「あ~~~~ぁぁあ・・・・」
ウヒョンの伸ばした手が虚しくて笑えた。

「ふぅ~甘いな・・・」

「だったら俺に頂戴よぉ~~」

「あ、ごめんwもう全部飲んじゃったw」

「あはははっ」
それから俺はやっと笑えた。
仕方ないから、俺はウヒョンに
一口あげた。



ユカリン・・・俺、今笑ってるよ?
みんなのおかげでさ。
ユカリン、早く君にもう一度笑って欲しい。
これからは、俺が君にい会いに行くよ。


俺は君の桜になりたい・・・
いつでも風に吹かれて君の傍に。
それから、気持ちのいい風にもなりたい・・・
君の心を温めるようなそんな風に。


こうしてこの日・・・1つ、2つと仕事を終えて
から、俺達は眠った・・・。



君へと続く道がどんなに険しくても
俺は負けない・・・・
俺は、諦めない。



そう強く思いながら、俺は夢に向かう。

向かって行くんだ・・・・







 





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ほんとだよ?
信じていいよ。

俺は君さえいればそれでいいんだってば。

だから、笑ってよ。
こんな夜には君さえ笑ってくれれば、それだけで
俺のどんな心も溶かしてくれるって。

そう・・・信じてるから。

こんなの嫌だよ。
これは別れなの?
俺にどうしろって・・・

ここまで来たんだよ・・・
それを諦めろって言うの?

違う・・・違う・・・違うよ。
待って、ちゃんと聞くから。
君の全てを聞くから・・・・

そうじゃないといけないんだ。
自分勝手な思いじゃなかったって
分かったんだもん。
ただ、君からの返事がなかったんじゃなくて、
出来なかったって分かったんだもんね?


俺、待てるよ・・・まだ待てるってば。
だから、早く・・・早く戻っておいで。

それから・・一緒に桜を見に行こうよ・・・・

俺と君だけで、遊歩道を歩けば、風の歌が聞こえてくるはずだから。
二人だけのメロディに体を任せて歩きたい・・・

そう・・・俺は何も要らないんだ。



--------------------------------------------------------------------------------




さっきまでの楽しい会話もプツリとなくなった。

何の意味も分からず、約束をさせられた俺は
その苦しい選択を選ばなければならなくて、究極の淵に
立たされた。

だけど、俺の答えは直ぐに出て、彼女に会わせて欲しいと
頼んだ・・・だって、それが俺の今日の決意だったから。

それ以外の選択なんて、目にも入らなかったんだよ。

俺にはそれを選ぶ勇気なんか要らなかった。
ただ君が欲しかったから。
ただ君だけをこの瞳に映したかったから。

俺は意外と不器用みたいだ。
それしか選べないのだから。
それしか頭にないのだから。
色々考える事もあったかもしれないけど、そんな他の言葉なんて
必要なかったんだよ。

複雑に考えれば何も分からなくなるって分かってるから
俺は正直に生きるしかないんだ。
他の人みたいに計算してなんてそんな器用な事は
俺には似合わない。

だから、これを選んだ。

でも・・・本当は泣きそうだよ。
泣きそう・・・だったんだよ・・・。



「こっちだよ・・・。」
ユカリンのお父さんが俺を誘導した。

「はい・・・。」
俺はただそう返事だけをして、お父さんの歩幅に合わせて
付いて行ったんだ・・・。

変だな・・・
あれ・・・?

病院の中をまだ歩いてるんだよ・・・
おかしいだろ?

ここは確か、ただユカリンのお姉さんが働いていた
場所だって聞いただけなのに・・・?

嫌だ・・・・

なんだか俺の心がそう叫んでいる。
今にも足がすくみそうになって・・・

腰につけた鎖の飾りが揺れて太ももに当たる瞬間まで
ゆっくりに見えるようなめまいを起こしながら、
俺は頭を振って、また歩き出す。

予感なんてできなくていい・・・

俺は一瞬そう思いながらも付いて行くのに必死だった。

早足で歩くのは何故・・・?
早く終わらせたいのだろうか・・・俺との繋がりを。

じゃぁ、なんでユカリンの仕事場なんて見せたの?

どうしようもない焦りが出る頃にある部屋の前で
足が止まった・・・。

ここは・・・まだ、病院じゃないか。

「ドンウ君。ユカはここだ。さぁ・・・」

俺はツバを飲み込んだ・・・
何度も・・・何度も・・・
その度に手をドアに掛けては下ろし・・・
掛けては下ろし・・・

繰り返す動作に指先の震えが、俺を引き返せとでも
言ってるようだった。

「私が開けようか・・・」

そう言って、俺のタイミングで開けられなかった
そのドアがゆっくりとスライドしていった。


目をパチクリさせてから、俺はゆっくりと中に入って
心音を高ぶらせていった・・・

もうすぐ会える。
ただその思いだけで、俺は足を無意識に動かしていた。

「ユカリン?」

ユカリンのいるカーテンをそっと開けると、
そこにいるのは、包帯だらけで呼吸器を付けて
ただ眠っているユカリンの姿だった・・・・

「っ!!」
俺は急激に吸い込んだ空気で
胸がつかえた・・・

「ゲホッゲホッゲホッ・・・」

「だっ大丈夫かっ!?」
ユカリンのお父さんが背中を叩いてくれたけど、
俺は直ぐに顔を上げて、その寝ている
ユカリンの顔を見つめた・・・

「こっこれは一体・・・どうして・・・。」


窓からフワリと頬撫でていく風が
時を止めた君をさらって行ったようだった・・・


すると、ユカリンのお母さんがやっと口を開始めた。

「ドンウ君・・・ダンス教室が以前あった時の事を憶えてる?」

「あ・・・あぁ・・はい。」

「あなたに会えるって、ともて楽しみにしていたのよ・・・
それと同時に何か不安も抱えてたみたい。
心当たりはある?」

「はい・・・なんとなく。」

「あの後、一晩中泣いてた・・・。
私には何がそんなに悲しいのか分からないけど、
あとでこの子のメールを見たユカのお姉ちゃんが
私たちに教えてくれたんだけどね?・・・・」

俺は下を向いたり、手を体の前で組んだり外したり
落ち着き無く話を聞いた。

「あなたに・・・嘘をついてたみたいね?」

「いえ・・・そんな・・嘘だなんて・・・。
俺はそんな風には思ってません。」

「そう・・・ありがとう。」

俺は黙って首を振った。
時々ユカリンの顔を見ながら・・・

「その後、なんだかお姉ちゃんと小さい喧嘩
をしたみたいで、ユカが家を飛び出してしまったの。
それから、直ぐに家の前で救急車のサイレンが
鳴り響いたから私、ビックリして外に出たの・・・。」

「はい・・・。」

「何かの間違いであって欲しかった・・・
でも、そこに倒れていたのは紛れもないユカだった・・・」

「じゃぁ・・・事故・・・。」

「そうね・・・。ユカは打ちどころが悪かったみたい。
体は回復したけど、あれっきり目を覚まさなくなった・・・
何度声を掛けても・・ユカは・・・・」

ユカリンのお母さんはそれ以上何も
話せないほどに泣き崩れてしまった・・・

これがさっき言ってた約束の正体だった。

何も言わずに・・・帰れと・・・。

俺も・・・泣くしかなかった。
泣くことしか出来なかった・・・

後から後から溢れ出す涙。
俺の背中が壊れてしまうほどに力が入って
痛い・・・

「ユッ・・・ユカ・・・ユッ・・・ユカリンッ・・・」
俺は手を伸ばして、手を掴んだ。

お願いだよ・・・お願いだよ・・・お願いだよ・・・

それしか思いつかない。

それしか言えない。

俺は何処に言葉を置いて来てしまったのか?

俺は・・・

「ユカリン・・・ドン・・ウ・・・だよっ?
迎えに来たよ?ねぇ・・・俺はここに居るよ?
ユカリン・・・ユカリン・・・ごめん・・・もっと早く俺が・・・
君に気がついてたって言っていれば・・・・」

ベッドに何度も頭をつけては顔を見て、
その傷だらけの頬にユカリンの痛みを感じた。

痛かっただろ?
辛かっただろ?

こんなに傷ついて・・・
心まで傷ついたままで・・・

フイにお父さんが俺の肩をしっかりと握ってくれた・・・。

泣くのを我慢して、それでも涙がこぼれてしまうユカリンの
お父さんの顔を見ることは出来なかった・・・

俺の背中の後ろですすり泣き、こらえるように息をしている。

それでも俺の肩から手をどけることはなくて。
それでも俺に帰れとはもう言わなくて・・・

君と桜を見たかった・・・

君と一緒に笑い合いたかった。

君とこれから付き合いたかった・・・

だけど、君は戻らない。

目を覚ましてよ?
お願いだよ・・・お願いだ。

クシャクシャになった俺の酷い顔を
見てくれよ・・・
そう思ってみても、鼻をすすってユカリンの顔を
見たら、俺と目も合わせないで、スヤスヤと
眠ってるんだ・・・


もしも、俺の人生を少しでも分けられるのなら
今すぐにでもそうしたいよ・・・


誰にこんな話をすればよくて?
誰がこんな話を信じろって?


ひとしきり泣いて、ユカリンの手を摩って、
握って、そしてその手にキスをして・・・

叫びたかった・・・
大声で悲しみを叫びたかった。
だけど、それをすることは出来なかったんだ。
ご両親の胸の痛みに比べたら俺なんて・・・

だから、必死に涙を拭った。
鼻を真っ赤にしながら、袖で拭って。


俺はご両親に、『また来ます・・・』
とだけ言い残してその部屋を後にした。

ずっといられなかった・・・

あの部屋の空気をこれ以上肺に入れたら、
きっと俺の身体は崩れてどうしようもない
人間にでもなってしまいそうで、怖くなった。

自分を憎んでしまいそうで・・・
戻らない時間に後悔だけが残って、死んでしまおうかって
考えるんじゃないかって・・・

だけど・・・・
俺は、メンバーの明るい笑顔が浮かんだんだ・・・
いつも俺と笑い合ってきたみんななら、それを望まないだろう。
それでも、やっと思いとどまったと思った瞬間にも
また全てが嫌になるのを繰り返してしまう。

「そうだ・・・・。」
俺は足の赴くままに歩いた。

帰り道は・・・
あの橋を通って、川を眺めよう。

桜並木の遊歩道に足を向けて、
俺は暫く川を眺めたんだ・・・

所々に川に板を並べたような簡単な渡り橋もあって、
子供たちが楽しそうに川を渡って・・・

遊歩道には人がゆっくりと、そして足早に。

車道にはいつものようにバスや車が往来して。

見上げれば届きそうな桜・・・

ひらひらと俺の顔に舞い降りようとする。

頭に・・・肩に・・・

何も考えたくなかった。
桜だけに心を移していたかった。

それでも・・・それでも・・・
俺の溢れる熱い涙が、嘘をつくなと涙した。

大丈夫なんかじゃないって・・・


君と見たかった桜が前を塞ぐから、
俺は立ち止まって、暫く何も考えずにその風景を目に焼き付けた。

それから、ふと携帯を取り出して、その桜並木を
動画で撮り始めた・・・

いつか二人で見たいから。
この桜を見に行こうって・・・・

手が震えて上手く撮れなくても、
青い空と桜の花びらが、そんな事を気にしなくても
いいよって思わせてくれた・・・

これからの事なんてまだ考えたくなかった。
まだ考えないで、今はただこの桜の花だけを見ていたい・・・・

メンバーになんて言おうかなんて
そんな事も考えずに・・・今は・・・・





 




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俺は今・・・なぜだかユカリンのお父さんが
運転する車に乗っている・・・。

ユラユラとその車の振動に身を任せているけど、
正直何が何だか分からない展開だった。

俺は確かにユカリンに会いに来たっていうのに、
今は車の中にいるんだ。

ユカリンのお父さんの行きたい場所から
帰ってくれば、家にユカリンが待っていてくれるのだろうか?

