原則非公開とされていた少年審判の傍聴などを犯罪被害者に認める、少年法改正の
要綱案が固まりました。

 「どういう加害者から被害を受け、審判がどういうふうに行われているのかという
ことを、この目で確かめたいという(被害者の)切実な願いがかなうことになりまし
たのでね」(全国犯罪被害者の会代表幹事・岡村勲弁護士)

 被害者や遺族に対し原則非公開とされていた、少年審判の傍聴を認めることなどを
柱とする少年法改正の要綱案が「法制審議会」で固まりました。法務省は今後、答申
を受け、今の国会に法案を提出する方針です。

 少年審判をめぐっては、被害者側から「なぜ事件が起きたか知ることができない」
として傍聴を求める声が強まる一方、日弁連などから「少年が萎縮して真実を語らな
くなる」と反対の声も上がっていました。(25日18:19)

引用:TBS NEWS
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3763717.html
(動画が見れます)
<成人>18歳から? 法務省が法制審に諮問へ
1月23日2時31分配信 毎日新聞


 「成人」の年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正の是非について、
法務省は2月に法制審議会へ諮問する方針を固めた。07年の通常国会で成立した、
憲法改正手続きのための国民投票法が投票権者を原則18歳としたことに伴うもの
で、約1年かけて議論し、結論を出す予定。改正されれば契約や結婚のほか、飲酒、
喫煙など他官庁が所管するさまざまな分野に影響しそうだ。 

 現在の民法は成人を満20歳と規定。そのうえで▽未成年者の契約(ローン
など)には親権者の同意が必要▽結婚の最低年齢は男18歳、女16歳で、未成年者
の結婚には父母の同意が必要▽養子縁組で親になれるのは成人--などと定める。

 仮に成人を18歳とした場合「取引できる年齢層が広がり、経済活動が促進
する」との見方がある一方、若年者の保護に逆行する可能性を懸念する指摘もある。
また「結婚に対する父母の同意が男だけが不要になる」ことも想定され、結婚最低年
齢に男女差があること自体も議論になりそうだ。

 このほか、20歳未満の飲酒や喫煙が法律で禁止されているのは民法を前提
としている。20歳未満を少年とする少年法の見直し議論に発展する可能性もある。

 関係者によると、今回の諮問は方向性を示さず、引き下げの是非は全く白紙
という。同省幹部は「現代の18歳が大人と呼べるほど成熟しているか疑問もある。
民法も少年法も、それぞれの法の役割を踏まえ、慎重に議論していく」と話してい
る。

 政府の「年齢条項の見直しに関する検討委員会」(委員長・二橋正弘官房副
長官)が確認したところ、法律191本、政令40本、省令77本の計308本の法
令が検討対象。この中でも影響が大きい民法と公選法を巡る議論の行方が注目され
る。【坂本高志】

 ▽棚村政行・早稲田大大学院法務研究科教授(民法)の話 成人を18歳と
する国は世界の多数で、日本も合わせていいと思う。成熟度と言うが、30歳でも幼
い人はいる。むしろ法的に大人と扱うことで責任を自覚させる効果もあるのではない
か。

 ◆各国の成人年齢◆

 (06年の国会図書館調査などから)

 ▽成人年齢を18歳とする主な国=フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ
(多くの州)

 ▽同15歳=イラン

 ▽同20歳=タイ

 ▽同21歳=マレーシア

 ◆結婚最低年齢

 ▽イギリス=男女とも16歳

 ▽ドイツ、フランス、アメリカ(大半の州)=男女とも18歳

引用:毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080123-00000012-mai-soci
更生に配慮した慎重議論望む

