誰にも見せたことのない顔を
君にだけは見せたって、信じてくれるよね?
例えどんなことがあっても・・・
うん・・・。
どんなことっていうのって、言うのは簡単なんだよね。
ほんとに・・・ほんとに辛かったね。
もう何度諦めようかって思ったし・・・
半分は死にかけてたのかも知れない。
遠くに見える何かも判断できなかったあの日。
今はくっきりと色鮮やかに見えて。
やっと僕の恋の話ができるようになったかもしれない。
聞いてくれるかな?
君と出会った日の事から・・・・
僕達は本当に多くを学んだ。
それがこれからの僕達にとってプラスになったかどうかは分からないけど。
でも、大切な事が何なのか、見えていなかった頃より
今はとても幸せだよ?
だって・・・君が傍に居ることが分かったからさ。
僕の胸の中にはいつも君がいて・・・
だから、君の心にも僕を入れてよ。
そうしたら、きっと明日も頑張れる気がするんだ。
だから・・・今日は、最後まで僕の話を聞いてね・・・・?
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ソンヨルは手を伸ばした。
ドンウへ・・・
少しだけ視線を逸らしながらも、
ソンヨルはドンウの手を引き上げて言った。
「・・・・・・ごめん。」
「いいんだ・・・・俺の方こそ、ごめん。」
ドンウは腕を後ろに回し、シャツの裾を下げながら言った。
ソンヨルの小さなため息で意識的に変えていった空気が
ドンウの溜め込んだ気持ちを押し出すように慰めた。
「ドンウヒョン・・・いつまでそうしてんだよ・・・。」
ソンヨルはそう呟いて、ドンウの背中をギュッと締め付けた。
ドンウは一瞬驚いた後、次第に目を細めて
ソンヨルの背中にしがみつくように泣き出した・・・。
「うっ・・・ぅうっ・・・ソンヨラァ~・・・ごめんっ・・・ごめんっ・・・」
「ドンウヒョン・・・良かったよ・・・ドンウヒョンが
泣いてくれて・・・。」
「ふぇっ?なんでだよぉ~・・・なんで俺が泣くといいんだよぉ~・・・」
ドンウは泣きながら聞いた。
「あははっ・・・だってさ、ドンウヒョンこの頃ずっと変だったのに
全然泣かないんだもんw だからさっ、今やっといつものドンウヒョンに
戻って来てくれたんだなぁ~って思ってw」
「あんだよそれぇ~・・ひっく・・・っく・・・」
するとソンギュが近くに現れて名前を呼んだ。
「ソンヨラ・・・」
「あ・・・うん・・・。」
ソンギュが顎をクィッと上げて、あっちへ行ってやれと合図してくれた。
「サンキュ・・・」
そう言うと、ソンヨルはヌナの後ろ姿に視線を移した。
ソンギュはドンウに近づき、力強く抱擁してから離し、
もう一度顔を見てから、今度は肩を組んで話掛けた。
「おっまえは馬鹿だなぁ~・・・ハハハッ!!
何だよ、そのみっともない顔はぁ~・・・」
「だって・・・だって・・・」
ドンウはまだグスッと鼻を鳴らして泣きぐずっていた。
「ドンウやぁ・・・俺にも相談できなかったのか?ぅん?」
「俺・・・言えなかった。言えなかった・・・。」
「そっかそっか・・・分かった分かったw
ほんと、不器用だなぁ~ウリドンウはぁ~フハハッ!」
ソンギュの優しい三日月の目がドンウの心を温める。
暖かくて、暖かくて・・・・益々涙が止まらなくなるんだ。
それでも、何故か自分がどうにでもなれっていう
気持ちが薄れない気がして怖かった。
ドンウの涙がその場の空気に溶け出した頃、
ユカリンのお父さんがペタリと
腰を抜かしたまま座っているのが分かった。
それからやっと我に返ったのか、ユカリンのお父さんは
たった数歩先にいるヌナの所までふらつきながら
傍へ寄っていった・・・。
ヌナの元気な顔が見えるまでの数秒間、ユカリンのお父さんも
自分の代わりに怪我をしたのではないかと気が気ではなかった。
自分が怪我を負うとばかり思っていたから尚更の事だった。
「お嬢さん、本当に大丈夫なのかい?」
「あっ!ユカさんのお父さんですか?初めましてぇ^^」
「あっ・・・はい・・・。どうも初めま・・して。」
「おいっ!!ヌナ、何が初めましてだよっ!!