俺はそれを期待して、ただ今は車から入って来る風に
当たりながら少しの会話を始めた。


「ドンウ君・・・本当に今、分けがわからないだろうね。
済まないと思ってるよ。」

「あ・・・いえ。そんな事ないです。僕に何かを
見せてくださるのですよね?」

「あぁ、そうなんだ。もうすぐ着くよ・・・。」

さっきまでの明るかったお父さんの声がなんだか
嫌に静かに感じた。
まるで感慨にふけるような・・・

暫く車を走らせていると、橋が見えて来た。
川が流れていて、風景は悪くない。

賑やかで明るい町並みの間に車を止めて、
ご両親に連れられた風景を一緒に眺めた。

「ドンウ君、こっちだ・・・。」

橋を渡ち始めて、流れる川に少しだけ視線を落とすと
あっという間に橋を渡り終わる。
それから俺はなんという緊張感もあまり持たずに
揺れる木々の枝に温かい風を感じていた。

どうしてあまり緊張感がないのかは、最初は
分からなかったけど、段々とその理由が分かった。

「ドンウ君、ほら、余所見してると危ないよ?ははっ
本当に君はあちこち色んなものを見て吸収する
みたいだね^^」

「あはは・・・すみません。つい・・・」

「いや、いいんだよ。ユカも言ってんだよ。
あちこちキョロキョロしてて、何でも吸収したり、
また何でも物事を楽しんだりするクセがあるみたいだって。
すぐに疑問を持って解決しようと努力したりするのは
決して悪いことじゃないんだ。
いろんなことに興味を持つことはとても良い事だと
思うよ?何も感じないとか、感じようとしなければ、
人間は成長しないからね・・・。」

「それって褒めてるんです?ヌハハッ!」

「あははっもちろんだよ。落ち着きがないと言われるだろ?
あ、こんな事言ったらドンウ君のご両親に怒られちゃうかな?」

「いえ、そんな事ないですっw」

「落ち着きがないってことはあちこち見たり良く
聞いたり、沢山の事を考えてるって私は思うんだよ。
もちろん違う場合もあるかもしれないが・・・
私はそう思う。だから、安易にそんな言葉で片付けたくないんだよね。」

「あぁ~なるほど・・・じゃぁ、今度メンバーにそう言われた
今の話をしてみますっwwwわははっ」

「あははははっほんとドンウ君は前向きでいいね^^
素晴らしい考えだよ。」

「うははっなんだか照れますね・・・っw」

「あ、ほらっもう着いたよ。」

「ん?ここは・・・?」

「ここはね、ユカが働く場所なんだ。ちょっと入って見ないか?」

「あ・・はい。でも、ユカさんはいないんですよね?」

「あぁ、今日はいないよ。」

「こんにちはー。」

「あっ!ユカリンパパぁ~!!こんにちはっ!
お久しぶりですねっ!」

「あぁ、ほんとに久しぶりだねぇ~」

「あ、ママもいらしたんですねっ!ユカリンどうですか?」

「えぇ。まぁ、相変わらずよっw」
と、ユカリンのお母さんが答えた。

「そうですか・・・でも、私達も待ってますから^^」

「ありがとう・・・。」

なんだ・・?なんの話だろう・・?俺にはまだ良く分からなかった。

それからそのまま店内を練り歩いた。

雑貨や衣類など様々なものが置いてあるお店は
カラフルで俺も好きな雰囲気だった。

色んなオモチャを手に取ってご両親と楽しんだ。
大きなメガネとか掛けてさ、俺はその眼鏡を買うと、
ユカさんのお母さんも色違いの眼鏡を買った。

「ドンウちゃん!見てみて!!私にも似合うかしら?」

「うははっママにも良く似合ってます。」
そう言ってドンウも同じ眼鏡を掛けて、お互いに顔を
合わせた。

「ブッ!!」

「あっ!笑ったなぁ~?うふふっ・・・でも、やっぱり
おかしいわねっw」

「いえ、なんだかユカリンにそっくりで可愛らしかったですっw」

「やだぁ~ドンウちゃんってば最高の褒め言葉ね!」
そう言ってユカリンのママは笑ってくれた。

「おいおい・・・ドンウ君。私のワイフに恋しちゃ駄目だぞ?
この人は私のワイフだからっw」

「あははははっ違いますよっww僕はユカリンに恋してますから・・・」
と、どさくさに言ってしまった。

「あらっw」
「おっ!良く言ったねw」

「わわわわっすみません・・・でも、まだちゃんとは言えてないんです・・・。」

「そうか・・・じゃぁ言う予定なの?」

「僕は今、大それたことを口走っているような気がしますね・・・
一体今、僕は御両親になんて事を言ってるんでしょうか・・・。」


「あはははっドンウ君は面白いねっw」
そう言ってお母さんは笑ってくれた・・・。

「ドンウ君、そんなに固くならなくてもいいんだよ?
それに、考え過ぎなくてもいい。ただ素直に思ったまま
話して欲しいんだ。」

「はっはぁ~・・・」

そう言ってユカリンのお父さんは、背中を見せて
少しだけ肩を揺らしていたんだ・・・

「ユカリンのお父さん?」

「なんだ、ドンウ君・・・。」

「うぅわっ!!」
俺は驚いて後ろに尻餅をついてしまった。

「あははははっ!怖かった?」

「lもぉ~~・・・お父さんやめてくださいよぉ~・・・
あぁ~・・まったく・・・。」

ユカリンのお父さんは気持ちの悪いお化けみたいな
マスクをして俺の方を振り返ったんだ。
ほんとに、心臓が破裂しそうにビックリしたよ・・・。

「これはどう?」

「いやっ・・・それはなんて答えれば・・・プフーーーーッ!!」
そう言いつつも俺は横を向いて吹き出して
笑ってしまう。

ユカリンのお父さんが今度は美少女の・・・
なんて言いえばいいのかマスクって言うか
仮面って言うか・・・そんなお嬢様みたいな顔の
お父さんになっていた・・・。

「なんだっ?笑ってるじゃないか!
失礼なっ!!」
そう言いつつ、お父さんの顔だけ美少女だった。

「ちょっwwwwもぉ~~あひゃひゃひゃひゃひゃっ!!
あはっあはっもぉ~~やめてくださいよぉ~~ほっとにっ!!」

「はいはい、面白いわねー。はい、
パパもうおしまいね?」

「なんだよーママはドライだなぁ~・・・」
そんな事を何度もしながら、俺達はその店に
30分程いた。
結構な時間が経っていたんだ・・・。

すると、もう店を出ようかという時にユカリンのお父さんは
突然、また話を始めた。
「ドンウ君・・・聞いてくれる?」

「あ、はい。なんですか?」

「ユカの事なんだけど・・・あの子はね、
末娘なせいか私達は甘やかしてねぇ・・・
何か困ったことはなかったかい?」

「いえ・・・困ったことなんて何も・・・ただ・・・。」

「ただ?」

「いえ・・・なんでもないです。」

俺はユカリンと会えなくなった事をどうしても
言えなかった・・・。
きっとご両親が胸を痛めるだろうと思って。

とっても優しいご両親だな・・・。
ユカリンの優しい所は、きっとご両親に似たんだろうなぁ・・・
そんな風に思えた。

「ユカはね?なんだかいつもそそっかしいと言うか・・・
おっちょこちょいと言うか・・・見てられない所が
あるんだ。それで以前、橋の向こう側から仕事の様子を
覗いてたんだけど、そこからメールしてみたんだよ。
普通だったら仕事中にメールなんてしちゃいけないんだろうけど、
私は気がかりでね・・・そしたら、震えた携帯に驚いて
アタフタしてたんだよっあははっおもしろかったなぁ~・・・あの・・・顔。」

「ちょっっとお父さん!顔ってっ!はははっははっ!あははははっ!!」

「いや、だってね?本当にビクッとした顔でさ、目なんて飛び出て
るんじゃないか?と思ったくらいだよ。
それから、手から携帯を落としそうになって、逃げる魚を捕まえるような
格好でわっわっわっ!って言ってたんだ。」

「え?聞こえたんですか?」

「いやっ離れてたから声は聞こえないけど、口の動きがねっ・・・
なんとも・・あのっ・・ぶはっ!!」

「お父さんっwwww笑いすぎじゃないですか?でも、
なんか想像したら分かりますね。焦ってるユカリンが目に浮かびます。」

「そーだろそーだろっ!?ドンウ君。あ、それでね?
メールをすぐに返してきたんだよ。」

「へぇ~優しいですね。」

「だろっ?」

「ちょっと、お父さん・・・もうその辺にしなさいよ。
全く・・・ユカの事になるとほんと止まらないんだから・・・
ユカはオモチャじゃないのよ?」
そう言って、お母さんは半分本気、半分冗談で
お父さんを叱った。」

「いいじゃないかぁ~ユカは面白くて可愛いぞ?w」

「まったく、しょうがないわねぇ・・・ごめんなさいね
ドンウちゃん・・・。」

「いえいえ、いいんですよ。僕も聞いてて
楽しいですから。」

「あ、そんでドンウ君続きがあるんだよ!」

「なんですか?」

「次にメールを送った時に、私はついに橋の近くにいるよ!って
メールしたんだ。」

「うんうんっwわっ!ついに正体を!!みたいですねっw」

「ふふふっ・・・その楽しさを分かってくれるか?ドンウ君・・・ふはは。」

「分かりますっ分かりますっ!なぁ~んか、なんていうのかなぁ?
ワクワクするような、探偵になったみたいで見つかるかな?っていう
ドキドキ感ですね。」

「おぉ~!そうなんだよ。それで、ユカは辺りを見回して
橋をジ~~~~ッと見つめてたんだよ。身動きもあまり取らずにね。
私は、その時思ったね・・・。ちょっとは動けよっ!!・・・ってね。」

「フハハハハハッ!!わはははははっ!!確かにっwww
確かにそうですよねぇ~。」

「それなのにただジ~~~っと橋を見つめて・・・ブブッ!!
思い出すだけで笑いが止まらなくなるんだよっムハハッ」

「あぁ~見たかったなぁ~その場面っ。」

「そうだろ?ふははっまぁ、こんなユカなんだけどさ、
結局は目が合って、ユカの粘り勝ち?になったわけよ。」

「うんうんっwなんか想像出来ます。」

「あ、ごめん。これだけっ!」

「ぅえぇぇえええ???なんか
いきなり終わった感じがあるんですけどっwwww」

「ほんと、ごめんなさいねぇ・・・
うちの人ったらなんの脈絡もなくて・・・。」

「いえっいえいえ、大丈夫ですよっ!僕も話を聞いてて
楽しいですからっ^^」

「まぁ~ほぉ~んとドンウちゃんは優しいのねぇ~^^」

「ママ、違うよ。ドンウ君はきっと私の気持ちが分かるんだよ。
だから、笑うツボも一緒なんだと思う。」

「笑いのツボは関係ないでしょ?もぅ、いいから
そろそろ行くわよ?」

「あっ・・あぁ・・・そうだな・・・。」

こうして俺はまた車に乗って、次の場所へ
向かうことになった。

今度はどこなんだろう?

よく、芸能人とか有名人とかが番組でやる
ユカリンのゆかりの場所案内なのかな?

なんか洒落みたいになったけど・・・w

俺はルンルンとした気分で車に揺られた。



あれ・・・?ここ・・・・って。


車を降りてすぐに俺は突風に煽られた。


砂埃と桜の花びらが俺の体に巻きついて来て
息もできなかった。

ボサボサになった頭と涙目になった顔。

視界がよく見えない・・・


ぼやけた目が次第に見えるようになると、
目の前にあったのは大きな病院だった。


「ここはね?ユカの姉さんが以前働いていた場所なんだ。」

「え?今は?」

「もう辞めてしまったよ。」

「そうですか・・・。」

俺は何故辞めたのかとか聞きたかったけど、
喉まで出かかって、結局聞けなかった。

「どうだい?この病院。大きくて部屋も広くて
綺麗だろう?」

「あ、はい。とても大きいですね。」

「設備も整ってるし、医療スタッフも科目ごとに
大勢いるし、完璧だとは思わないかい?」

「科目ごとに先生が一人じゃないんですか?」

「うん。大体病院にもよるとは思うけど、早番と遅番がいて
交代しているんだ。昼間は二人はいるんじゃないか?それで
夜には交代して仮眠を取ったりね・・・。
色んなパターンはあるとは思うけど。非常勤や短時間勤務の医師
とかもいるよ?病院によって医者の数も違うんだよ。」

「へぇ~・・そうなんですか・・・。」

それにしても、病院に連れてくるなんて
何か思い入れでもあるのかなぁ・・・?

あ、でもユカリンだけじゃなくて、お姉さんの
仕事場だった所もも見せたかったのかな?

「あっ・・・あの、お父さん・・・。そろそろ
ユカリン家に戻って来てないですか?」

「・・・・・。」

なんだ?なんで黙ってるんだろう・・・。

急にユカリンのお父さんは顔を曇らせたんだ。

「ドンウ君。そんなにユカに会いたいのかい?w
せっかちだなぁ~君はっw」

「あははっ・・すみません。僕は今日、
そのために来たんです・・・。自分の気持ちを・・・伝えるために。」

「そうかぁ・・・そうだったのか。なんだか
引っ張り回して悪かったね・・・。
それで、決心は鈍ったかい?」

「いえっ!全然っw鈍らないです。
僕の心は今、ユカリンにだけ走ってるんでっははっ・・・」

「わぁ~・・・言うねっ!」

「あははっすみません。お父さんにこんな事
言うなんて・・・でも、僕は本当にそう思っているんです。」

「そっか・・・ありがとう。ドンウ君。
だが・・・帰りなさい。」

「え?・・・」

「もう、家にも来ないでくれ・・・それから
ユカにも会いに来ないでくれないか?頼む・・・」

「えっ・・・頼むって・・・そんな・・・
どうしてですか?なんだか俺、混乱して分からないですよ。」

「分からなくていいんだ・・・。このまま、帰ってそのまま君の人生を
歩んでいって欲しい。」

「これじゃ納得できないですよっ!さっきも言いましたけど
俺は今日、ユカリンに会わなきゃ、駄目なんですっ
お願いですから会わせてくださいっ!!お母さんっ!
何か言ってくださいっお願いします。」

ドンウは深く頭を下げて頼み込んだ。

頭の中は何がなんだか分からなくて、
さっきまで笑い合ってたのに、何故急に
そんな事を言い出すのか分からなかった・・・。

俺が図々しい話し方したから?
それとも俺みたいな男じゃ頼りないって??
元々交際は反対とか・・・
可愛がってるみたいだし。

俺・・・せっかく来たのに・・・
さっきまであんなに楽しかったのに・・・


俺は頭を下げながらそんな事を考えていた。

だけど、いくら考えたって、どうにもならないし
何も答えなんてなかったんだ。



「ドンウ君・・・顔を上げなさい。」

俺はずっと頭を下げて、前髪で足先しか見えない視界を
広げるかどうか少し迷った・・・。

「ドンウ君・・・君に一つだけ守って欲しい事があるんだ。」

俺はその言葉聞いて、覚悟を決めて顔を上げた。
その覚悟が一体なんなのかも分からないけど・・・・
ただ、今日はユカリンに会いたい一心で顔を上げたんだ・・・。

「これからユカに会わせよう・・・
ただ、顔を見たらそのまま何も言わずに帰って欲しい・・・
それが条件だ・・・。済まない・・・こんな頼みをするのは
間違っているとは分かってる。でも、それが私からの
条件だ。それができるか?」

息を飲む音が俺の体に響き渡る。
どうしてこんな条件が・・・・
気持ちを伝えない代わりに会えるって・・・。
やりきれなくて、指先まで震えてくるようだった。
だけど、このチャンスを逃したら、俺は一生ユカリンには
会えない気がして・・・。

「わ・・・分かりました。」

「何も・・・何も言わずに帰るんだよ?いいね?」

「はい・・・。」

俺はユカリンのお父さんと約束をして、複雑な気持ちのまま
ユカリンに会わせてもらうことになった。

「じゃぁ、一緒に来てくれ・・・。」

そう言ってから俺もユカリンのお父さんも何も
言葉を交わすことはしなかった・・・。


一体なんだ・・・

なんなんだよ。

こんな時、ホヤとかソンギュヒョンがいてくれたら
いいのに・・・。

そう思いながら俺は覚悟をしなければならなかった。

気持ちをまた言えないなんて・・・
地獄だ・・・。
言いたいことも話したい事も沢山あるのに。

意地悪なのか・・・?