 原則非公開の少年審判について、犯罪被害者や遺族らの傍聴を認める制度の導入が
法相から法制審議会に諮問されている。

 「審判の状況を直接見たい」という被害者側からの要望に基づくもので、法務省は
法制審の答申が得られれば通常国会に少年法改正案を提出する。

 これまでも被害者の傍聴は、家庭裁判所が認めれば可能だったが、一般的には審判
に関する情報が十分に伝わらず、被害者側の立場が軽視されてきた側面があるのも事
実だ。

 だが、加害少年の更生などに主眼を置く少年審判の重要な機能が損なわれる恐れも
あり慎重な議論が必要だ。

■加害者に心理的重圧■

 諮問要綱によると、傍聴は故意や過失によって被害者を死傷させるような重大事件
が対象となる。

 傍聴を希望する被害者、遺族らの申請を受け、家裁が加害少年の年齢や心身の状
態、事件の性質などを考慮した上で手続きを行い許可するものだ。

 傍聴者が加害少年と直接対面することで緊張や不安を著しく感じる恐れがある場合
は、弁護士などの付き添いを認めることでそうした心配を和らげることができるとい
う。

 ただし、傍聴者や付添人には加害少年らの特定につながるような事実を漏らさない
よう守秘義務が課される。少年審判の性質上、少年の健全な育成を妨げたり、関係者
の名誉を傷つけるようなことがあってはならず、こうした措置はもっともだ。

 しかし、こうした配慮があったとしても心身ともに未熟な少年が審判で多くの大人
たちに囲まれることの心理的重圧は大きく、少年の態度にも影響はあるだろう。冷静
な状態で正直に話ができなくなる恐れもある。

 一方、被害者らが傍聴することで少年の言動からかえって心に新たな傷を負う可能
性もあるだろう。

■被害者へ情報開示を■

 かつて事件の被害者、遺族らは当事者でありながら刑事手続きの外に追いやられて
いたが、犯罪被害者保護の立場から法廷での意見陳述制度が導入されるなど状況は変
化した。

 今回、諮問通りの答申が行われ法改正が進めば、そうした被害者配慮の趣旨が少年
審判でも強まることになる。

 だが、少年審判を成人の裁判と同様に扱うことには問題もある。

 少年審判では加害少年に自らが犯した行為がどれほど重大で、家族らにも深刻な影
響を与えたかを厳しく認識させ、その反省に立って更生を促し、再犯を防ぐという機
能が期待される。

 非行の事実の認定や処罰だけが目的ではないからこそ、少年審判がこれまで原則非
公開とされてきた。

 もちろん、「(少年審判が)加害者の人権保護に力点を置き、被害者、家族の立場
が確立されていない」とする被害者側の指摘も十分理解できる。

 いま問題なのは、被害者側に審判の過程で非行の動機は何なのか、加害少年が犯し
た行為についてどう考え、何と言っているのかなどの情報が十分に示されていないこ
とだ。警察、司法当局は被害者のそうしたもどかしさを解消することにもっと努める
べきだ。

 少年審判でも事情によっては被害者らの在廷がより広く認められるよう運用すれ
ば、傍聴制度を導入しなくても被害者らの精神的な負担を軽減できるのではないか。
そうした視点も取り入れながら慎重に議論してほしい。

引用:宮崎日日新聞
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/?itemid=4675&blogid=5&catid=15
817-grey.gif
 法制審議会(法相の諮問機関)が、少年審判への被害者傍聴を認めることを柱とし
た少年法改正の審議を始めるのを前に、犯罪被害者らで作る「被害者と司法を考える
会」=片山徒有(ただあり)代表=は12日、被害者傍聴に反対する意見書を法務省
に提出した。


 同会は意見書で、「被害者が審判を傍聴することは精神的に大きな負担となり、被
害者、少年のいずれにとっても利益にならない」などと慎重な議論を求めている。記
者会見した片山代表は「少年審判は少年の更生を話し合う場であり、真相究明の場で
はない。被害者には、裁判官や家裁調査官が事件に関する情報を丁寧に伝えるべき
だ」と話した。

(2007年12月12日21時10分 読売新聞)
引用:読売新聞オンライン
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071212ic22.htm
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071130-00000908-san-soci
引用:産経新聞
死刑執行の氏名を公表 法務省方針 被害者感情を重視
11月30日2時0分配信 産経新聞


 法務省は29日、死刑を執行した死刑囚の氏名を公表する方針を決めた。死
刑執行の公表内容を変更するのに法改正などの手続きは必要なく、次回行う死刑執行
時からスタートさせる。同省はこれまで死刑囚の家族らへの配慮などを理由に、死刑
執行直後に執行した事実と人数を公表するにとどめ、死刑囚の氏名は公式には明らか
にしてこなかった。犯罪被害者の立場を重視すべきだとの世論などに後押しされた形
で、死刑執行をめぐる情報公開が大きく前進することになった。