それより早く説明しろってのっ!!」
「ソンヨリはせっかちだなぁ~wwwあははぁ~」
「ヌナがドン臭いだけなんだっ!!ったくぅ~・・・」
「ソンヨリ、それを言うならトロ臭いじゃなくて・・・?」
「うっ!!・・・・どっどっちだっていいじゃん!それよりもさ、あれでしょ?
何っ!!いいから説明してって!」
「なぁ~に怒ってんだか・・・」
「まぁまぁ・・・ソンヨルが怒るのも無理ないでしょっw
ヌナ、来ちゃ駄目って言われたんでしょ?
人一倍好奇心旺盛なのにっwwww」
と、ソンギュが笑って言った。
「そーだよ、ねぇ?ソンギュ。私の事それこそ人一倍知ってる癖にさぁ・・・
来るなってのがおかしいのよねっ!」
「いや、おかしくないぞっ?!そこは、俺も譲れねぇ・・・」
「ほぉ~・・・ぅ・・・ソンヨルはヌナの事を人一倍知ってるのかぁ~・・・」
とソンギュが茶化すと
「ばっ!!んなわけないじゃん!!おいっ!変なこと言うなよ!!
ただでさえわけ分かんない事だらけだってのに・・・」
「えっ?何?最後の方聞こえなぁ~いw」
ソンギュは耳に手を充てて、大袈裟にポーズをとった。
「えぇ~い・・・ソンギュヒョンもういいっての。やぁ~めてっ!」
「クククッ・・・」
「ちっ・・・惜しかった。」
とヌナが舌打ちをしてソンヨルに冗談を言う。
「やぁっ・・何が惜しかっ・・・」
まだ言い終わってもいなのに、ヌナの反撃が
ソンヨルの噴火を一気に早めた。
「んべぇ~~~っ・・・」
「う~~わっ!あいつっ!!見た?ミョンスっ、ねぇ、今見たよねっ?!
クッ~~~~~ッ!!にくったらしぃ~~!!!」
「プハッ!!w 何・・・今、痴話喧嘩はいいからさ、
ちゃんと説明しくれるっ?ヌナ。」
とミョンスは吹き出しながら片目で言った。
「痴話喧嘩ってっ!ミョ・・・」
「ソンヨリはいいからこっち来て?」
「もぉ~・・・ぅ」
そう言いつつソンヨルはミョンスの隣に
膝を抱えるようにして、つま先を交差して座った。
「おいおい・・・んで?結局、ヌナはなんでこんな?」
ウヒョンが煮え切らない二人を見て、聞いてみる。
「あ・・・うん。あのね?実はさ、ドンウが部屋から出る前に
私、偶然ナイフをポッケに仕舞ってるとこ見ちゃったのね?」
「うん・・・。」
「部屋のドア開いてたの?」
「そう・・・少しだけなんだけどね?」
「うん。それで?」
「で、なんでだろうって思ってさ・・・。
で、暫く考えてたら、みんなバタバタしだしたからさ、
あ、何かあったんじゃないか・・・って思ったの。
嫌な予感もしたし、なんて言うか・・・色々っ!!
そっ!色々あって、お腹に雑誌入れてケチャップ
も入れたのっ!!」
「だぁ~からなぁ~んでケチャップなのぉ~w」
ウヒョンは苦笑しながら、代表で聞き出した。
多分、みんなもそこだけなんだろうけど・・・
と、内心ツッコミたくなるウヒョンだった。
「えぇ~・・・と。もし、刺されたらって想像して・・・あっ!
でもまさかそんな事しないよね?って思いながらも
やっぱり、もしもを考えたのね?そしたら冷蔵庫にケチャップあったから
お腹に入れといたの。クッションになるし・・・と思って。」
「そこまで一瞬で考えるなんて凄いな・・・。
てか、クッションにはならないだろうね・・・。」
と、ウヒョン。
「わわわっ!そう言う事言う??クッションに少しはなるでしょっ。」
「いや・・・残念だけどならないと思うよ?www」
「はー・・・そうですかぁー・・・・。」
「何、その脱力した言い方はっwww」
ソンギュが笑うとヌナは真剣な眼差しでこう言った。
「あたしは絶対、クッションになるって思ったんだよ。
ただ、弱点は範囲が狭いっていうね・・・。」
「どんな想像力してるの・・・。」
と、ソンギュ。
「だろっ・・・・?」
とソンヨルも呆れた様子で言った。
「あ、それより話しの続きねっ!?