悪い虫がつかないように、安全策でも取って
いるのだろうか??
俺じゃ役不足だって言うの?
アイドルとは付き合わせたくないとか・・・
それとも単に気に入らない?
酷いな・・・


俺は悪い方にばかり考えを沈めて行ってしまっていた。
悔しくて・・・悔しくて・・・
きっと俺じゃ認められないんだろう。
そう、俺の心は審判を下した。


ご両親の気持ちなんてこれっぽっちも考えずに・・・・







 





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キラキラとした衣装を着たまま
ドンウは桜の花がひらひらと舞い散る
桜並木を走った・・・


「俺っ行ってくるっ!!」


そう、言い残して・・・


今日の風は、まるで俺に味方でもしてくれているかのように
追い風で、俺の体全身を包み込む。

さぁ!出かけよう!!君の元へ!!

ワクワクした気持ちと愛する喜びが
笑顔に変えてくれる・・・

時々、ジャンプするようにスキップをしながら
一人言のように声を出して笑ってしまう程の
高揚感だっ!

もうすぐ会える!!
きっと・・・
きっと!!

そう思いながら走っていると、
急に携帯が震えるのに気がついた。


なんだよっ!せっかく気分よく走ってたのにっ!
俺はそう思いながらも仕方なく電話に出た。

「もしもしっ!もしもしっ!!もしもぉーしっ!!」



----------------------------------------------------------------------





「あーぁ・・・ドンウヒョン・・・行っちゃったね。」
ソンジョンが呟いた。

「あいつ・・・ほんと行動が早いよな。」
と、ソンギュ。

「ははっ・・・」
ホヤもいつものドンウに戻ったような気がして
嬉しかったが、苦笑いをするしかない状況だった。

「ドンウヒョン、俺達の声も聞かずに出てったよね?」
と、ソンヨル。

「心ここにあらず?」
と、ミョンス。

「・・・だな。」
とソンギュが言うと、ウヒョンは、ははっとだけ
笑って見送ってしまった。

「・・・・はぁっ!ったくもう・・手が掛かるね・・・。ヒカリ?」


「うん。」

ヌナがアイコントをしながら、ヒカリの名前を言うと、
ヒカリはすぐにドンウへ電話した。


携帯の向こうから、やかましい声のドンウが出た。

ヒカリは流石に片目を閉じるように携帯を耳から
少し外した・・・

「ドンウちゃん?」

「ぅわっ!ヒカリちゃん??俺の携帯知ってるの?」

「うん。みんなの知ってるよ?」

「なんでっなんでっ??」

「それはそうと、せっかく外に出た所悪いんだけど、
今すぐ帰ってきてくれる?」

「ぅええええええ???なぁ~んでよぉ~!?
なんでなんでぇ~??」

その瞬間、三白眼になったヒカリが、
黙って見届けているみんなを驚かせた・・・

『ウヒョナ・・・あれじゃまるで、ヌナのあの目付きだよね・・・。』

ソンギュがひそひそと小声でウヒョンにそう言うと、
ヌナに見つかって睨まれてしまった。

それからまたヒカリちゃんへ視線を移した瞬間、
ヒカリちゃんはこう言い放った。


「ドンウヤ、仕事だ。」


「ぉうわぁあぁぁあああああ!!!!!!」
一人、街中で叫ぶドンウ・・・

「Come back!! Now !!Harry Up!Baby~」
追い討ちを掛けるヒカリ・・・

「ぅっうううう・・・そぉ~んなぁ~・・・」
泣くしかないドンウ・・・

携帯の向こうでは、大きな笑い声が響きわたっている。
 
ミョンスが両手を叩いて大爆笑して、ソンヨルと
ハイタッチして抱き合い、それと同じ瞬間にソンギュが口を
大きく開けて、手を叩きながらウヒョンに目を合わせた。

その口をウヒョンが見た瞬間、釣られて笑い両手でハイタッチして
肩を組んで見守った。

二人が肩を組んだ頃には、ホヤも大きな口で笑いながら
クルリとその場でターンするように手を叩いた。
それから、腰に手を当てて笑うソンジョンに
背中を軽く叩いて、ソンジョンと手を合わせて叩いて大喜びしている。

その全てがスローモーションのように見えた気がした。
音だけで・・・声だけで、その一瞬が見えて来くるように感じられて
俺はなんだかとても救われるような気分だった・・・


みんなも久しぶりにドンウのおかげで
大爆笑して、気持ちが良かった。


「た・・たっだいまぁ~!わははっw」
もうなんだか笑うしかなくて、靴を脱ぎ散らかして
リビングにトトトトッと入った。

「ドンウ~~っwww」
ソンギュの眉の下がった笑顔・・・

「何してんだよぉ~w」
ウヒョンの軽く引く笑い声・・・

「ドンウヒョン、桜はよく咲いてた?」
ミョンスの冗談・・・

「お疲れッ!」
ホヤの横に引いた笑顔・・・

「ドンウヒョォ~ン、衣装汚れなかったの?w」
ソンジョンの何気ない一言・・・

「なんで、ちゃんと確かめないんだよぉ~っ
気ばっかり先に行っちゃってっ~wwww
ほぉ~んとにっ!」
ソンヨルの少し長いツッコミ・・・

「こらぁ~ドンウぅ~借りてきた衣装
汚すんじゃないよぉ~!」
そして、ヌナのお叱り・・・w

みんなみんな俺達の欠片。

これからもずっと、ずっとその欠片が
欠けないように大切にしていきたいって思う瞬間だったんだ。

「じゃっじゃっじゃぁさ?仕事終わってから行くしっ!」

「まぁまぁまぁまぁ・・・ちょっと座れって。」

ホヤがドンウの後ろから肩を掴んで、
ソファに座らせた。

「うん?何・・・」

「あのさっ・・・」

そうホヤが言った所でヒカリが
顔をニューっと出してきた。

「ドンウちゃん・・・ユカリンのじゅーしょー・・・」

「うわわっ!怖い怖い怖いっ!!なんでおどろおどろした
顔で言うのぉ~っ!!www」

「だって、ドンウちゃん思い立ったら吉日はいいけどさ、
ユカリンの家知ってるの?」

「あ・・・・・・。」

「えぇ~??知らないのに今、走ってったのぉ~?
信じられないよ~。ドンウヒョンはほんと行動力は
あるんだけどそれじゃいつか失敗するよぉ~・・・」
とソンヨルがいつもの早口で言った。

「いや、もう既に失敗してるし・・・」

「ホヤっwwww」
思わずウヒョンも目を細めて笑うしかない。

半口を開けたままのドンウはそれぞれが
何かを言うたびにその人を目で追って
心ここにあらずといった感じでもあった。

突然笑い出して、あぁそっかとはっとしたり
なんだか忙しい日だ。



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仕事が終わってから、俺はヒカリちゃんにもらった
ユカリンの住所と地図をもらって、二度目の桜並木を
さっそうと歩いた。

段々近くになるにつれて緊張感が走る。

ソワソワして落ち着かない・・・

ファンの子に見つかったらどうしようとか
道を間違ったらどうしようとか、そんなのは
全く頭にはなくって、電車に揺られる広告ばかり
見つめながら、読みもせずにニヤけそうになるのを
こらえた。

時々は薄暗くなった電車内の窓に顔を写して、
ヘアスタイルを気にしたりもした・・・

なんだか手が汗ばむなぁ・・・
そんなどうでもいいことまで頭をよぎって
なんて表現したら正解なのか分からない
ようにとにかく浮き足立ってたんだ。

「わぁ・・着いた・・よしっ!」

襟もないのに襟を立てるように
気合を入れて、ユカリンの家までの地図を
にらめっこをした。

時々わけが分からなくなって、コンビニで道を訪ねたりもした。
その度にちょっとはファンの子に見つかって
ヒソヒソと言ってたみたいだけど、店を出てすぐに
1度は必ず猛ダッシュしてその場を凌いだ・・・。

もうすぐ近くだって感じた時、俺の歩幅は少し
小さくして歩いてみた。
この辺りをユカリンが毎日通っているのかと
思うと、胸が弾んだから・・・

こんなところに1本だけある桜の木・・・
ここをもう少し歩いていけば川があるのかな・・・?

右に見えてくるのはコンビニとクリーニング屋さん。
左側には最近出来た様な美容室もあった。
沢山のお店が立ち並ぶ反対側の住宅の中に
ユカリンがいる・・・・

俺は1つずつ確かめるように、ゆっくりと歩いた。
気持ちはもちろん会いたくて焦るけど、今はどうしても
ユカリンの生きている場所をもっともっと感じていたかったから。
それに、ユカリンはもう、そこにいるんだって思ったら
逃げたりなんかしないよって自分に言い聞かせてたんだ。

迷いのあるうちにユカリンに会うのは嫌だから、
そんな想いを断ち切って、堂々と会いたかった。

怖い事じゃない・・・
確かめ合う事なんじゃないのか?
そう思いながら、やっと家の前までたどり着いた・・・


まだ、マンションの1階部分だというのに、
インターホンを鳴らす指が震えてくる。
指先まで神経が届いて、一旦手を包むように抑えた。


次こそ押すぞ!

そしてやっと鳴らした。

ピンポーン・・・

「は~い。どなたぁ~?」

ユカリンのお母さんらしき声が帰って来た。

「あっあの・・・僕はチャン・ドンウともっもっ・・・
申しますっ!!あのっ・・ユカぁ~さんはぁ・・いらっしゃいますか・・?」

「えっ?!チャン・ドンウさんって・・・まさか、あの
チャン・ドンウさん??イン・・・インフぃ・・・」

「あっあっあっそうです!インフィニットのチャン・ドンウですっ」

「あららら・・・さぁどうぞ?今開けるわね?」

マンションの1階を開けてもらってやっと建物の中に入ると
次は玄関前だ・・・

エレベーターで上がっていく間に、物凄い汗が出るようだった。

うぅぅぅあああぁぁぁ・・・どうしよう・・・
お母さんいるのか・・そりゃそうか・・・家だもんな・・・。
はぁあっ!はぁあ!はぁぁああ~~~・・・・
そう言う度に変なスキップをしてしまうドンウ。
まるで駄々っ子だ・・・

エレベーターが到着すると同時に何故か猛ダッシュで玄関前
まで行って、そのままインターホンを鳴らした。

ピッ・・ポーン・・・

勢いよく押したせいなのか、物凄くおかしな音が出てしまった。

普段なら笑ってしまうところだったが、それどころではないドンウは
その場駆け足をしている・・・。

ドアが開く3秒前には落ち着いて深呼吸をし、前髪を指で
ほぐした。

「あら~ほぉ~んとにドンウ君だったんだねぇ~?
ささっどうぞ?上がって下さいっ^^」

「はっ・・・はい・・・お邪魔しますぅ・・・」

ペコペコと上目使いで頭を下げながら
ドンウはリビングに通された。

そのソファに座っていたのはユカリンのお父さんと
見受けられる人だった・・・

ぅあっ!!!

ドンウはUターンしそうだった。

ぅ~わぁ~~わわわっ!いきなりっ??
いきなりこの展開っ??
どうしよう・・・
今日来るのは間違いだったか・・・

なんでこの平日にお父さんが・・・うぅ・・・
仕方がない・・・ぁあああでも、ユカリンには会いたいし・・・
って言うかユカリンまだぁ~~????!!!

