隆擁学園の3階の奥の空き教室。
主に使用しているのは3年生。
そこに今日も生徒が2人。
1人はよく空き教室を使用している生徒。
もう1人は殆ど使用する事のない生徒。
3年A組・寺村紘征と白澤大和だ。
2人は特に何をするでも無く、
ただ教室のど真ん中に置かれたマットに寝転がっていた。
大:……暇、ですね
紘:そうだな
大:面白い話とか無いんですか?
紘:…行き成り言われてもな
大:でも、呼び出したのは貴方ですよ?
紘:お前を呼び出したつもりは無いんだけど
大:…あぁ、そう言う事でしたか(笑)
3限目が終わった頃、
珍しく大和の携帯が鳴ったのだ。
大和は2台携帯を持っている。
表用と裏用だ。鳴ったのは裏用。
何かの指示かと思って確認したら、
『昼休み、3階の空き教室にて待つ ヒロ』
とあったのだ。
『ヒロ』は確か寺村クンのもう1つの名前。
大和に対して使った事は無いから、
ちょっと変だなぁとは思っていたけど。
どうやら紘征は間違って大和に送ったようだ。
大:ホントは誰を呼び出したかったんですか?
紘:……最近、入った1年の…松田
大:あぁ、彼ですか。恋人居るって言ってましたよ?
紘:そんな話、いつしたんだ?
大:いつでも良いでしょ。3年生の先輩だって言ってたかな
紘:……(コイツ、何か怒ってる?)
大:貴方は櫻井クンみたいな人だとは思いませんでした
紘:誰でも良いってワケじゃねぇし…
大:後輩が好きですよね
紘:何で怒ってんの?
大:別に怒ってませんよ。何で僕が怒るんです?
紘:怒ってんじゃんか
大:しつこいですね。怒って無いって言ってるじゃないですか
紘:間違って呼び出したのは悪かったって思ってるよ
大:普通、送って直ぐに気付きませんか?
紘:…そうだけど
大:…戻ります。昼休み勿体無い…
紘:戻るのか?
大:戻ります。僕は、『間違い』なので!
紘:…おいッ!
思わず、大和の腕を掴む紘征。
その手を大和は振り払う。
普段の大和なら考えられない。
大:明日は会えると良いですね
紘:…松田とか?
大:次は間違えないで下さいね。…ヒロ(^_^)
顔は笑っているけど、目が笑っていない。
大和が空き教室に来た理由…。
3階奥の空き教室の呼び名。
『※※部屋』
紘:……俺が、…好きなのか?
大:そんな訳無いでしょ。失礼します!
紘征は暫くその教室から動かなかった…――