その時にねっ?・・・そしたらさっ!プクククッ・・・・」
「いや、お前、笑い事じゃないだろ・・・」
とソンヨルは引き気味にヌナに言った。
「あたし、気絶しちゃってっ・・・あはははっ!!
てか、お前って言うなっ!!」
「はぁ?お前なんてお前で十分だろ・・・。
ヌナなんて、もう呼ばねぇよ・・・。マジ呆れるわ。」
「いやいや・・あははじゃないでしょ。ははっ!!」
と、言いながらホヤも思わず吹き出してしまった。
「アイグ~~・・でも、ほんとに大丈夫?」
ウヒョンはヌナの体を気遣った。
「うんっ凄い衝撃だったけど、大丈夫だよ。^^
ありがとっ!!ウヒョンはやっさしーなぁー!!」
「・・・・なんだよその目は。」
と、ソンヨルはヌナに挙動不審な苦笑いで言った。
「べっつにぃ~?」
ソンヨルを横目で見ながら
ヌナは口を尖らせている。
「あっあのぉ~みんな・・・」
ユカリンのお父さんが小声で言うが
誰も聞いていない・・・。
「あっ!そんでね?ウヒョンとソンギュがあたしのお腹を
ぐーるぐーると巻くからケチャップが押されて
余計出ちゃってwwwあたしはクッションの代わりと思ったんだけど・・・」
「あっははっ!!ヌナァ~何それぇ~クッションだったのぉ~?」
ソンジョンはヌナの行動変だと言いながら笑った。
みんながこの場を和ませてくれているのが分かる・・・
俺はまだ苦笑いで、ただみんなのを会話を見ているしかできなかった。
俺は・・・未遂だったにしろ、ヌナを刺してしまったという
罪悪感で手も足も震えたまま、怖くて笑うことが出来ない。
みんながこんな酷い事をした自分に笑顔を向けてくれて
申し訳ないし、手の感触と言うか・・・ヌナの顔がハッキリと
見えないままに倒れていくのを見ちゃったら・・・怖くなって・・・。
俺はとにかくもう一度謝った。
「みんな・・・ほんとにごめん・・・。なんて言ったらいいか・・・
それに、ユカリンの・・・お父さんにこんな酷い事して・・・
俺っ・・・俺っ・・・・」
「こんな事って?何もなかったじゃない。ねぇ?おじさん。」
救急車の音に紛れて、ヌナは全てなかった事だと
ユカリンのお父さんにも、同意を求めるように投げかけた。
あとは・・おじさんの答えで結果が出るから。
ヌナの機転によってドンウのした事について
どうするべきか決められる事になった。
「そうだな・・・ユカリンのお父さんの答えを聞いて
どうするか決めよう。それでいいな?ドンウ。」
ソンギュがそう言うと、ドンウは黙って頷いた。
するとユカリンのお父さんはゆっくりと目を閉じてから
また開き、ふぅ~っと息を吐き出してから話し始めた。
「ドンウ君・・・いつもユカの心配をして見に来てくれて
ありがとう・・・。」
「いえ・・・俺が言うのも、へっ・・変っ変っかもしれないですけど・・・
それよりも、自首して下さい・・・。いやっあのっ俺、ぁあ~・・・・
もう、わけが分からないんです。
お父さんがどうぉ~してっ!そうしなきゃいけなかったのかっ。
俺は・・・それが知りたいんです・・・・。」
「分かった・・・。ユカは・・・目が覚めても動けなかった・・・。
なんの後遺症なんだって事故を起こした相手側を恨んだよ。
ユカの人生が台無しになったからね・・・。やっと目が覚めてもすぐには
歩けなくて・・・。最初はそんな不憫なユカを見ていられなかったんだ。
それで・・・ユカを連れて山へ行ったのさ。」
「だけど・・・ユカリンの人生はユカリンの物ですっ!!