俺の脳内では大変、細胞が大暴れ中でして、
思考回路もショート寸前でした。

なぁんて言ってる場合じゃねぇ!!
うわぁあ~~・・・どうしよう。
なんて言う??まず、挨拶挨拶・・・

「こっ・・・こんにちはっ!僕はインフィニットというアイドルグループ
でRAPを担当しているドッ・・・ドッ・・チャン・ドンウと申します・・・。」

「はいっ!ドンウ君。喉渇いたでしょう?麦茶でも飲んで?^^」

「あっはい・・ありがとうございます・・・。」

俺は本当に喉が渇いていたので、一気にそれを飲み干してしまった。


俺がコップをテーブルに置くと、ユカリンのお父さんは
息をゆっくりと吸って吐いた・・・。


「ドンウ君・・・君のことはユカから色々聞いてるよっ!はははっ
そんなに硬くならないでくれ。何もとって食べるわけじゃ
ないんだからね?」

「はっはい・・・。」

「君の事を本当に素敵な人なんだって、毎日のように
話すんだよ。どれだけいい人か・・・可愛いだとか面白いだとか
沢山聞いたんだよ。だから私も君に会ってみたくなったんだよ。
今日は来てくれて本当にありがとう。」

「いっいえ・・・急に来てしまってすみません・・・」

「いえいえ、いいのよっ!私も来てくれてとっても嬉しいのっ」
そうユカリンのお母さんは言ってくれた。

「あのぉ~・・ところで・・ユカリン・・いぇ、ユカさんは?」

「あぁ・・・そうだったね?ユカは今、ちょっと出かけてるんだよ。
その前に、私たちと一緒に行って欲しいところがあるんだが・・・
どうかな?時間大丈夫ならなんだが・・・。」

「あぁ・・はい。いいですよ?どこに行くんですか?」

「まぁ、それは来れば分かるから^^」
そうお父さんに言われて、ドンウはユカリンの家族と一緒に
車に乗り込んだ。

お父さんと・・お母さん。それから・・・お姉さんが
いるらしいんだけど、今日はいないらしい・・・。

とにかく俺はお父さん達と一緒に出かけることになった。


早くユカリンに会いたいけど、仕方ないか・・・。
俺はそう思いながら乗った車から風を仰いだ。





 


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「ンフフフフフッ・・・ンフフッ・・・・」


「おい・・・・」


「うひゃひゃひゃひゃひゃ・・・うぅ~ん・・・」


「おいっ・・・」


「んはっ!ンフフッ・・・・」


「ぅあ~・・・」
体を半分のけぞるようにして
部屋に入ってきたソンギュ。

どうやら寝言を言うドンウを痛い目で見つめて
肩を上げていた。

「ん?どしたの?」

その後ろからミョンスが
ドアの天井に片手を掛けて覗き込んだ。

「あれっ?ミョンス、お前今日早いね。」

「ん?あぁ・・起きるの?っんふ・・・」

「なんだよ、気持ち悪いなぁ~・・・それより
こっちの気持ち悪い寝顔も起こせよ。」

「ヒョン、気持ち悪いって・・。ふはっ・・・
ヒョン、ヒョンの番組で見た寝起きの顔もかなり
酷かったけど・・・」

「あ?あれが魅力だろ。俺はいつでも飾らないんだっ!つーの。
そんなとこまで力入れたてたら疲れるだろ?」

「んははっ・・・まぁ、そうだけど、あれは酷かったw」

「うるさい・・・」

「ははっ!」

「ミョンスヤ、いいから起こしてよ。ドンウ・・・」

「うん。分かった。」

そう言ってミョンスはドンウのお腹を揺らして起こすと、
真っ直ぐに伸びた足がユラユラと揺れて
まるで人魚のように動いた。

「!!うはっ!!うはははっあひゃっ!!クククク・・・
金魚か?うははっ!!」

そのトンチンカンなミョンスの声に釣られて
ソンヨルが足を止めた。
「はよっ・・・何やって・・・ブハッ!!ウハハハハッ!!
魚・・・さかなっwwwwww」
ソンヨルが裏返った声で笑い出した。

「面白いよね・・・なんか起こそうと思ってお腹を揺すったら
こんなんなったんだよっwブフッ!」

ミョンスの笑いのツボにはまったらしく、ドンウの隣にある
自分の布団に埋もれて手を叩いてウケまくっていた。

「お腹出てるよ・・・風邪引いちゃう!うはっ!」
そう笑いながらミョンスはTシャツを下げてお腹を
しまった。

「おらぁ~~ドンウで遊んでないで
起こせってば・・・」

「あれ?ソンギュヒョン目ぇ開いてる?」

「・・・・。」
ソンヨルのつまらない冗談に手を
上げて威嚇するソンギュ。

「わわわっ!殴られるっ殴られるぅ~~」
そう言ってソンヨルはまだ笑い転げているミョンスの
背中にへばりついてミョンスを差し出そうとした。

仕方なくソンギュはドンウを軽く叩いて起し始めた。

「ドンウ・・・ドンウ・・・ほら、起きて。
ほらっ・・・ドンウヤ。」

寝ぼけ眼でなんとか起き上がったドンウ
だったが、首を下にもたげたまま時々
周囲を見渡してはまた起き上がった状態で
目を瞑った。

「おい~~・・・ドンウっドンウ
起きろって・・・。よっ!っと・・・」
ソンギュはドンウの両腕を引っ張り上げて
起こした。
その間にソンヨルはさっさとリビングへ戻っていき
お湯を沸かし始める。

ドンウが起きたので、ソンギュはウヒョンの
様子をまた見に行った・・・

「ウヒョナ・・・起きた?一人で起きれるか?」

「ん・・・大丈夫・・・。」

「結果でたのかな・・・そろそろだよな?」

「うん・・・。俺・・・もう駄目なのかな・・・」

「ばぁ~かっ何泣き事言ってるの?
お前らしくないじゃんっまだ分からないだろ?」

「俺、自分の事だからなんか分かるんだよ。」

「ったく心配症か?結果出てからこれから
の事は考えようぜ?なっ?」

「うん・・・」

二人の会話を誰が知ることもなく
ウヒョンの辛さが進行していく・・・

誰にも言えない秘密。
ソンギュヒョンだけは分かっているのだろうか・・・
それとも知らなくても何か気づいているのか。

まだ分からなくて。

「ふぁ~~~ぁ・・・まだ眠い・・・
でも・・・・うふふっ・・・」
ドンウは一人ニヤつきを抑える事が出来なかった。

ドンウは起きてすぐホヤのところへ行って
報告した。

「ホヤッホヤッ・・・」

「ん?おはよっ~」

「うん。ちょっと・・ちょっ・・・」
俺は気持ちばかり焦って
言葉をあまり選ばずに手招きをした。

「何?」
小さな瞳のホヤが目を可愛らしく
パチクリとさせてドンウの傍に来た。

「あっあのさ・・これ、見て?うふふふふ・・・」

「ん?」

「へへへっ・・・」

「わっ!」
ホヤはまず一言そう言ってドンウの顔を
見た。

「ほんとに?これ・・・やったじゃん!
ユカリンから?」

俺は何度も頷いてニヤっとした。
頬が痛くなるほど、口が上がりっぱなしだ。

「なんかさ・・・これだけなんだけど
俺すごく嬉しくって宇宙まで飛んでいくんじゃないか?」

「自分の事なのに、その表現w」

「んはっw でも、ほんと名前だけっていうのが
また気になるけど・・・何かあったのかなぁ・・・?
まさか誘拐されてるわけじゃないよね・・・」

「まぁ~さかぁ~・・深く考えすぎだって。」

「だよね・・。でも、心配だ。」

「うん・・しっかしその後のドンウヒョンの
喜びようったら凄いなwwwものっすごい
返事書いてるじゃん。わはははっ」

「ばっ!そこは読むなよwwww」
俺はそう言って頭をポリポリ掻いた。

「その後は返事来ないの?」

「うん。まだ来ない・・・」

「早く会えるといいね・・・。」

「うん・・・。」
そう言いながら俺は照れくさくて
鼻の頭を指で撫でた。


そんな会話をしている中、あのヌナがやってきた。

「おぉ~~い!みんな起きたの~?
私が来たよ!」

「あっヌナだぁ~^^おはよっヌナ♥」

「おっ!イ・ソンジョンはいい子だねぇ~
すぐに挨拶できるなんて。よしよし・・・」
ソンジョンは頭を撫でられてちょっと
心外だとでも言う顔でヌナに食いついた。


「ちょっ・・ヌナっ!子供扱いしないでってばっ」

「だって子供じゃん。」

「いいえ、もう子供じゃありません。」

「そうなの?」

「はい。もう20歳になりました。」

「へぇ・・・」

「へぇって!!へぇって何ですか?もっと
僕に興味を持ってくださいっ!!」

「やだよ。なんでよ・・・」

「ヌナ・・・冷たい・・・。」

「ほぉ~らそうやってすぐいじける。
だからあんたはまだ子供だって~の。」

「ヌナ、あんまりこの子をいじめないで?^^」
ミョンスがソンジョンの頭を自分の方へ
抱き寄せた。

「あぁ~ら?ミョンスさん、おはよう。
まずは挨拶でしょ?ミョンス。礼儀がなってないわね。」

「おっおはようございます・・・」

二人でタジタジになっているところに
ソンヨルも現れた。

「オッス!ヌナおはよっ!今日も美人だね!!んふっ」

「よし、ソンヨル合格!!」

「やりっ!!」

「と、言いたい所だけど、お前オッスってなんだ?
友達じゃないんだから、おはようございますでしょ?」

「は・・・はいっ。」

「ったく・・・ドイツもこいつもイギリスも・・・」

「えっ・・・」

ヌナの時々言うくだらないギャグにみんな
固まってしまった。

このヌナは本当に気が強くて怖い・・・

俺は遠巻きに見てなるべく、巻き添えを
くいたくなかった。

「Hi ! dong woo!! 」

「はっ・・Hello? Ms,・・・」

「Goo job!!」

ヌナにHi!!なんて言ったら殺されるに違いないと
瞬時に思って、すんなりヌナのクエストをクリアした気分だった。

ふぅ~・・・一瞬、安堵のため息が出るようだ。


「ソンギュ!どいて・・・。」

「ヌナ、俺に挨拶してくれないの?」

「ソンギュヤ、挨拶して欲しかったら
まず自分から言うのはどう?」

「くっ・・・・」

「フフン~♪」

ソンギュは1度下を向いてから決心するかのように
顔をあげてニコッっと笑った。

「ヌナ!アンニョン^^」
片手を上げてぎこちなく笑って言うソンギュ。

「ぎゃはははははっ!!!」
俺はつい笑いのツボにはまってしまった。

「うははっ・・・なんだよそれぇ~プハハッ」
ミョンスが呆れて言いながら後ろに回転しながら
笑う・・・

「なぁにそのぎこちなさっ!!ぎゃははははっ
ソンギュヒョンの顔!顔っ!!」
ソンヨルまで笑い転げて指を差した。

ソンギュは恥ずかしさのあまりに
拳を頭につけて、猫耳のようにしながら
しゃがみこんでしまった。

「ぅあぁああ~~~・・・・」

「プッ・・・ソンギュいいね!その笑顔w
いつでもそうやってね?ふふっw」
ヌナがそう言うと、衣装の他にいつものバッグを
ぶら下げて、ウヒョンのいる部屋に入って行った。

そして、1度は閉めたドアからまたヌナは顔を出した。

「あ。みんな見ないでね?ウヒョンとのラブラブな
時間だからっw」

「うわっ!マジかよっ!」
とソンヨル。

俺はポカンと口を開けたまま、そう言う事?
と言う顔でホヤと目を合わせた。

ホヤは俺と目が合うと、さぁ・・・?とでもいったように
首を傾げた。

こうなったらもうみんな気になって仕方がない・・・・

興味深々で部屋の音を聞こうと聞き耳を
立てようとする。

「やぁ~めろって・・・お前ら・・・」
ソンギュがそう言いながら
ドアに耳を当てた。

すると・・・・


ガチャッ!

ゴンッ!!

「っっつ!!!!!」


ソンギュが頭をまた抑えてしゃがみこんだ。

「ん?何してるの?あんた達のやることは
見え見えなんだって・・・なんで分からないかなぁ~?」
ヌナはクスッっと笑ってまたそのドアを閉めてしまった。

「はぁ~あ・・・一体何やってるんだろうなぁ~・・・」
ソンヨルが首の後ろに両手を組んで衣装に着替えだした。

ソンジョンはガッカリするように首に手をかけた後、
暫くまたその手を腰に当てて物静かに考え込んでいるようだった。



そんな時に呼び鈴が鳴り出した・・・・



ピンポーン・・・

ピンポーン・・・


ピンポンピンポンピンポンピンポーン・・・・


「うわっ!今度は何っ???」
ミョンスはぼっ~っとしてたのか、急にビクッと
して目を泳がせた。

「誰?誰か来た??」
俺がそう言うとすぐにホヤがインターホンに
近づいて行った。

覗き込むようにホヤがインターホンに
顔を近づけてすぐにガバッっと背中をインターホンに
つけて隠した・・・

「ホヤ・・・?」

「いや、間違えっぽい。そのうち
いなくなるだろ・・・」

「そうなの?どれ、見せて?」

「いや、見なくてもそうだって。」

なんかホヤの様子がおかしいぞ・・・?
全然そこから離れないし・・・


ピンポーン・・・

ピンポーン・・・・

まだ鳴らしてる。
う~ん・・・


俺がどうしようかと思っていると、
ソンヨルが既に玄関へ向かってドアを開けていた。

「誰?・・・・」

「あ!ソンヨルだぁ~^^こんにちは!!
ホヤちゃんいますか?」

「え・・・ホ・・ヤ・・ちゃん???」

「はいっ!」

ソンヨルが何やら固まってるぞ?
なんだろうと思って玄関に足を向けた瞬間に
ホヤが俺を突き飛ばして玄関へ走っていったんだ。

「いでっ!!うぉ~~なんだなんだ??」

「ヒカリちゃんっ!!」

「あっ!ホヤちゃん!!おはよっ!
来ちゃったw」

「えぇええええええええ????」

「何、なに??誰よこの子。」
ソンヨルがにやついたままホヤに問い詰める。

「いやっ・・・その・・・」

「おい、ホヤ・・・ファンか?
なんでここに??」
とソンギュが腕組みをして睨みつけてくる。

「ソンギュヒョン・・いや、ファンって言うか・・・
その・・・」

「なんだよちゃんと言えよ。」

「ヒカリちゃん・・・なんで来たの・・・」

「えへっホヤちゃんに会いに♥」

「くあぁあああああ!!ちょっとみんな聞いた?ねぇ?
ウハハハハハハっ!!ホヒョンの彼女?彼女みたいだぞ?」
ソンヨルがそう言うと、

「マァ~ジかっ!!」
そう言ってミョンスも駆けつけ、ソンジョンも
見に来た。



「え・・・ヒカリちゃんなの?どしたの??」
俺もヒカリちゃんの事は知ってたから、少し遅れをとって
顔を覗かせた。

「なんだ。一応知り合いか?なら、いつまでもそこに
立たせておくのは可哀想だろ?
さっさと中に入れてあげなよ。」
ソンギュは状況をすぐに察知するとそう言ってあげた。