 法務省はかつて、死刑を執行した事実すら公表せず、明治33年から毎年発
行してきた「矯正統計年報」で、過去1年間に執行された総数や男女別数、執行した
拘置所を掲載するだけだった。このため、年報が発行されるまでに執行の事実が判明
するのは、報道機関などの独自取材や調査によるケースが多かった。

 現在のように執行の事実と人数を公表するようになったのは小渕内閣時代の
平成10年11月以降で、死刑制度への国民の理解を得るためには可能な限りの情報
の公開が必要だとの判断によるものだった。

 刑事訴訟法によると、死刑執行は法相が「死刑執行命令書」に署名押印して
から5日以内に行われ、死刑執行は死刑判決の確定から6カ月以内と定められてい
る。

 しかし、9~18年の10年間をみると、死刑確定から執行までの期間が平
均7年11カ月を要し、法務省によれば、死刑執行を待つ死刑囚は10月末現在で1
05人いる。刑訴法の規定通りに死刑が執行されない理由について、同省は「再審請
求や恩赦の出願を再々行っている者もいて、裁判の執行とはいえ人の生命を絶つきわ
めて重大な刑罰の執行のため、慎重を期している」としてきた。

 また、死刑制度をめぐっては、当時の法相が「思想信条」を理由に命令書へ
の署名を拒否するケースがあったほか、刑法が絞首刑と定めている死刑の方法につい
ての論議もくすぶっている。このため、鳩山邦夫法相が9月に発足させた勉強会で死
刑執行のあり方に関して検討を進めていたが、執行された死刑囚の氏名を速やかに公
表すべきとの判断に至った。
引用:中日、東京新聞社説


「 少年審判傍聴 慎重な検討が必要だ」

2007年11月27日

 たとえ被害者・遺族に限っても、少年審判の傍聴には検討すべき課題が多い。
被害者、加害者の双方にとって不幸な結果を招かないよう、少年法の改正は急がずに
もっと冷静な議論を続けたい。

 非公開になっている少年審判を被害者らが傍聴できるようにする少年法改正が動き
だした。法務省は近く法制審議会に諮問する。

 少年事件の情報は審判非公開のためほとんど公開されず、多くの人が事件から学ぶ
ことができない。情報を社会にもっと公開すべきだ。

 しかし、被害者の怒り、悲しみの力を利用して加害者に責任を強引に取らせようと
する、最近の刑事法改革の流れのなかで審判非公開の原則を崩すことには疑問があ
る。

 事件について知らされない、加害少年への配慮優先で被害者不在-など現行制度に
不満の声は多い。

 傍聴はそれらの声に応える側面があるが、弊害も予想される。

 少年審判は罪を犯した少年を立ち直らせるための第一歩である。

 この段階の少年心理は不安定で、心底から謝罪できる状態になっておらず、反省、
悔悟の気持ちは裁判官や付添人の弁護士、矯正関係者との接触を通じて育ってゆくこ
とが多いという。被害者も悲しみ、怒りのまっただ中にあり、心の整理
がついていないのが普通といわれる。

 こんな状態で双方が対面しても、被害者は加害者に対する拒否感情が先立ち、審判
室でのやりとりを冷静に受け止めることができないのではないか。狭い部屋で被害者
の目が光っていれば、少年が起こったことや自分の心情を率直に述べる
ことができないかもしれない。

 両者の感情がぶつかり合い少年の更生、社会復帰に重大な影響を及ぼすおそれがあ
る。傍聴するかしないかで遺族などが悩み、あえて傍聴した結果、新たな心理的
ショックを受けることも懸念される。

 情報公開、被害者の立場の尊重は審判傍聴とは違う方法で実現するよう、もっと知
恵を絞るべきだ。

 少年に対する刑罰適用年齢の引き下げ、刑法の法定刑引き上げは既に行われ、成人
の刑事裁判では、被害者が被告人に質問し、場合により独自に論告求刑できることに
なった。被害者遺族が「被告人に極刑を」と署名を集める事態になっている。

 他方、犯罪白書によれば、刑務所は再犯者であふれ、矯正にあまり役だっていない
実態を露呈している。

 もっかの急務は、処罰をむやみに強化することではなく、もっと効果的な矯正手段
を考えることだろう。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20071126k0000m040049000c.html