それを歩けないからって・・・話せないかもしれないって
嘆いていたら駄目なんです。家族なんだから・・・支えなくちゃ。
それなのに、命を・・命をっ・・・奪う・・・なんって・・・・・・・。」
ドンウは堪えきれずに目頭を熱くさせた。
指で抑えても、またとめどなく溢れてくる。
「ドンウ君・・・・・・。本当に済まない・・・・。実は・・・」
「そうやって、何度謝ってもらったってユカリンは
帰っては来ないんですっ!!」
ドンウは涙を拭っても拭っても自分でも止める事ができず、
上ずった声でしゃくりあげて泣いた。
上手く喋る事が出来ない自分にドンウは苛立った・・・
それでもどうにも呼吸が速くなってしまうもどかしさ。
まるで・・・子供がこれでもかというくらい、泣かされているみたいだ。
泣きじゃくる俺の横にソンギュヒョンとウヒョンがいてくれて、
ミョンスは背中から支えているかのようにいてくれてる・・・。
ヒカリちゃんはユカリンのお父さんの横で何故か手を握っていて・・・
ホヤはその横でヒカリちゃんの肩に手を置いてる。
ソンヨルはソンギュヒョンの外側に立ってて、口を開けてるよ。
ヌナは・・・・あれ?
ヌナがいつの間にかいない・・・・・・
俺は泣きながら聞いてみた。
「はれっ・・?ヌッ・・ヌッ・・ヌナはっ?・・っっく・・・。」
「なんだ急に・・・ドンウ、どした?」
ソンギュはドンウの顔を覗き込んで、頭に手を置いた。
「あっ・・・ヌナ??何処いったんだろ・・・ケチャップだらけなのに?」
と、ウヒョン。
「トイレ・・とか?」
と、ミョンス。
その瞬間に振り返るソンヨル。
「えぇ~い・・・こんな時に?まさかだろ・・・。」
「ヌナっていつも急にいなくなるよね。」
と、ソンジョンは真顔でいつもの事だと言う。
すると突然何処からかあの声が聞こえて来た。
「ソンギュー!ソンギュヤー!」
「げっ!!まさか・・・ヌナがいるのか??」
とソンギュ。
「えっ??どっちのヌナ?」
とミョンス。
「あの、おっかない方ね・・・。」
と、冷や汗タラタラのソンギュ。
「でもなんで?ここに居る筈ないよね?」
と、ホヤの目がクルリと回った。
「ソンギュー!そこにいるのぉ~?」
「うーん、いるよーっ」
焦ったような照れているようなとにかく
落ち着き無く返事をするソンギュ・・・。
「手伝ってぇーーー!!早くぅ~!早くっ!早くっ!!」
「わっ・・分かったからそんな大きな声で・・・」
いそいそとソンギュは言われるままに、ユカリンの家に入って行った。
「ちょっと・・・ソンギュヒョンッ!!」
ウヒョンがそう言った時、
すでにソンギュには聞こえてはいなかった。
「どゆことっ??」
ホヤもウヒョンも首をかしげて、
その後ろ姿を見送るだけだった。
すると、ユカリンのお父さんが立ち上がった。
「今度こそ最後まで聞いてくれるかい?」
振り返るメンバーと落ち着いた様子のドンウ。
「ドンウ君・・・それから、もうみんなに聞いて欲しい。
実は話しの続きがあるんだよ。でも、ドンウ君も興奮してたから
言いそびれてしまって。」
「えぇっ??!!今更?」
ソンヨルの驚く声の方にみんな驚いてビクッっとしてしまった。
「まぁ・・・もう、話すまでもないんだけど・・・。
実は、ユカを突き落としてはいないんだよ・・・・・。
そのっ・・・なかなか言い出せなくて・・・。」
「ぅええええええええええええ????!!!!!!」
何故かやっぱりソンヨルの雄叫びの方が早かった。
「・・・・・・・えっ・・・・えっ??