「わぁ~ヒカリちゃん久しぶり~
今日も目元が魅力的なドンウでぇ~す!」

「ドンウちゃん、まだそれ言ってるの?
そろそろ私、その言葉変えたほうがいいと思うけど?w」

「わぁ~・・・ヒカリちゃんいつからそんな女に
なっちゃったの?誰の教えか!!」
俺はヒカリちゃんに会えて嬉しかった。
久しぶりに会った友達のように・・・・

ホヤの事なんて既に頭になくて、ユカリンと友達の
ヒカリちゃんが来てくれただけで胸が踊ったんだ。

呆然と立ち尽くしているホヤを尻目にみんながリビングに案内した。

「さささっ!座って!!
お菓子食べる??ドンウヒョンお菓子ある?
あ、ソンジョンが持ってるか?」
ソンヨルは女の子が来ただけで凄いはしゃぎようだった。

自分の恋愛にはめっぽう奥手だが、冷やかすのは
得意だった・・・・

「俺の隣に座りなよ!ソンジョン!お茶!!」
ソンヨルはなんだか浮かれて笑っている。

ミョンスもヒカリちゃんを挟んで隣に座った。

「ヒカリちゃんって言うの?よろしくね?」

「あ、はい。ミョンスの事は知ってます!
インフィニットですからっw」

「あっそうだね?w」

「はいっ^^」

ヒカリちゃんはマイペースにメンバーと楽しく雑談
を始めていた。

ホヤを覗いては・・・・

アイゴ・・・ホヤがエグモニナって言いそうな
顔してるな・・・
俺は仕方なくホヤの背中を押して、ソンヨルの前まで
連れて行った。

「ソンヨラ、どけっ!w」

「えぇ~い・・・なんで俺なんだよぉ~・・・」

「お前は今、野生の目をしてるから危険だっ!」

「ドンウヒョン、そりゃないだろぉ~・・・」

「う~るさいのっ!ソンヨルはまた
あのヌナと喧嘩でもしたいのか?」

「そっ・・・それは嫌だw」

「ははっ!!じゃぁ、どいてっw」

そうして、やっとホヤがぎこちなくヒカリちゃんの
隣に座った。

ソンヨルのヌナは今ウヒョンの部屋に
いるヌナとは別の人なんだけど、この二人も
何やらややこしい・・・

今の俺にはなんの経過も分からないけど・・・


そうこうしている間に、ヌナが部屋から出てきた。

カチャ・・・・

ドアから出てきたヌナが顔上げると
そこにいるヒカリちゃんと目が合った。


マズイ・・・
ヤバイだろ・・・
この状況は・・・

俺はそう思ったけど、説明しようにも
ありのままでしかなくて口ごもってしまった。

「あ、ヌナ!これはっ・・・えっと・・そのぉ~・・・」

「わぉ!!ヒカリちゃん!!」

「あ~オンニィ~^^こんにちはぁ~
お邪魔してまぁ~す。」

「あらあら、今来たのぉ~?
可愛いわねぇ~今日の髪飾りもホヤから?」

「はい~・・・えへへっw」

「うんうんそーかそーか。うぅ~ん
今日も可愛いぞぉ~」
そう言ってヌナはヒカリちゃんをスリスリして
撫でている・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・。」

「??????」

「・・・。」

「?」

「・・・・・・・・へっ?」

俺は・・・正直ヌナは女しか愛せない人なのかと
思った・・・

普段の俺達への凶暴な・・・いやいやいや
厳しい態度といい・・・

う~ん・・・謎だ。

みんなやっぱりそんな気持ちと、なんでだ?っていう気持ちと
呆然とした顔と、ごった返すうるさい声が聞こえてくるようだった。

「何見てるのよ・・・」

「あっ・・いや、ヌナ!やめろよぉ~ヒカリちゃん?が
嫌がって・・・」

「何処が?どこが嫌がって??」

ヒカリちゃんの顔を見るとニコニコと笑ったまま
まだ撫でられている。

グッチャグチャに髪が乱れても
キョトンとしたままだった。

ホヤがそこにスタスタと何処かへ行って
戻ってくるのをみんな目だけで追った。

まだ、呆然としているしかなくて・・・

「ヒカリ?」
ホヤがそう言うと、すぐにヒカリちゃんはホヤの
隣に座って背中を向けた。

ホヤの腕がゆっくりと上がっていくように見える・・・

その手に持ったものが何なのか把握するのに
時間がかかるようだった。

何か・・・思い出しそうで思い出せない記憶を
たどるような・・・・
そんな不思議な空気のようだったんだ。

ゆっくりと上まで持ち上がったホヤの手・・・
そこにはそんなの持ってたっけ?
って思うような櫛を手にしていた。

段々下まで下がっていくホヤの手と櫛が
俺達の何かを揺さぶるように、ホヤはうっすらと
微笑んでヒカリちゃんの髪をくしげた。

「あ・・なんだろ・・・なんか前にもこんな事
があったような・・・」
と、ソンジョンがまず口を開いた。

「あ、俺も。デジャヴュ?」
と、ソンヨル。

「あぁそれに近いかも。」
と俺も言った。

「ヒカリ・・・ヒカリ・・・ヒカリ・・・?」
ミョンスもなんだか不思議な気持ちみたいだった。

「通りでヌナが俺に冷たいような気がするのは
そう言う事だったのか・・・」
と、ソンギュヒョンがガッカリするように呟いた。

「俺に?何言ってるのw俺達に。でしょっ?w」
と、ヌナが言い直す。

「あっ・・あぁ・・うん」
ソンギュヒョンは何も言い返せないまま
肩を落としているように見えた。

「何勘違いしてるの?馬鹿ねぇ~?あははっ」
そう言ってヌナは腕組みをしながらソンギュヒョンに笑ったんだ。

こっちが恥ずかしくなるくらいにソンギュヒョンは
顔を赤らめていたんだよw

「あれぇ~?ソンギュヒョン、顔が赤いけど
どうしたのぉ~?」
ソンジョンが何の気なしに言うと、益々火山のように
赤くなったソンギュヒョンが照れ隠しに
ソンジョンに噛み付いた。

「やぁ!イ・ソンジョン!!
俺のどこが赤いって言うんだよ!」

「どこってぇ・・・全部?」

「かはっ!」
思わず吹き出すミョンスを睨んでも
全くミョンスには利かないようだった。

なんでか俺は分かるんだ。
ソンギュヒョンってヌナに笑顔を貰ったことが
殆どないからだよっw
あぁ~ほんとわっかりやすいよなぁ~。

俺はそんな風に見て笑った。

ホヤがヒカリちゃんの髪をくしげながら、思い出したように
ヒカリちゃんはこっちを見た。

「あっ!」

するとヒカリちゃんの髪と、ホヤの手が繋がったまま
俺に話しかけてきた。

「そうだったそうだったぁ~ドンウちゃん!」

「ん?」
俺は少し目を開いて、顔をピョコっと前に出した。

「えっとぉ~・・・なんだっけ?あはっw
また思い出したら言うね?」

「ブハッ!なんだったんだwww」

「あぁ~・・・うんっと・・ごめんね?」
ヒカリちゃんの可愛さに、みんなが興味を示すのが
空気で分かる・・・

「ねぇねぇ、ヒカリちゃん!」

「ぅん?」

「ソンヨラ・・・これ以上は侵入禁止だ。」

「ホヒョンなんだよそれっwww」

「お前から危険な香りがする・・・」

「俺はウィルスかっ!」

「ウハハハハッ!!」
さっきまで下を向いていたソンギュが
突然誤魔化すように笑い出した。
俺にはそう見えた!ヌハハッ


この時までは俺は他人事の様に大笑いしてたんだけど・・・
まさかこっちにまで火種が飛んでくるとは・・・

「ねぇねぇ、ヒカちゃん!ん?ヒカちゃん?
まっいっかwヒカちゃんは今日はどうして来たの?」
と、ソンジョンが苺牛乳を渡しながら、言った。

「あ、ありがとっ・・んっとね、
ただホヤちゃんに会いに来たのっ!」

「えぇ?それだけぇ?
何か用事とかあったんじゃないのぉ~?」
と、ソンヨルが突っ込む。

「んーん?ないよ?」
ヒカリちゃんは首を横に振った。

「うわぁ~!うわっマジでっ?
ホヒョ~ン・・・愛されてるねっw」
と、途中から耳打ちしたソンヨルに
ホヤが頭を叩く振りをした。

「やーめぇろっ!」

「ははっだってそうじゃん!羨ましい・・・」

「そっちかよっwwww」
ミョンスがケラケラと笑って、ソンヨルの肩に顔を伏せる。

「てか、ただ会いに来るって怖くなかった?
会えないかもしれないとかさ・・・不安にならなかったの?」
俺はなんとなくそう聞いてみた。

「へっ?なんで?」
と、ヒカリちゃん。

「ばっかだねぇ~?ねぇ?ヒカリ。
会いたいから会いに来たのに理由なんかいるの?
会いに行けばいいじゃん。会いたい人がいるならねっ?」
そう言ってヌナは俺にウィンクした・・・

「うぉっっとぉ~ヌナのウィンクはいくらですか?
ソンギュヒョンに殺されそうだけどっ!ぬはははははっ」

痛い痛い痛い・・・
ソンギュヒョンそんな目で見ないでくれぇええ・・・
そう思いつつも俺はそんなヌナの
言葉にチクンと胸が傷んだ・・・。

会いたいから会いに来た?

会いたいなら会いに行け???

あぁ・・・そっか。

俺は・・・、俺はいつも待ってるだけだった。

いつもいつも会いに来てって・・・
そればかりだったんだよ。

そんな簡単な事にも気がつかなかったなんて
俺ってほんとバカだな・・・

俺はそう思ったら急に泣きそうになって
静かにそっと部屋へ行った・・・

「フググッッ・・・うっ・・・はぁ・・・ゥック・・・」
涙なんて止めたかった。

全ての思いが溢れてしまいそうで
嫌だったんだよ。

でも・・・

止めようとすればする程
俺はその涙の止め方を知らなかったんだ。

ユカリンから何故、名前だけを書いて
返事が来たのかとか、どうしてこんな
長い間俺を一人ぼっちにしたの?とか、
色んなことが渦巻いて押し寄せて来るのが分かった。

そんな風に思いたくなくて、俺が悪いんだからって
ユカリンにも言ったけど、本当は自分に
そう思い込ませようとしていたのかもしれないって
認めたくなかったのかもしれないんだ。

だから・・・だからこの涙はなんの涙なのかも
分からなくて、こらえたかった・・・


コンコンッ・・・

部屋のドアは開けっ放しだったのに、
腕組みをしてドア付近の壁に寄りかかる
ヌナが、俺の心にノックするように、立っていた・・・

「ドンウ?」

「・・・ッック・・・ヒッ・・うぅ・・・ヌナ・・・ごめっ・・・
俺・・・ごめん・・・」

「なんで私に謝るかな?うん?ドンウヤ。
お前はそんなに弱かったの?」

「ううん。違うよ。」

「うん。そうだね。辛かったよね?」
ただそれだけを言って俺の背中を撫でてくれた。

どうしてヌナが俺の全てを知っているんだろう?
そう錯覚した・・・

俺は誰にも言ってないのに・・・
ユカリンへの日記も、出会いも別れも。

だけど・・・何もかも分かっているようにヌナが話すんだよ・・・


通りには誰もいない。
誰も・・・

俺の心と同じように、ただひたすらそこにある
道を歩いているだけ。

科学者や研究者達が録画したり、
記録をとっていくかのように
俺の記すLINEが虚しく残っているだけで・・・

そんな風に感じている癖に、俺は
俺さえも騙しているようで、とにかく日常を笑った。

「お前がした事は何んだ?私が見る限りでは
ただ盲目に日々を送ってきた・・・いや、仕事熱心に
頑張ってきた事だけが私の脳裏にはあるが。」

「ヌナ・・・その通りだよ。
俺、何もっ・・何にもしてなか・・・っ・・・・人にだけ都合良く
こうして欲しいって・・・ただそう願っただけだったんだよっ・・」

「そうか・・・だったら泣くんじゃないよ。
男でしょ?違う?」

「違くない・・・。」

「ヒカリを見て何か感じた?」

「うんっ・・・ぅっ・・ん・・・」

「ドンウ・・・お前の素直さと、ヒカリの素直さは
違う・・・ドンウは素直だけど、自分本位だったんじゃないか?」

「・・・・そう・・かも・・・。ヌナ、俺が泣いたこと
誰にも言わないで?みんなが心配するから・・・。」

「分かったよ・・・。」

リビングでは静かに二人の会話を聞いていた。

ドンウがそう望むなら知らないフリをしよう・・・
それぞれがそう思ったのかもしれない。

「みんな、知らないフリをしろよ!!分かった?」

えっ???

「ヌナァァァアァアアアアア!!!!!
うははははははっ!!!ワハハハハッ!!!」

「そうだぞ?みんな。ドンウが気を使いすぎて
頭がパーになるから知らないフリをしろよ?」
と、ソンギュも続けて言い出した。

「そうだよなぁ・・ドンウヒョンって結構自分で
解決しようとするもんな?だから、知らない振りする方が
ヒョンの為なのかもしれないよな・・・」
大根役者のような演技でわざとらしくウヒョンが
遠い目をして言う・・・。

「そうだね!僕、ドンウヒョンが笑ったら
笑うよ!!それがドンウヒョンにとって気が楽なんだもんね?
僕達に言うのは辛いだろうからさっ!」
と、ソンジョン。

「えぇ~い・・俺は知らないフリなんて出来ないよー
どぉーすりゃーいいんだぁー?」
と、ソンヨルまで大根役者を演じた。

「ヒカリもそうしますードンウちゃんがぁー
辛いと言うのならぁーヒカリはもっと辛いデスカラー」
と、ヒカリちゃん・・・

「ヒカリちゃんwww最後なんかDETH COLORみたいな
イメージにwwww」
と、ホヤが笑った。

「ドンウ!見ての通りだから安心しな?
ヌナは絶対に口を滑らしたりしないぞ?
もっとも、聞こえちゃってたら私は知らないが。」

「ぶはっ!!聞こえてたのかよっ!!
うぅ~~わっ!マジ恥ずかしいじゃん!!」

「恥ずかしい事なんてないよ。ドンウ、お前がそうやって
隠そうとすればするほど、みんなの気持ちが悲しさで
いっぱいになるって事も覚えた方がいいね・・・。
ずっと一緒に頑張って来たんでしょーが。
ドンウの不自然さに気がつかないヤツなんていないよ^^」

「ヌナ・・・ありがとう・・・。それからみんなも。
俺の変化に気がついてたんだな・・・
ははっ・・なぁ~んか俺だけ?気がつかなかったのってw」

「そうですっ!」
ヒカリちゃんがそう言って人差指を立てて
笑ったんだ・・・。


みんながクスクスと笑ったのを見て、なんだか
少し分かったような気がした。

俺はずるかった・・・
一人で逃げてた。

一人で・・・一人で逃げていると勘違いしてたんだ。

違うんだね?
そうじゃないんだよね?
俺と共に歩んできたメンバーを余計に
心配させて、尚且自分のエゴにとりつかれて
彷徨ってただけなのかもしれない。


俺は今日だけは雨音に耳を傾けて、
濡れてみてもいいなって思った。

通り沿いを桜の花びらに飾られながら
俺はユカリンへたどり着けるように
願ったんだ・・・だけど、
桜の花は消えないで・・・
桜の花びらが散ってしまう前に
君に会いたいから・・・

だけど今は雨に打たれていたいんだ。
楽しいステップで踊りたいんだ・・・


ユカリン・・・待ってて。
今行くよ!