犯罪被害者週間:少年審判の傍聴…法改正巡り論議

 犯罪被害者週間が始まった25日、犯罪被害者や遺族などでつくる各団体の大会が
東京都内で開かれた。非公開の少年審判に被害者らを傍聴させる少年法改正案に推
進、慎重それぞれの立場から意見が述べられた。

 「全国犯罪被害者の会」(あすの会)の大会では、少年事件の遺族3人が現行法へ
の不信などを語った。神戸連続児童殺傷事件で、当時14歳の少年に小学6年だった
次男を殺害された父の土師(はせ)守さんは「少年がどんな人間で、ど
んな環境で育ったかなど、遺族には知る権利がある。更生とは犯した罪を忘れること
ではなく、十分認識することだと思っており、(遺族が傍聴も質問もできない)現行
法は全く不十分」と話した。

 「被害者と司法を考える会」の大会には、少年院OBなど少年司法の関係者などが
参加。元家裁調査官の男性は「審判で思ったことを正しい言葉で語れる少年などほと
んどおらず、傍聴で被害者が傷つくこともありうる。一律に傍聴させる改正は慎重で
あるべきだ」と述べた。

 法務省は29日、被害者傍聴を柱とする同法改正案を法制審議会に諮問する。
【坂本高志】

引用:毎日新聞 2007年11月25日 19時43分
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071125i114.htm?from=main1


「少年審判への被害者参加」を議論、都内で大会とシンポ

 犯罪被害者週間が始まった25日、犯罪被害者のグループが東京都内で大会やシン
ポジウムを開き、少年審判のあり方などについて意見を述べ合った。

 全国犯罪被害者の会(あすの会)は、「新しい刑事司法と少年法を考える」と題し
て大会を開き、少年審判にも被害者らが傍聴できるよう求めることなどを決議した。

 1997年の神戸連続児童殺傷事件で二男を失った土師(はせ)守さん(51)が
体験を報告し、「少年審判は非公開で、被害者の知る権利が奪われている」と指摘。
「真の更生に向け少年に罪を十分に認識させ、正確な事実認定の
ためにも、被害者や遺族の参加を認めるべきだ」と訴えた。2005年11月、町田
市で高校1年生の長女を同学年の少年に殺害された古山君子さんは、「被害者は何一
つ守ってもらえなかったのに、逆送されて刑事裁判を受けた少年は、法
廷でも(入退廷時には)ついたてで覆われた」と述べた。

 大会には但木敬一・検事総長も参加、「裁判員制度などで刑事裁判は革命的に変わ
るが、新制度を生かすには検察官と被害者のコミュニケーションや信頼関係が重要に
なる」と話した。

 一方、「被害者と司法を考える会」も、「少年審判への被害者参加を問う」をテー
マにシンポジウムを開催、少年審判で被害者が傍聴したり、少年に質問したりする制
度の導入に慎重な大学教授らが意見を述べた。小学2年生の息子をダンプカーにはね
られてなくした同会代表の片山徒有(ただあり)さん(51)は、「被害者が審判廷
に立って少年と向き合えば、どうしても制裁措置を期待する。
少年保護という少年法の考え方とは相いれない制度が生まれてしまう」と強調した。

(2007年11月25日22時29分 読売新聞)
引用:読売新聞
「少年法などテーマに集会 都内で犯罪被害者ら」

2007年11月25日 19時29分

 犯罪被害者週間が25日始まり、被害者団体などが都内各所で集会を開いた。
法務省が被害者や遺族に少年審判の傍聴を認める制度の導入に向けた準備を進めてい
る時期でもあり、少年法が大きなテーマとなった。

 全国犯罪被害者の会(あすの会)の集会では、神戸の連続児童殺傷事件で二男を殺
害された土師守さんが「審判を公開しないのは知る権利を奪うことだ」と指摘。

 2001年に札幌で長男を殺害された松尾剛史さんも「被害者の気持ちが治まるよ
うに制度を改善してほしい」と訴え、但木敬一検事総長が「犯罪被害者と検察」を
テーマに講演した。

 傍聴に反対する「被害者と司法を考える会」は模擬審判を実施。参加した家庭裁判
所調査官は「加害少年と被害者が直接向き合えば、興奮してトラブルになるかもしれ
ない」と懸念を示した。

引用:共同通信社