ホントですか?じゃっ、じゃっ、じゃっ、ユカリンは・・・・」
驚きを隠せないドンウ。
ユカのお父さんはニッコリ笑って頷いた。
『生きてるぅーーーー!!!』
ドンウとソンヨルがお互いを指差して同時に叫んだ。
「ハハハッ・・・・」
やっぱりミョンスは小さく笑って。
「フフッ・・・よぉ~かったぁ~ん」
ウヒョンは独特のイントネーションで言う。
「でもぉ・・・何処に?」
またドンウの目からホロホロと涙がこぼれそうに
なっているのを見て、ソンヨルはドンウの肩を組んだ。
「えぇ~い・・まぁ~たすぐ泣くぅ~・・・ほんっと
情緒不安定だなぁ~っ。」
ドンウを揺すりながら顔を覗き込んで言うが、
元気になって欲しい気持ちはあった。
しかし、ソンヨルには今、どうすることも出来ない・・・。
それでも傍にいるだけで救いたかった。
「良かった・・・ユカリンが生きてて・・・・。
それが分かっただけで、俺はもういい・・・。
これ以上はもう何も望まないよ・・・。」
その時・・・・
疲れてへたりこむ瞬間、ドンウを呼ぶ声が聞こえた。
まぁた、誰だよ・・・もう疲れたのに・・・。
「ドンウちゃんっ・・・。」
「・・・?」
顔を上げて前を見ると、誰かがそこに立っていた。
そこには眩しくてそうなのか、顔だけがよく見えなくて、俺は目を細めた。
慣れてきた目を凝らしてみれば、
ソンギュヒョンとヌナに支えられて歩くユカリンだった。
以前と変わらないその笑顔に、俺は足から崩れそうになったけど、
もう、これ以上その笑顔を失いたくなくて、
必死に足が言うことを聞くように言い聞かせた。
ソンヨルの手を振りほどき、ユカリンへと体が自然に流れて行く。
その背中をソンヨルが見つめて、その視線の先の人へ向けた。
もう枯れ果てた冷たい涙が、今度は温水シャワーのように
暖かく、浴びるほど泣いた。
「ドンウちゃぁ~ん・・・そんなに泣いたら
目ぇ溶けるよぉ~?ゥフフッ」
「ユッ・・ユカッ・・リンッ・・ユカリンッ!!!」
俺は・・・もうずっとドンウでいることを止めていたのだろうか?
涙が暖かく感じるんだ。
涙も出ない日もあったのに・・・
さっきまでの冷たい涙なんてもう思い出せないよ。
ソンギュは、ドンウにユカリンの体を預け、ヌナもそこから離れた。
「ユカリンっ・・・あぁ~・・・ユカリンがっ・・・うぅっ・・・っひっ・・
はぁあ・・・・なんっでっ?なんっっでいるの?俺・・俺・・・」
ドンウはユカリンを支えなきゃいけないのに、泣きっぱなしで
周りが笑ってしまうくらいだ。
ソンギュもユカリンのヌナもハラハラするなぁ・・と
思ったその矢先、
「あぁっ!!」
ソンジョンがそう声を出した時にはドンウとユカリンは
ドンウがちゃんと支えてなくて倒れてしまった。
「うぅ~~っ痛いぃ~~~・・・」
そういいながら泣いてるドンウにユカリンは笑った。
「あははっ!!ドンウちゃんと一緒に転んじゃったねっ?」
涙を拭うのはユカリンで・・・笑って許してくれるのもユカリンで。
ドンウは仰向けになったまま膝を立てて、腕で目を覆った。
「ユカリ~~ン・・ぅあ~~~っ・・・」
「ほらほら・・・ドンウや起きろって。そんなんじゃ
ユカリン起きれないだろ?それに、もう泣くなっw」
ソンギュが腕を組みながらドンウを見下ろしている。
それでも泣き止まないドンウ。
そんなドンウにユカリンは這いつくばった状態のまま
近づいて、その頬にキスをした。
ピタッと泣くのを止めて、目をパチパチさせて起き上がった。
ユカリンを抱き上げて自分の足の上に
座らせたドンウ。
ユカリンは困った顔で、だけど愛おしそうにドンウの涙を
指で拭ってあげた時・・・・
チュッ!
さっきまで泣いてたドンウは無言でユカリンの唇に
キスをした。
「わっ!」
思わずソンジョンが声を上げてしまい、ミョンスに後ろから
口を抑えられてしまった。
そのままの状態で振り返りミョンスを見上げるソンジョン。
落ち着いたところろで、ミョンスは手をどけて、
ソンジョンの肩に顎を乗せて二人を暖かく見守った。
「ドンウちゃんって、ほんと勘違い多いよねー。」
「だっだって!ユカリンっ!」
「あははっでも私が悪かったの・・・ごめんね?」
「んーん・・・大丈夫!!だって、ユカリンがここにいるんだもんっ!」
すると、ユカリンのお父さんが来て言った。
「ドンウ君は、ほんと私に喋られせてくれないんだよ・・・
参ったよ、ほんとw 気が付けばもういないこと多かったし。」
「ちょっと、あっぱぁ~それはドンウちゃんだけの責任じゃないでしょー。
オンニだってちゃんと連絡とかしてないでしょ・・・?