俺が・・俺が迎えに行くからっ!!



「ドンウちゃん!!ユカリンはきっと!
きっと待ってるよっ!!ファイティ~ンっ!!」

ヒカリちゃんの声に背中を押されながら、
俺はこの桜並木のトンネルを抜けて、君に会いに行く・・・





 




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心が早く駆け巡る。

俺の思いも・・・

君への執着がそうさせるように、しがみついて離れない。

何を急いでいるの?
どうして走る?

駆け出したくなる衝動を抑えられない。

待って!

だけど、誰にも止められなくて苦しくなる。
服を引き裂いたいような、体をかきむしりたくなるような衝動が
俺の心を蝕んで行くのが分かる。

こんなにも強く人を愛したことがあるの?

こんなにも強く人に愛されたいと願ったことがあったかな?


そんなの分からないよ。
分からないんだよ。

分からないから苦しくて、分からないから恋なんだろう?

俺が持っていた筈のキーホルダーが床に落ちた瞬間
何もかも終わった気がした。

恋する意味も・・・
恋する事も・・・全てが消え去りそうで怖かった。


あの時の月は・・・
あの赤い月は良い事の予兆じゃなくて、
悪いことへの警告だったんじゃないかって
思うようになっていた。

満月の夜もそうだけど、赤い月は不吉な予感が
するって聞いたことがあるかもしれない。

だけど、あの時は良い事だって
思いたかったし、そうだって信じてたから・・・


滅多に見ない赤い月・・・
あの月はどうして赤くなるのだろう?

俺にも禍々しい魂があるのかな?
だから、こんな普段考えないような事まで
浮かんでしまうのかもしれない・・・・

嫌だな・・・

反対方向に進むように少し無理して
歩くしかないのかもしれない・・・。




今はまだ泥水の中だから・・・・




-----------------------------------------------------------------------



ウヒョンの様子がおかしくてマネージャーが来てすぐに病院へ運んだ・・・
マネージャーとソンギュヒョンが一緒に付いて。

救急車を待つ時間も惜しかった。

結果は何も分からない。

ウヒョンに何があったのかも・・・
何も言わずにウヒョンを連れて戻るヒョン達に
初めて疑心を感じた。

何か隠してる・・・
そうとしか思えなかったが、何か理由でもあるのだろうと
俺達はこらえるしかなかったんだ。

何度聞いてもはぐらかされて、
暫くは分からないとだけ言った。
俺達の中で亀裂が少し入ったかのように、
7人の中で数人に別れて会話をするようになった・・・

誰もそんなの望んでいるわけでもないのに、ひび割れた
関係がファンにも伝わってしまいそうで、仕事の時間になると
みんなが無理してはしゃいだ。

ソンジョンは末っ子のせいか
とても良くみんなを見ている・・・
いつの間にか俺達の弟に作り笑顔をさせてしまうように
なってしまっていた。

素直さもまだあるのに、あいつはどうしようもなくなると
作り笑顔で誤魔化すようになってしまった・・・。

その顔を見ると酷く胸が痛くなって、以前よりも
余計に声をかけて構うようになっていった。
特にソンギュヒョンは責任感が強いから、やたら
ソンジョンにカマを掛けてふざけたり突っ込んだり
今までそんなにしなかったスキンシップを多く取るようになっていったんだ。


俺には何が出来る?

俺には・・・

考えることが沢山あって、酷く頭を悩ませるくせに
俺には口から何も言えないのが辛かった。
損な性格だな・・・

俺もソンヨルのように少しはなんでもストレートに言えたら
こんな風に悩んだりしなかったのかもしれない・・・
でも、あいつはあいつで悩んでいるに違いない。

それがモロ顔に出るタイプだから
尚更俺達は遠目で見ていながらも、声を1つ2つかけるしか
なかったんだ。

あまり多くを言っても余計に良くないことくらい
みんな分かっていたから・・・



--------------------------------------------------------------


しきりに隣の部屋でウヒョンが発声練習をしているのが聞こえる・・・
早口言葉とか、声がよく出るようにする為の練習みたいだ。

ソンギュヒョンは風邪を引いているのか
しきりに咳き込む・・・

それと・・・俺は最近ソンジョンのクセを発見した。

みんなも今までの活動を見てくれれば分かるかもしれない・・・

あいつは「あぁ~」って言いながら残念そうにする時や
疲れた時に、しきりに首を持つようなポーズを取るんだ。
あれ、なんなのかね?
いや、ただのクセなんだろうけど・・・

腰に手を当てたり、クマのヌイグルミを抱えないと
眠れないソンジョンが可愛いけど・・・。

俺がそのクセをいくつか発見した頃、ソンジョンの異変にも
誰も気がつきはしなかったんだ。

もうさ・・・分かるだろ?
これだけ仕事してたら周りのメンバーの事を
ずっと見れなくなってきてるってこと。
カメラが回っていなければ疲れているせいか
一斉に違うことをしだすんだよ。

寝るのが1番多いんだけどさ・・・

ソンジョンは本だな・・・
本を良く読んでる。
ホヤもまぁ、本が多いか・・・
後は殆ど寝てたり音楽を聴いているみたい。

俺はというと寝てるかも・・・
それからメンバーの観察かな?


そんな時を過ごしてるよ。






--------------------------------------------------------------------


俺は苦しいながらもユカリンにLINEをできる限り送る・・・

時には泣き言ばかり並べてしまうけど。

それでも俺は負けたくなかったんだ。自分にね。

俺自身の戦いなのか・・・

もしかしてユカリンが物凄く実は性格が悪くて
そんな俺を笑ってるかもしれない・・・

そのうちツイッターにでも流れてしまうかもしれないって
思う時もあったけど、それでも俺は日記のように
想いを綴った・・・。



トントン・・・。


振り返るとそこには俺の肩を指で叩くホヤが立っていた。

「ちょっといい?」

「うん。どしたの?」

「ヒョンさ、最近っていうかもうずっとユカリンの事
話してこないけど・・・何かあったの?」

「ははっなんだよ急にっw」

「うん・・今更声をかけるのも変かと思ったけど、
なんとなくさ・・・。」

「あっは!急になぁ~んだよぉ~はははっ!」

「ずっと・・会ってないだろ?」

「うん?まっまぁねwいいよ、その話はぁ~ふはっ」

「ヒョン・・・あの時いたユカリンの友達
憶えてる?」

「ん?あの時って・・・よく俺達の活動を追っかけてた子?」

「うん。そう。」

「ん~・・・まぁ、なんとなく?」

「そっかっwははっ・・・いや、なんでもないんだけどさ。」

「なんだよ。何かあるから話しかけに来たんでしょー?」

「ははっうんっwそうなんだけど、やっぱりこれは
恥ずかしかなぁって今思い直しちゃって。」

「なんだよ。別に俺とお前の仲なんだからいいじゃん。言えよ。」

「うん・・・って言うかそれはヒョンもだろっww
さっき誤魔化したじゃんっ。
俺を騙せないよ?w 」

「わぁーかったよ。分かったってばっwそんで?」

「うん・・・あの子さ。ヒカリちゃんって言うんだけどね?」

「おっ!なんだかいい名前だな!」

「ふはっ・・うんw」

「そんで?」

「あぁ・・うん。そのヒカリちゃんもユカリンとは会ってないそうだよ。」

「へっ・・・へぇ~・・・そうなんだ?」

「うん・・・連絡取れなくなったらしい。
でも、なんか隠してるような気がしたんだけど
それ以上の事は俺たちもまだそういう仲でもないからさ・・・」

「聞けなかったって事?」

「うん・・ごめん。俺さ、ヒョンが悩んでるように見えたから
何か分かればいいと思って聞いてみたんだけどね?
なんか口ごもるっていうか・・・」

「そっか・・・ありがとっ!それだけでも分かったら今までよりは
ちょっと変化だから、嬉しいよ。」

「ごめん・・・」

「なぁ~んだよ!なぁ~に誤ってるのさ~。ホヤが謝る事じゃ
ないだろぉ~?それに、何!!?まだそう言う仲じゃないってっwww
あ、何?ヒカリちゃんにそういう感じ?フフッ・・・」

「なっ!なんだよっヒョン!!やめろって!www
別にそんなんじゃ・・・」

「わーわーわー!そうか~ホヤがねぇ~・・・
恋・・・」
ドンウがまだ言い終えてもいないのに、ホヤが
急に傍に飛びかかってきた。

「ドンウヒョンめっ!!このっ!静かにしろっ!!」
そう言って手で口を塞ぎながら、グラグラと体を揺らした。

「ワハハハハハッ!!!ワハハハハハッ!!」
口を塞がれて声はこもっているのに、ドンウは
笑い声が部屋中に響き渡った。

ホヤのおかげで少し笑えて、
幾分気持ちが楽になったような気がしたんだ。

この時は本当にそんなふざけっこがありがたかったんだよ。




------------------------------------------------------------------------



何やらリビングが騒がしいな・・・
俺はなんだろうと思ってただなんとなく部屋から一歩出た
所で止まって見てみると、なにやら興奮している
ソンギュヒョンがウロウロと歩いていた。

「だぁああ~~!!もう!こんなのってある??
ほんと、アイツって口から生まれたんじゃないか?」

「ヒョン、落ち着いてよ。一体どうしたって?」
ミョンスがソファに座りながら聞いた。

「あぁ??だってさアイツ・・・ぐわあああ!!もう
考えただけで腹立つ!!」

「ブハッ!!言ってくれなきゃ分かんないよ?ヒョン?
ていうか部屋を行ったり来たりして、今日はやけに
イライラしてるね。」

「うぅ~・・・」
そう言ってソンギュは頭を抱えてしゃがんでしまった。

「ププッ!もしかしてヌナ?ヌナとまた
喧嘩でもしたの?いつものことじゃんw」

「うーん・・・そうなんだけどさ、なんだってアイツは
俺を目の敵にするような言い方しかしないんだ??」

「わっかんないっw」

「おい、ミョンス、ソンギュヒョンに構うな。
八つ当たりされるぞっ!?」
ソンヨルがコーヒーをすすりながら歩いて来た。

「なんだよ・・・お前何か言いたいことでも
あんのか?」

「いやっ?俺がソンギュヒョンに言いたいことなんて
ないけど?んははっ・・・」

「チッ・・・」

「言うとしたらあれだなっ!なんで家ではそうやってイライラして
文句言えるのにさ、ヌナが目の前にいると必死で弁護したり
笑って誤魔化したりするんだ?話合わせるって言うか?
てか、喧嘩もしてるけど、殆ど言われっぱなしだよねぇ?
そんで家に帰って来て、そうやってウロウロしてっwwwwブハハッ!!
なんかウケてきちゃった。」

「ちょっちょっと待って?ちょっと待ってよ。俺、結構
張り合ってると思うけど???俺負けてないよな?
ミョンス、分かるだろ?」

「いやぁ~・・・ははっ」
ミョンスはニヤっとするように笑った。

「なんだよおぃ~・・俺の方が負けてるって?
おいおい・・・ソンヨル、冗談言うなよ。」

「いやっ?冗談でもなくて、本当のことだけどっwなぁ?ミョンス」

「えっ?・・・」
ミョンスが自分を指差して小声で「俺っ?俺っ?」と言った。
なんで俺が答えるの?という意味なんだろう・・・

ソンギュがミョンスをじっと痛々しい眼差しで
答えを待ってるようだ。

口を真一文字にしながらも、少し空いているその口は
まるで『イーッ』と言ってるみたいだった。
そういう俺も口を半分開けてジ~っと見てしまっていた。

ぼや~っとしていると手の中にあった
携帯が急にブルブルと震えて、俺は物凄く
びっくりした猫が真上に飛び上がるように
肩をビクッとさせた。

それから、何故か辺りをキョロキョロとしてしまい、
ミョンスやソンヨルだったか?もししくはソンジョンと
目を合わせてるのに、俺だけ心ここにあらずみたいになった。


「ヒョンっ!何キョロキョロしてるの?
携帯なら手に持ってるよ?」
と、ソンジョンに手を指さされて、やっと我に返った。

「あっあぁ~そうかっ・・・」
俺は苦笑いをしながら、また半口状態で携帯を開く。


すると、俺宛にLINEが届いていた・・・


「っ!!!」

俺は声にもならずにまた猫が飛び上がるように
肩をビクッとさせて驚いた。

ユカリン??

急いで携帯を見ながらトイレに駆け込んだ。

嘘っ!?ユカリン??

マジっ?マジっ!???

パカッと画面を開くとやっぱりユカリンだった・・・




『ドンウちゃん』



たったこれだけだった・・・



なんで名前だけ?と思ったけど俺は返事が
来たことに興奮した!

わはっ!わはっ!ワハハハハハッ!!!

