篤志が亡くなって1年が経った。
今でも俺は彼を思い出しては泣いている。
周りは篤志の名を口に出さなくなり、彼の存在も消えていた。
まだ1年しか経ってないのに何で忘れられるの?
俺には出来ない。彼を忘れるなんて出来ないよ…――。
今日は篤志の誕生日。生きてれば20歳。
会社近くのケーキ屋でケーキを買って家に帰る。
誰も居ないはずの家に電気が点いている。
泥棒だと思い、勢い良くリビングに入って行った。
そこには泥棒ではなく、死んだはずの篤志が居た。
篤:怖い顔してどしたの? …お、ケーキじゃん。あっ、俺の誕生日か
俺:………………うん。忘れてた?
篤:ローソク20本か。って随分デカいの買って来たな。ま、食おうぜ
俺:…………………
篤:……悠乃(ユウノ)、時間無いから早くしてくれない?
苦笑する篤志。よく見れば彼はうっすら透けていた。
何食わぬ顔で話す彼を見て俺は泣きそうになった。
それでも誕生日の準備をする。
ケーキにローソクを立て、火を着けて部屋を暗くする。
俺:篤志……っ誕生………・おめ、おめで…とッ
笑わなきゃいけないのに涙が溢れてくる。
目の前の篤志は笑っているのに…。
暫く涙が溢れ、目の前が霞んで見えなくなった。
気付けば彼は何処にも居なかった。消えていた。
テーブルに置き手紙。『来年の誕生日も宜しく』
篤志、ありがと。また、来年ね(笑)