公務員試験予備校の学長日記 -13ページ目
面接でどんなことを聞かれるかは、
だいたい分かっている。
そこで、
質問されることに対して、
全部相撲の話に結びつけて
答えることにした。
たとえば、
長所は?
短所は?
今までで一番頑張ってきたことは?
これだけは人に負けないことって何?
これらを全部相撲のことを
例に出して答えることにした。
相撲の話で盛り上がれば、
面接試験は、絶対クリアできると
踏んだのだ。
面接当日、帰りに学校に寄ってくれた
彼の報告では、やはり、
「もうほとんど相撲の話ばっかりでした^^」
とのことだった。
そして、最終合格発表の日。
彼は笑顔で報告に来てくれた。
「合格しました!」
前回も書いたが、
これから公務員を目指そうとするのに、
今の学力なんて、関係ない。
要するに、やる気!
これだけである。
彼はそのことを
身をもって示してくれた一人である。
もちろん他にも、たくさんそういう人はいる。
その人達のことは、
また、おいおい、ここで書かせて
いただくことにする。
そして、
お相撲さんから警察官になった彼は、
今、北九州の小倉で元気で働いている。
当校に入学して来られる生徒さんの
学力は、もうもうバラバラである。
元力士の彼のように、
勉強から随分長いこと離れている人もいれば、
その前の年に、一次試験は合格したという学力
の人もいる。
現役の学生さんもいれば、
社会人の人もいるのである。
よく、入学時に、
今の私の学力で合格できるでしょうか?
などと尋ねられるが、
勉強を始める時にどれくらいの学力があるか、
実は、あまり関係ない。
それよりも、どれほどの意気込みをもって
勉強ができるか、これがすべてである。
元力士の彼は、その意気込みだけは
十二分にあった。
授業中の彼は、もう真剣そのもの。
授業中も、じ~っと、こっちを見て集中して
聴いている。
宿題も必ずやってくるし、
毎日の暗記テストも、必死で覚えている。
とにかく、こちらから、「これをやりなさい」、
と言ったことは、必ずやった。
夕方、授業が終わってからも、家に帰らない。
毎日遅くまで、教室や自習室で、
勉強していた。
夜食まで用意して、勉強していた。
しかし、模擬試験ではなかなか結果が出なかった。
公務員試験は範囲が広いために、
なかなか点数が伸びないのである。
しかし、彼は持ち前の粘りで、
根気よく勉強を続けた。
彼が目指す警察官の一次試験は、
実はペーパーテストだけではない。
体力試験もクリアしなければならない。
体力試験に合格するには、耐久力だけではなく、
機敏さも必要である。
彼は現役当時、 体重が160kgもあったそうだ。
当校に来る頃は、それより痩せてはいたが、
機敏さを身につけるには、
まだまだ体重を落とさないといけない。
そして、彼はなんと最終的に90kgまで減量した。
これは、凄い。
現役のときの約半分である。
毎日顔をあわせていても、痩せていくのが
分かったほどだ。
そして、迎えた一次試験。
勉強と、減量の努力をコツコツ続けた彼は、
見事!この一次試験を突破した。
さて、問題は二次の面接である。
実は、福岡県警の採用試験は、
一次で結構多く合格するために、
そこから二次合格までの倍率がとても高い。
さあて、どうやって突破するか?
思案に暮れたワタクシは、
ある秘策を立てた。
それは・・・・、
故郷に戻ってきた彼は、
警察官を目指すべく、
本格的に勉強を始めた。
しかし、約10年のブランクは
あまりに大きかった。
特に数学系が弱かった彼は、
なんと、「正の数、負の数」から
始めなければならなかった。
合格に必要な学力に達するまでには、
途方もない道のりである。
しかし、流石は元力士。
もう根性が違う。
実は、彼は、現役の時に、
テレビで取材されたことがあり、
その番組を録画していた。
そのビデオを見せてもらったことがある。
その一場面に稽古場の映像があった。
そこでは、
ぶつかり稽古の繰り返しで、
彼はもうフラフラになって、ぶっ倒れた。
しかし、彼は全身に水をかけられ、
奮起をうながされる。
すると、意識も朦朧なまま、
また立ち上がって、
フラフラになりながら、
髪もバラバラで、
また兄弟子にぶつかっていくのである。
ここまで、稽古するのか、
というすさまじい場面だった。
そして、彼は、徐々にその本領を
発揮していくのである。
つづく・・・。