やった!やったっ!!フフフフフゥ~♪

俺はあまりの嬉しさにまた気持ちが舞い戻ってきて
すぐにLINE返した。

「ユカリンッ!!ユカリンっ!!元気なの?
良かった・・・ユカリン、俺コンサートの
練習なんとか頑張ってるよぉ~!!」

「あのねっ?あのねっ?こっちも色々あって
最近すごく大変で、気持ちもなんだか
落ち込んじゃう事があったりしたけど
俺は元気だから!!」

「ユカリンは?ユカリンは変わりない???
ねねねっ!あのね?俺、え~~っと・・・
え~~っと・・・ん?なんだっけ?わははっw」

「えっと・・とにかくさ、コンサートに
おいでよ!!俺、待ってるから!!」

「来れる?今までは・・・
来てなかったよね?違うかな・・・
ま、でも気にしてないよ!!フフッ」

「ねぇ、ユカリン!俺さ、ユカリンがライン
消してなかったから、ずっと書いてたけど
迷惑じゃなかった?大丈夫??」

「俺、そこ心配よ・・・うん。
でもさ、こうして返事くれたから
いいの!ユカリン、また・・・
えっとさ・・あのっ!へへっ・・・
あのね?すぐにとは言わないけどさ・・・
聞いてくれる?」

「きっと読んでくれると思って・・・
あのね?あの・・さっ!俺と一緒に恋しませんか?」


「キャワワッw!!ワワワワワッ!!!
恥ずかしいぃ~~~っwでもでも、
今言わないと後悔するからっ!
あのね?いつでもいいから・・・
返事待ってるから!!約束だよっ?ふふっ・・」


俺はもう今しかないって思った。

来た瞬間にそうしようって以前は思ってたから。

思ったことはやり遂げる男、ドンウですっ!

なぁ~んて自分に言ってみるw
ふふふ・・・
言っちゃった・・・

いや、書いちゃった・・・
読んだよね?
きっと、読んでくれたよね?

あぁ~・・・なんか凄く清々しい気分だっ~

なんとも言えない・・・

うはっ!
もう笑いしか出てこないような?

はぁ~・・俺、暫くまた頑張れそうだっ!
ありがとう・・・ユカリン。


俺はずっと、つんのめって転びそうになりながら
坂を下ってしまっていたけど、またそれでも
歩けそうだって思った。


本当に綺麗だなぁ~・・今日の星は・・・


そう思いながら俺はまた屋上の風を
受けて笑顔になった。






 




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ラクシュミー・・・

蓮の上のラクシュミーよ。

どうか、私たちを見守りください・・・

どうか・・・














「ユカリン!アンニョンッ?」


「今日はとってもいい天気だねっ!
ドンウは今日も元気です。^^
ユカリンは?」


------------------------------------------------------


「ユカリン、アンニョンッ!
これから雑誌のインタビュー!!
うまく喋れるかな・・・」

「ユカリンはどうしてる?」


「春風に吹かれてくしゃみでも
してるかなっ?フフ・・・」

------------------------------------------------------

「ユカリン、今日はradioなの!
どんな話をするのかな?
ユカリンも時々聞いてみてね~!」

「今・・・何処にいるの?」


------------------------------------------------------


「今日は時間があったからオンマの店で
ご飯を食べたよ!
偶然いたファンの子達の中に
ユカリンがいてくれたら良かったのに・・・」

「美味しさは保証付きだから
今度食べに来てねっ!」

「今日も元気でありますように・・・。」


-------------------------------------------------------


「最近益々忙しくなってきたよ。
体は重いけど、元気なドンウでぇーす!」

「ユカリンは?体に気をつけて
明日もいい日になりますように・・・。」


--------------------------------------------------------


「アンニョーンッ!
なんと、新曲を発表しましたぁ~♪
ユカリンにも聞いて欲しいなっ!!」

「俺の声・・・届いてるかな?」

---------------------------------------------------------


「ユカリンッ!イベントとコンサートが
決まったよ!!もうね、すっごく
楽しみ!!ユカリンにも見て欲しいなっ!」

「ユカリンの友達も元気?
ホヤが会いたがってたwうははっ
あいつめ・・・っ!!」

---------------------------------------------------------


「ユカリン、アンニョン。
あまり書けない日が続いてる・・・
ユカリンが心配してるかもしれないけど
大丈夫だよ!」

「コンサートの準備でもぉ~体が
バラバラになりそうっ!
でも、頑張るよっ!」

「ユカリン見に来てくれるかなぁ~・・・
ははっ!なんちゃってぇ~w」

-------------------------------------------------------


「コンサートがいよいよ!!始まったよ!
凄く震えたの!
感動したり、失敗しないように
一生懸命歌って踊ったの。」

「ユカリンが会場に来てるかもしれなくて
凄くトキメキ~~!うははっ!!」

--------------------------------------------------------

「もうすぐこのコンサートも終盤に向かってる。
ユカリンはきっとここには
いないんだろうね・・・」

「でも、俺は待ってるからぁ~~
ハハハ!しつこいかな・・・俺。」


---------------------------------------------------------

「まだ・・・まだ大丈夫なの。
ユカリン・・・本当にここには
いないの?」

「また新しい曲出たの。」

「もう・・・忘れちゃったのかな・・・
俺の事・・・」

--------------------------------------------------------


「ユカリン・・・今日熱出ちゃったw
でも、大丈夫!
ステージには立てるの。
俺・・・頑張ったよ!」

「ユカリンも体に気をつけてね?」


---------------------------------------------------------


「ユカリン。もう、俺駄目かもしれない。
ずっとずっと待ってたけど・・・。」

「きっと君が迷惑してるかもしれないから・・・
俺、今もう体もボロボロで辛いんだ・・・。」



「泣き言言って・・・ごめん。」

---------------------------------------------------------



LINEで毎日のように送った言葉達が
色褪せていくように、次第に
忙しさに負けて、途切れとぎれになっていった・・・


最初の頃はまだ気持ちを保つことができたんだ。

きっと見ててくれるって
思ってたから・・・・

でも、人間は欲深な生き物だから
それだけじゃ足りなくなっていくんだよ。


INFINITEとしての1年間はとても
充実したものだった。
どんどん成長していくのを実感できた。

メンバーと過ごす日々は楽しかった。
笑顔が溢れていた・・・。
練習は辛くても、色んな事を経験しながら
楽しく番組をすることができたんだ。


でも、なんだろうな・・・

なんだか虚しくなる日が増えていくんだ・・・
それは会えないからなのか、
声を聞けないからなのか・・・。

答えのない出口に向かって
俺は何処へ行くというのだろう。

それなのに、ユカリンはずっと既読なのに
無反応だ・・・

どうしてなんだろう?


俺はいつも明るく元気でいられるのは
君が傍で笑ってくれていると信じているから・・・

そんな俺でもこうして気持ちが泥に埋もれてしまう事
があるんだ・・・

でも、それは俺の好きなやり方じゃない。

そんな顔は出来るだけ見せたくないんだ。

泥の中に人知れず埋もれて、
落ちるとこまで落ちたら、必ず浮き上がったように
見せるんだ。

だってそんな顔を見せたら、メンバーにまで
同じ顔をさせてしまうだろ?
そうしたら、みんな一緒に落ちてしまうから・・・
俺にはそれが出来なかった。


俺は蓮の花のようになりたい・・・
いつもそう願っている。
願ってるだけじゃ駄目だって分かってるから
そうなれるようにいつも努力を惜しまないように
生きたい・・・。


蓮ってね?綺麗な水だけじゃ、あんなに綺麗な花を
咲かせないんだ。

花は咲くけどとても小さい花しか咲かない・・・

蓮はね?
泥の中に根を張って育つんだ。
とてもともて汚い泥水からしか
大輪の綺麗な花を咲かせないんだよ?

その泥水からしか蓮は立ち上がってこないんだ。

泥水が濃ければ濃い程、美しい大輪の花を咲かせるの。

その泥水はさ・・・
辛さや悲しさみたいだよね。

それがあったから立ち上がることができた時に
大きく羽ばたけるようなさ・・・

美しく人生に立ち向かって乗り越えた時
輝けるのだと思うよ。

過去を受け入れて、現在を受け入れて、未来を受け入れて・・・

初めて花を咲かせるんだ。

夢を見るようにあんな風になりたいとかああだったら
いいのにな・・・って言うのは、ただの執着なんだって
何かの本で見たことがある・・・

希望や願望が悪いわけじゃないとは思うけど
そこにすがってはいけないよね?

それを柱にしちゃいけないんだ。

だから、俺は蓮の花を見て、意味を知った日から
全てを受け入れられるように努力しようって
決めたんだ。

悲しみや辛さを乗り越えれば、きっと美しく咲くことが出来るって
信じてるから・・・


例え今がどんなに苦しくても・・・
例え今がどんなに辛くて・・・

未来はきっと明るいから。

世の中で言われるような悪い事をしたり、人を騙したり、
傷つけたりすれば、その報いが必ずあるんだって。

その人は蓮の種を持たずに・・・いや、本当はみんな
生まれた時から蓮の種を持っているのかもしれない・・・

それを咲かせることもせずに悪事を重ねていれば、
当然泥水からは出られない、地獄を彷徨い続けるのかもしれない。


辛い事があっても悲しみがあったとしても
人として曲がった事をしてはいけないという事を
当たり前に分かっているようだけど、実は
それをちゃんと心に置いていない。


忘れられた種がずっと呼んでいるのに・・・

逃げないで・・・

大丈夫。

俺はどんな君でも受け入れる準備は
とっくにできてるよ?

君の今までは泥水だったとしても
これから俺とその花を咲かせるんだろ?


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俺達が新曲を出すたびに君を思った。

それでも俺は君を待ち望んだ。

それから俺は今は泥の中でも、耐え抜いて見せるって。

俺のLINEから君が消えるまでは絶対に泥の中を
泳ぎきって見せるって。

その後、俺達は『追撃者』という曲をもらった・・・

その歌詞もそのダンスも君への想いと
俺の心がまさに同じだった。

その譜面を初めて見た時、俺の手は震えるようだった。

ホヤの視線も感じてたよ。

そんな目で見ないでくれ・・・
時にはそう思った事もあった。
でも、あの時はホヤも苦しんでいたんだな・・・

ごめん・・・。

俺は少しだけ泥の奥深くに潜ってしまったようだ。


そして・・・・

この曲で1位を取った時。

俺は泣き崩れた・・・

1位を取った嬉しさと、全ての思いが込上げて来たんだ。

毎日毎日、来るはずのない返事を待ちわびながら
次第に壊れそうになっていく心が悲鳴を上げながら
それでも俺達はいつでも真っ直ぐに走って来たから・・・

大切な夢・・・

叶えられた奇跡。

みんなと繋げた希望・・・

嬉しかった・・・とても。

そして、君を想い続けて、辛かった日々が
全て溢れ出した日。


またこれから忙しくなるよ。

これ以上の事があるか?って
思う酷い事も遥かにあって、ソンギュヒョンが気絶した
事もあった・・・


ホヤの事も・・・

ソンヨルの過去の噂も。


ウヒョンの異変にさえも・・・




俺は何も知らずにこの時を過ごしてた。



仕事が忙しいのが今の俺にとっては
好都合でもあったんだ・・・でも・・・。


これはある日の日常会話だ。
「ウヒョニヒョーン。これ、どうだったっけぇ~?」

ソンジョンがウヒョンに何やら声をかけに部屋に入って行くのが見えた。

「ヒョン?聞いてるの?」

「あ?あぁ・・何?」

「もぉ~う・・・」

そう、これは普通の会話をしただけ・・・
俺達が気づける筈なんてなかったんだよ。

それから、俺達は音楽番組の収録に出かけたり、
コンサートへ向けての新しいフォーメーションなどの
説明を話したりと目まぐるしく時を刻んだ・・・





ある日の朝、身支度を整えた俺達はマネージャーが
迎えに来るのを待っていた・・・


「あれ?ウヒョンは?」
とソンギュがふと顔を上げるとウヒョンの姿を見えない・・・

「ん?ほんとだ。何処だ?」
ミョンスがその場でクルクルと回って辺りを見渡すが
何処にも見当たらなかった。

「ヒョ~ン?・・・いない・・。」

「ウヒョニヒョ~ン?」
ソンジョンが部屋中を探し回った。

それに気がついた他のメンバーもいつもの家
だというのに異様な空気を感じて、少し焦り出した。


ハッとしたソンヨルが大声を上げる。
「ヒョンッ!!何処だっ!返事をしろっ!ウヒョニヒョン!!」

嫌な・・・嫌な予感が背中にザワザワと這っていくのが分かる・・・
「ソンギュヒョンッ!!」

「どうしたミョンス!!」
ソンギュが裏返った声のミョンスに体を向けて
駆け込んだ。


ウヒョンが布団に横になっているのを見て
ホッとため息をつくソンギュ。
「フゥ~・・・おいっ!!ウヒョン、起きろっ!!・・・たく、まぁ~だ
寝てたのかよぉ~ほぉ~んと人騒がせな・・・」

「ヒョン・・・ソンギュヒョン・・・なんかおかしいよ。」
と、ミョンスは目を見開いたままウヒョンの寝ている姿を
じっと見ている。

「えっ・・・?何がだよ。寝てるだけだろ?」

「いやっ・・・ウヒョニヒョン!」
ミョンスはウヒョンの体をゆすった。

ドンウもホヤも傍にいてミョンスの行動を
強ばらせた体のまま見ている・・・

するとソンヨルが力いっぱい肩を掴み、揺さぶった。

「おいっ!!ウヒョニヒョン!!起きろ!!起きろってばっ!!おいっ!!」

「ソンヨルぅ~・・・ミョンス、お前ら大袈裟なんだよなぁ~
ハハハッ!!おいっウヒョン!仕事に遅れるぞ?
早く起きろってぇ~www」
ソンギュはクスッと笑いながらウヒョンに声をかけた。

「ウヒョン?」

ソンジョンのつばを飲み込む音が聞こえてきそうな程
一瞬、静まり反った・・・。

「おい・・・冗談だろ?」
ソンギュの笑った口端が元に戻って行く・・・



俺達は一瞬で凍りついた。


俺は・・・その時にフイに持っていたキーホルダーを
落としてしまった・・・

二重にしてある小さな人形のキーホルダーがクルクルと
回転しながらゆっくりと落ちて・・・

みんなの目が見開くその瞬間に・・・
キーホルダーが床に到達して音を立てた。


カシャーーーンッ・・・




「ウヒョーーーーーーーーーーンッ!!!!!」





誰か・・・誰か嘘だと・・・言ってくれ。



風の吹かないその部屋で、俺達に降り注ぐ泥水・・・


これも・・・これも試練だと言うのか?