後でいいや・・・とかいって。」
「あっ・・・・ははは・・・」
と、ヌナがは笑って誤魔化した。
「えぇっ???なんでよー。目ぇ覚めたの知ってたの?ヌナ!」
と、ドンウが聞くと、またしても笑って誤魔化した。
「ちょっと・・・。」
と、ソンギュ。
「まぁ~・・・なんつーか。ユカとドンウの劇的再会を期待してですねぇ・・・」
ヌナがとんでもないことを口にする。
「そんなっ!!俺、危うくお父さん殺しちゃうとこだったのに!!」
ドンウは真面目に興奮している。
「そそそっ!!あれには参ったなぁ~あはっw」
「おいっ・・・」
と、ソンギュ。
「あぁ~でも助かった。リナっちのおかげでぇ~あはっw」
「あはっwじゃねぇーっつの!」
「わー暴力はんたぁ~い!ついでにソンギュの
寝顔もやばぁ~い!」
そう言いながら、ヌナはソンギュに手首を掴まれて
別の場所に連れて行かれた・・・。
「なっ・・・なんなんだ・・またあのヌナは・・・」
ソンヨルの気持ちの悪い、良かったんだか、悪かったんだか
分からない冷や汗が耳の裏を伝っていく。
「リナヌナ?」
「うん・・・?」
「知ってたのか?この事。それでケチャップ??」
既に半分怒っているソンヨルが壁にリナを押し付けて問い詰める。
すると、ヒカリがリナの前に飛び出して来た。
「あぁっ!ソンヨルオッパごめんなさいっ!!」
「えっ!?」
「えぇっっ!!????」
ホヤが急に大声を出した。
もちろんみんなも驚いたが、ホヤが格別の驚き方だった。
「ホヤも・・・そんな顔するんだねっw」
そんなウヒョンをチラッと見て目が合うが、口を開けたまま
直ぐにまたヒカリを見つめた。
「ヒカリなの・・・リナオンニは何も知らない・・・。ごめんなさい・・・。」
「どういう事なの?」
ミョンスが続けて聞く。
その横でソンジョンは2度頷いて、おとなしく待っていた。
「リナオンニはほんとに何も知らなくて、ユカリンのヌナとみんなの
知ってる衣装持ってくるヌナは同じ人でね・・・?」
「うぇええええっ??そこだけでも衝撃なんだけどっ!」
と、ソンヨル。
「マァ~ジかぁーっははっ!!」
ウヒョンもそれなりにウケながら納得した。
「はぁ~・・・」
ホヤはまだ黙って聞いている。
「あのね?私最近、偶然見つけたミョンスオッパの持ち物に惹かれて
ある物を持ってたのね?そしたら、みんなの事・・・ホヤちゃんの事・・・
その・・・・・ヒカルだった自分を思い出して・・・・・あはは・・・
私、転生したのかな?って分かったというか思ったの。ここまででも、みんな口を
パクパクしてるみたいですね・・・。混乱すると思うけど、話しますねっ?w
え~っと、それで・・・私、以前のような力はないんだけど、
思い出してからは少しだけ未来を予知って言うか、
映像を見る感じで見えるようになっちゃったんです・・・。
ミョンスオッパの勾玉のせいかもなんですけど・・・。」
「ん・・・?んぁああ~~~~!!!そう言えばあれ最近
見かけなかったわっ!!」
と、なぜか手を叩いてウケまくるミョンス。
「おっそ!ミョンス!!てか、なくしちゃ駄目だろっwwww」
と、ウヒョンにつっこまれた。
「それから、ドンウちゃんが勘違いするのも分かったし、
ナイフ持ち出すのも見えて・・・
いろんな事と繋がっているからって
ユカリンのオンニに相談したの。」
「分かったよ・・・・。ヒカリちゃん、そーれーでっ!
あのヌナが色々俺達で遊び出したな?」
ソンギュがそう言いながら戻ってきた。
「遊び出しただなんて失礼なぁ~・・・
私はただ、みんなの心がバラバラだなぁって思ってただけよ?
みんな自分で精一杯でさ、普段全然相手を見てないじゃん。
まぁ、男同士ってそうなのかもしれないけど・・・
でもさ、ソンヨルにもイライラするし、ドンウの早とちりも毎度毎度だし、
ホヤもまぁ~た、ボケぇ~~っとしてて、ヒカリの事
全然気づかないみたいだってヒカリから聞いたしさ、何やってんの?
だったんだもん。なのでっ!私がいっちょ動いたわけよっ^^」
「だからって俺のリナにまで危ない事やらせるなんておかしいだろっ!!?」
と、ソンヨルは我を忘れて言ってしまった。
「俺・・・の?プフッーーーっ!!
