とある日の午後11時。
真澄チャンの家で飲んで帰ってる途中、
雅の携帯が鳴った。
相手は同じ隆擁の3年担任の熊井明仁だった。
真澄チャンが友人の代わりに参加したお見合いパーティー。
そこで知り合い、『友達から』と言われ交換したメアド。
だが、頻繁に連絡してくる相手。
しかも、『友達から』を撤回して『結婚を前提に』とか言ってきたとか。
真澄チャンは相手には1度“無理です!”と断ったらしい。
それでも相手は本気にしていないのか、
断っても断ってもメールを送ってくるらしい。
俺から明仁にそれとな~く相談してみれば?と言ったが、
真澄チャンは首を縦に振らなかった。
だから俺が明仁にメールをしたのだ。
こっちとしては電話で良かったのに、
まさかの呼び出しときた…。
まぁ、明日が休みで良かったさ!
明:よぉ、雅、こっちだ
店の奥に入って行くと、
ドアを開けて明仁が手招きしている。
個室で話すのか?
中に入るともう1人居る事に気付いた。
…誰だろう? 隆擁の教師では無い?
明:取り敢えず座れ
雅:…うん
明:で、このメールは何だ?
雅:何だってメールに書いたじゃん。真澄チャンがしつこい男から言い寄られてるって…
明:相手の名前『木下』しか分からないのか?
雅:真澄チャンは言ってなかったけど、真澄チャンが携帯見た時にチラッと…
明:このパソコンに入力しろ
雅:…うん?
目の前に広げられた明仁のパソコン。
俺は言われた通り木下の名前を入力した。
『木下貴隆(キノシタ アツタカ)』というらしい。
明仁側にパソコンを向けると、何やら作業をし出した。
その間、横の知らない男は紅茶を飲んでいた。
…アレ?ココって居酒屋じゃないの?
明:…コイツ最悪な野郎だな
雅:どういう事?
?:この男は色々なパーティーという名の催しに参加し、そこで知り合った相手に『結婚を前提にお付き合い』と言って騙し、最終的にお金を巻き上げ、相手には何も残らないという最低で最悪な男です
明:色々なところから出禁喰らってる奴だ。食い散らかすらしいからな(笑)
?:以前はその食い散らかしを拾う輩が居たらしいのですが、恋愛的な修正は難しいと判断され、連中も離れていったようです
明:最近では1人で参加し、何故かターゲットは教師に絞り、本名を記入しなくて良いパーティーに行ってるようだ
?:いつもなら調子の良い事を言って相手を騙し、お金を巻き上げて、適当な理由を付け婚約を破棄し、相手の前から姿を消すというのに今回ばかりは違うようです。“やっと本気になれなそうな相手を見付けたんだ!”と行きつけのBarで仲間連中に言ってたそうです
明:いつもならキープで何人か相手が居るんだが、調べても相手は1人しか居なかった
雅:それが真澄チャンなの?
明:その様だな。でも、真澄は嫌がっている…
雅:友達としてメール交換からって始めたのに、結婚を前提にお付き合いとなるなら木下サンの事はそういった対象で見ていないので申し訳ありませんが、もうメール等をしないで下さいって言ったのにしつこいって…
?:バレンタイン前だから焦っているのでしょう
明:まぁ、何だ…。コイツの事はこっちで何とかしとくから雅は真澄チャンに付いててやって
雅:…分かった
明:じゃ、解散。お疲れ
結局、こういった事は明仁に相談する他ない。
俺では真澄チャンに何もしてあげられないから。
バレンタイン前日というのに何してんだろ、俺。
………(・ω・)
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