蓮の花の上に佇むラクシュミーよ。
答えてくれ・・・

これも俺達に乗り越えろと・・・言うのか。







 



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お願い・・・

負けないでよ。

自分の心に・・・

苦しいだろ?
苦しいよね?今・・・・

笑えてる?
笑えないの?

うん・・・俺もそうだよ。

人の心は見えないから・・・・
思っても見ない事が次々と
口からこぼれてしまう事ってあるよ。

それを後悔して、後戻りできなくて。
苛立ちの為にそうなるんだよ。
認めないからそうなるんだよね?

認められないのは怖いから・・・
認めないのは分かって欲しいから。

時にはそれが貪欲だと、時にはそれが自分勝手だと。

自分本位の思いがそうさせたり、相手を知ろうとして
なんだか余計に分からなくなったり・・・・

それは自分以外の誰かがいるからなんだ。
自分以外のその誰かも苦しんでいるってことだから。

でも、そのどちらかが一歩引くまでは続いてしまうんだろう?
そのどちらかが自分じゃなきゃ駄目なの?

戦うなら一歩引いてあげる戦いもあるよね・・・
それから冷静に判断しようと歩み寄ってさ。

俺が苦しんでるから君も苦しんでなんて
とてもじゃないけど俺は言えないや・・・

君が苦しんでいるなら、俺を受け入れて欲しいとは思うけど・・・

過ぎ去る優しさは優しさなんかじゃないって男の俺は思う。
それでも、君を思えばそうしてしまうんだろう。

不思議とその自分の苦しみがあるから君が
安らぐ様な気がして・・・・

ただ1つ違うことは俺がそれで引き下がらないと言うことだけ。
嫌われたわけじゃないからだよ。
嫌いだってまだ聞いてないからだよ。

もう近寄らないでって言われた理由じゃない・・・・
ごめんなさいって言われただけだもん。

そう自分に言い聞かせて俺はまた歩き出すんだ。
だけど、これは新しく変わるんじゃなくて、ここから
『待つ』という蟻地獄の始まりってだけかもしれないね・・・

君は今、笑ってるかい?

君は今、泣いているかい?

恋の歴史が何百年、何千年と経っていても
苦しさは同じだね。

悩むことはいつも同じ・・・・

それに耐えられる強さが欲しい。
それに勝てる絆が欲しいよ。

つまづいて転んだっていい。
最後には笑いたい。
君と・・・笑い合いたいだけなんだ。

だから俺はこの道を選ぶよ・・・・・



『笑えっ!!笑えったら!笑うんだよっ!!』





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1日を終える前に思いついた。


屋上に上がってみよう・・・

いつもの風景をただ見たくて。

ドアを開こうと手を伸ばすと誰かの声が聞こえてきて
その手が固まった。

ソンヨル・・・?
それと・・・誰だ?



「信じてよっ!!違うって・・・違うんだって・・・どうしてだよ・・・?」

「見たの・・・私NETで見ちゃったんだもん。」

「なんだってこんな時に・・・」



どうしよう・・・屋上には上がれない。


何か言い争ってるみたいだけど・・・


そう思って引き返そうと背を向けると、誰かが俺の肩に
ぶつかって駆け出して行く・・・

泣いてる?

みんな・・・泣いてるんだな。

今の俺にはそんな風に景色を眺めていた。
まるで自分はなんでもないかのように・・・・

ソンヨルが後から追いかけようとしたみたいだけど、
俺がここに居るのを知って、足を止めてしまった。

「ごめん・・・偶然聞こえちゃって・・・でも、全部は・・・」

眉間に皺を寄せたソンヨルが、ただ何も言わずに
俺の肩を・・・ソンヨルまでがぶつけて去って行った。


俺はなんだか寂しくなった・・・

それでも屋上へ出たよ。
それでも・・・それでもだ。

空はいつもと変わらなく続いている。
遠くのビルに遮られては顔を出す夕日。
今はなんの挨拶もしたくなかった・・・

伸びた前髪を揺らす風に、昨日より少しだけ臆病になったのが分かる。

だけど、いつまでもこうしてはいられないのは分かっていて・・・。

俺以外の誰かも悲しんでるんだ・・・


だから・・・・




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私はあの日、偶然同じ飛行機に乗っていた。
本当に偶然・・・

なんとなくしか覚えのない顔達がいて、少しだけ
ワクワクドキドキとした不思議な気持ちになった。

でも、それ以上の気持ちはなくて。

その時友達は、別の席に座っていた。

荷物を受け取る場所で会おうと約束して。

それから私は後ろからその人を追うように降りようとして、
落し物を見つけた。

その日はファッションとして髪の長いウィッグをつけてたから
ドンウちゃんはきっと、私をそういう印象で見たんだと思う・・・

そして、ないと困るだろうと思って探したの。
私との間にはどんどん他の乗客が入って来て
見る間に離れてしまったけど、なんとか追いついて
パスポートを渡すことができた。


それから友達と落ち合って、走った。
物凄い勢いで走る友達に追いつくので精一杯だった・・・・
列に並んでみたら、さっきの彼らの出待ちだった。

そんな偶然に驚きながらも、汗で蒸れた頭が気になって
ウィッグを取ってしまったの。

櫛で簡単に直したけど、まだよく知らないアイドルだったから
そんなには気にしないで、友達の興奮を一緒に味わった。
ドンウちゃんはさっきの私と、そこにいる私に気がつかなかった・・・

当たり前だろうって思ったけどちょっぴり寂しくなって
家に帰ってからもNETで検索したりどんな人なのか
色々見て回ったの。
凄く真っ直ぐで純粋で・・・
楽しそうに笑うドンウちゃんに、私まで笑顔になった。

分かれば分かるほど楽しくて嬉しくて、メールのやり取りも
テレビで見るそのままだったし、気がついたら好きになってた。

それから友達に連れられてあちこち回った・・・
偶然声を掛けられてあだ名までもらって。

でも、それは私だけど私じゃないって途中で気がついたの。
メールをしているのはあの長い髪の私。
ドンウちゃんにとって、どんな印象なのかも分からない。

メールを何度も繰り返して最初のうちはただただ
嬉しかった。
いつでも励ましてくれるドンウちゃんが大好きになったの。
自分だって辛いとか疲れたとかある筈なのにね・・・


そんなドンウちゃんに私は溺れすぎた。


そのうち気がつくだろうと思って、同一人物だという事を
言わなかったけど、次第に返って言いづらくなってしまった・・・

何も知らないドンウちゃんの反応を楽しんでしまったのかもしれない。
私はなんて悪趣味なんだって思った。

凄く醜い気がした・・・・。

もっと早く言えば良かった・・・・

そればかり考えてしまうのに
なかなか言うタイミングがなくて
流されてしまったの。

時間が経てば経つほど、怖くなって
騙してるみたいに感じるようになった。

だから・・・ユカとして会えなかった・・・・

ユカが会ったらきっとガッカリするだろうって
思って・・・

そしたら・・・そしたらね?

ファンとして見ていた私にチャンスが来たと思ったの。

それがダンス教室だった・・・・

近くで会えるから、言える機会があるだろうって
今度こそ言おうって決心してた。

でも・・・・ドアを出て行ったら追いかけて伝えようと
思ってたのに、ドンウちゃんの方から近寄ってきて、
私にメアドを渡したの・・・・

ユカじゃない私にメアドを渡すなんてショックだった・・・

ユカとは違う誰かに興味を持ったんだって思ったから。
私なのに私じゃないみたいで、苦しかった。

思わずユカとして電話したのは、
その誰かを選んで欲しくなかったから。

電話に出たドンウちゃんは嬉しそうだった。
私は凄く嬉しかった筈なのに、涙が出てきたの・・・・

だって、さっきまでドンウちゃんの心にあった私が既に
ユカという別の人がいるようで・・・・

私は混乱した・・・
自分で撒いた種に頭を痛めた。

タマゴになればユカに嫉妬するように、
ユカになればタマゴに嫉妬するように、
なんだかおかしな感覚に陥ってしまったの。

ドンウちゃんは・・・きっと、もしかしたら・・・

どちらの事も心にないのかもしれないって
そう思ったの。

お気に入りのオモチャのように、ユカとタマゴを
見ているのかもしれないって・・・

それは恋じゃない。
恋なんかじゃない・・・

それを悟った時、私はもう傍にいたら
壊れてしまうかもしれないって、そう思ってしまったの。

ドンウちゃんはその後もLINEをくれたけど、
今の私は、どちらなのかも分からない・・・・
もしかしたら、どちらでもないのかもしれない。
そう思ったら返事を書く言葉が何も思い浮かばなかった。

だから、読むことしか出来ずに・・・・



ドンウちゃん・・・・

私も会いたいよ・・・
会いたい・・・・・・
それから・・・会って謝りたい。


でも・・・出来ないよ・・・
出来ないんだよっ!



もっと・・・早く言えば良かった。
そればかりが私を苦しめている・・・
自分がした事なのにね。

ごめんね?



ドンウちゃん・・・会いたい。






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あれから幾日が経ったのだろうか?


お互いを思いながら過ごす夜・・・

綺麗な流れ星と、変わらない星がそこにあった。

どんな恋をしても恋をすれば、星を見たくなるような
気持ちになるんだね。

後悔と未練。

きっかけと偶然。

同じ時間、違う顔。

永遠なんてないとしても、信じたい心が共鳴するんだね。

夢見がちな年頃に感じた切ない気持ちは
到底忘れえない事で・・・

あの笑顔は何処に・・・

その声は誰に・・・・

与えて、受け取って。

繰り返す夜空と、変わらない光を浴びて
また同じように笑っているだろうか・・・


俺達の人生はまるで洞窟のようだ。

暗くて深い、そして地下のように寒い・・・

その洞窟には幾多の試練が待っていて。
たった一つだけ持っているライトで、辺りを照らしながら
進んで行くんだ。

蛇が出るかもしれない・・・
急激な水に襲われるかもしれない。
大きくなった火に怯えるかもしれない。

草が沢山そびえ立って身動きが
取れなくなるかもしれない。

足場の悪い地面を歩けば、
そこは底なし沼かもしれない・・・・・

もがき疲れて上がれなくなるかもしれない。


でも・・・
でもさ・・・・・

よく見えないよ。
よく見えないよって諦めたくなるけど、
知恵と勇気だけを持って、経験値を上げて行って?

顔を上げたら誰かの顔が見えるから。

きっと・・・きっと見えるから。

今はその声を信じてみてよ。



一人・・・また一人・・・
顔が見える筈だからさ・・・・




そんな事を考えながら、俺は立ち上がって
メンバー一人一人の顔を眺めた。

見えなかった何かを探すように・・・・


------------------------------------------------------------------------




翌朝、静かな部屋に響く声がした。




「ソンギュヒョン・・・ソンギュヒョン・・・」
ウヒョンの震える声が微かに聞こえた。


「どした?」

「起こして・・・」

「えぇっ?wwwお前何甘えてるんだっ?
ったく、しょうがねぇなぁ・・・よいしょっと!」

「ありがとっw」

「何やってんのw」

「いや、なんかさこっち側だけ痺れて動けなかったのっ」

「あぁ~熟睡しちゃって寝返りしなかったんだろうな。」

「うんwそうかもっ!わははー」

「ははっ起きれたなら良かったじゃん。」

「うん。」

「みんなーおはよーぅ。」

「おはよう~!」
ドンウは1番先にソンギュに挨拶した。

「今日はMカウントダウンの事前録りだな。」
と、ホヤ。

「うんっまだ眠いけど直前になったら
元気出して行こうね!」

「うんっドンウヒョンも今日も元気で何よりだっ!わははっ」

「俺はいつも元気よ?」

「プッ!その言い方っwww」

するとそこへミョンスがペッタンペッタンとまるでペンギンの
ような足取りで起きてきた。

寝ぼけ眼で取り敢えず誰彼構わず手でなぞって
キッチンへ向かった。

顔なんて洗う理由ないか・・・とソンギュが肩を
落としながら首を振った。

ドタンッ!ペタンペタンペタン・・・

今度は誰だとドンウが振り返ると
青冷めた顔をしたソンヨルだった。

アイゴ・・・

思わず口から出そうだったのを
我慢した。

あれからみんな髪型を変えたり衣装も派手に
カッコ良くなった。

まぁ、曲がかっこいいからだけどw
と、ドンウは自分で突っ込んでみた。

よしっ!今日も俺は元気だなっ!

俺はいつの間にか携帯を開くのと、
冗談を思いつくか確認をするのがいつの間にか癖になっていた。


ユカリンがLINEを消さないんだ。

だから、まだ希望あるって事だ!
きっと読んでるかもしれない。

あの日から暫くの間は何も書かないでいたけど、
段々日々の出来事を独り言として書くようになった。

既読になると嬉しくて思わずその場で
やってみると難しそうなスキップをして踊ったりした。

まだ、大丈夫。まだ行けるって。



もう、そんな毎日を続けてる間に
沢山の曲を歌って踊った。
1位も獲ったし、俺は感無量だったんだ。

ユカリンは・・・
まだ自分を許せないのかな・・・

そう思う時や、俺達の衣装が変わる度に星を見上げた。






 





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