やーい聞ぃ~ちゃぁ~ったぁ~wwww」
ウヒョンは口にグーを充ててニヤニヤとしている。
そのニヤけて緩んだ顔がソンヨルを益々焦らせた。
「あ・・・・。おっ!間違えた?いや、俺達のだよ。」
「ウハハハハッ!!焦ってるぅ~~w」
「ちぃ~がうしっ!」
「何も違うとか言うのも変じゃないの?プククッ」
ミョンスのツッコミで大当たりしてしまうソンヨル。
「ソンヨルヒョンっ?もう、行ったことは取り消せないよ?」
クフッっと含み笑いをした悪戯なソンジョンも
きっとあの人を思い出しているのだろう・・・
「あ、リナオンニが例え間に合わなくても、
私がなんとかするつもりだったし、ユカリンのパパにも
お腹に防具入れておいてもらってたから・・・でも、予知では
リナオンニが倒れるのが見えたから、
やっておいて欲しいことだけ伝えたのっ!」
と、ヒカリは言った。
「あぁ~それでさっきリナヌナの言い方が変だったのか。
あのヌナがお腹に何か入れておいたり、ケチャップで
刺されたフリとか絶対思いつきそうにないのにさ、変だなぁ~って
思ってたんだよね。なるほど・・・やっぱりかっ!
まさか、ヒカリちゃんとヌナに操られていたとは・・・・。」
と、ソンヨルはリナヌナのおでこを指で弾きながら
ヒカリちゃんとヌナに言った。
いつものドンウの笑顔がそこにはあった・・・・
やっといつもの俺達に戻れた気がした。
それから・・・
ホヤの目からも静かに涙がこぼれた。
忘れようとしていた彼女を思い出して。
心の奥にずっといたんだ・・・・
ヒカリちゃんに良く似たヒカちゃんなのか、ヒカちゃんに良く似た
ヒカリちゃんなのか・・・
本当はもうどちらでも良かった筈なんだ。
だけど、今は・・・ヒカリが好きだから。
でも、思い出したらやっぱり嬉しくて、やっぱりそうかって
直ぐに納得できた。
今の今まで、ヒカリちゃんは昔の記憶を
思い出した事を教えてくれなかった。
そんな心の駆け引きが続いて、苦しかったけどいいんだ・・・
だって、今生きている『ヒカちゃん』は俺を選んでくれたから。
そして、耳元で『でも、ケチャップは持たせなくても良かったんじゃない?』
と、耳元で囁いてから、目を閉じてヒカリとその気持ちを抱きしめた。
そして、目を開けるとドンウヒョンの泣きすぎて、
ついでに殴られて腫らした顔が目に写った。
俺の恋もやっと実った気がするよ・・・・
俺は改めて自分の気持ちを伝えた。
「ヒカリ?俺は今ここにいる君が好きだよ?」
「うんっ!ヒカリもですっ!!」
長い長い、500年以上も前の恋の話しが、今やっと終えようとしている。
いや・・・もしかしたら俺が始めたのかもしれない。
もう・・・あの深く刻まれた悲しみの表情は見えない。
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「ユカリン、とにかく良かった。無事で。」
「うん^^ドンウちゃんありがとうぉ~」
「あのさ・・・俺やっと言えるっ!!へへっw」
「ん?なぁに?w」
「あのっ・・・さ・・・すっ!好きだよっ?」
「あっ・・・うんっw・・・もちろん、ユカもだよっ」
照れくさくて俺の方がユカリンの後ろに隠れてしまった。
そんなユカリンも恥ずかしくて直立不動だった。
あ、実際には松葉杖だけど・・・。
そんな俺達をみんなが指を指して笑うけど、
これでいいんだって思った。
だって、俺は恋愛にだけは不器用なチャン・ドンウなんだからっ!!
『俺達はとても自由で可愛らしいカップルになればいいよね?』
『うんっ!』
会えない時間が長すぎて、沢山失敗して、沢山後悔した。
これから、ユカリンはリハビリをする・・・
本当に奇跡としか言いようがない位、後遺症が殆ど残っていなかった。
目を覚ましたきっかけはなんだったんだろう・・・?
科学的には良く分からないみたい。
「ねぇ、ユカリン。目が覚めた時、最初に何を思ったの?」
俺はとても気になっていた。
「ん~・・まずは今日は何日なのかって事とね?
後は、あぁ、ずっとドンウちゃんが話しかけてくれてたんだなぁ~って
分かったの。なんだかずっと聞いていた声だって認識してるみたいw」
「あははっそうなんだ?ん~もしかしてそれは本当かもっ!
だってさ、毎日は行けなかったけど、その代わりに
INFINITEと、特にHの曲を毎日聞かせていたからかねっ!!w」
「なるほどっ!!だから目を覚ましたのかもしれないよねっwwww」
「え・・・ユカリン、それってどういう・・・」
「あ、うるさくてっ!?wwwwあはっ」
「あはははははっ!!あははははっ!!そうかもっ!w」
それから、長い長いマフラーを二人で巻いて
あの桜の動画を一緒に見たんだ。
春になったら一緒に行こうねって約束して。
俺達7人は・・・ずっと、ずっと
いつの間にか心が離れてしまっていたのかもしれない。
誰にもどうすることもできない溝ができてしまっていたから、
余計に言えなかった言葉があった。
普通の事なのに・・・
照れくさくて言えなかった。
それを理由にして、後回しにした。
きっと・・・わかってくれるって勘違いして。
『ありがとう_______。』
だからいつもわざわざ遠回りをしていたんだ。
それは・・・恋も同じで。
相手を思いやれなくて、追いかけっこのように
お互いを遠目で見ているような、
近づけば突き飛ばすようにしたりもした。
素直になれないのは、自分に自信がないからだと
髪をグシャグシャにした毎日だった。
だけどそれは人生の中のほんの一瞬のトキなんだろう・・・
若い僕等は、後悔の上に立っている。
それから、本当は僕等は失敗と後悔で出来ているのかもしれない・・・。
生きた年月が僕等を大人にしてくれるんじゃない。
君と話した分だけ、僕を大人にしてくれるんだ。
いつか・・・そんな歌を歌いたい。
忘れないために・・・それを、みんなにも伝えたいから。
時が経てば、忘れられてしまう記憶を、
僕等はいつかまた、思い出す日が来るのだろうか。
時々、ふと思い出して歌うあの歌のように。
その時、君の横にいるのが、
どうか僕でありますようにと願って・・・
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~あとがき~
とうとう7人のstoryが終わってしまいましたね・・・
読んでくださった皆さん、長い間本当にありがとうございました。
早くも、半年位書き続けたことに自分で驚いています・・・
本当に書きたいことはたくさんあるのに、文字で
表現することの難しさを痛感しました。
途中から動画にもハマってしまい、段々と更新が遅れがちに
なりましたが・・・w
もっと丁寧に時間をかければ良かったところは
たくさんあります・・・
ですが、なんとか次のメンバーへとそれを引き継いで
やれたかな・・・と。。。
なうやアメーバのメールで応援してくださった
皆さん・・・本当に嬉しかったです。
゚.+:。(〃ω〃)゚.+:。照れ屋の皆さんが
ヒョッコリ応援メッセージしてくれるのを見て
いつも感激してました。
本当に力になったんです・・・
それから、個人的に長い付き合いのある
ウリチングたち・・・spiさま、mikiたま、muskaっち、シュナッち。
普段の会話だけでも癒されましたー(ノД`)
感謝以外の言葉は見つかりません。。。
ただ、ひたすら読んでくださった方々にも
本当に感謝しています。
いつも数百名の方がいると思うと、変なこと書けない・・・
そうプルプルと指を震わせながら、
頑張れたのも、ずっと読んでいてくれた方がいるのが
信じられなかったのですが、いるんですっ!!
あ、何言ってるのか分からなくなりました。ハハハ・・・
時々、誤打で笑っていただけたかとも思いますw
では、皆さん、本当にありがとうございました。
まだ知らない方がいらっしゃいましたら
声をかけてくださいね~
読んでミソーと・・・w\(//∇//)\
また始めたらよろしくお願いします♥
Vanilla7
2つ目の動画が見れていないことに暫く気がつきませんでした。
すみません・・・
試行錯誤して繰り返し作り直してやっと出来上がりました。
とても大変だったので、しかも最後ということで
特別に全ての人が見れるようにしました。
アメンバーの方々のご理解の程を宜しくお願い致します。
しかしながら、これを機にアメンバーになって最終回を
見ていただけると幸いです^^
これからもまた頑張っていこうと決心しました。
今回の動画チェックにご協力していただいた
special☆special☆thank's to komuさん
本当にありがとうございました!!
♥パダラッ!!
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