無茶苦茶の果てには何があるのか。 | 龍のひげのブログ

無茶苦茶の果てには何があるのか。

小さな頃は、空をぼんやりと見上げて、宇宙の果ては一体どうなっているのであろうと考えているような子供であったが、年を取った私が今思うことは、この国の無茶苦茶ぶりの果てには、どのような光景が待ち受けているのであろうかということである。正直に言って、多くの国民がこのような環境の中で正気を保って、普通に生活していることが信じられない思いである。無茶苦茶が平常であれば、無茶苦茶は正常になるのであろうか。日本は恐ろしい国である。

ということで自民党総裁選の投開票日が迫ってきたが、私なりにその行方を推測することとする。そもそも今回の選挙は、当初から小泉進次郎ということで決まっているかのようにメディアで取り上げられ報道されていた。TVに出演しているタレントなどの著名人の発言も一般人の感覚からすれば不可解というか違和感を感じざるを得ない次期総理の進次郎肯定意見、進次郎推しというものが多く見られた。先ず何よりもそのこと自体が日本の闇の深さを物語っていると言えるであろう。誰がどの候補者を支持、応援しようがそれはその人の自由であることは言うまでもないことだが、そういう次元、レベルの問題ではなくて、進次郎が総理大臣に適していない、相応しくないという以上に、絶対に間違っても総理大臣にしてはいけない人物であることは、日本の亡国や消失に何の危機感も感ずることなく、難しいことは何も考えず、一生涯をお花畑的雰囲気の中で生きているような知性レベルの人々以外にとっては、地球が太陽の周りを公転しているということ、天動説が間違っていて、地動説が正しいということと同じくらいに議論の余地のないことであって、それを進次郎が日本の総理大臣になれば日本の政治が刷新されて、闇が取り除かれ、明るい未来に向かって前進していくなどと考えることは、フラットアース理論(地球は実は平らで自転もしていないという説)のとんでも論を本気で信じるのと同じくらいに馬鹿げていて、ナンセンスであると言えよう。では何でそのような無茶苦茶が日本にまかり通って、日本全体を覆っているのかということだ。先ず国会議員はそのほとんどが、日本という国家が狂っていようが、無茶苦茶であろうが、その環境下で適応して政治家として延命していくことしか考えていないということが第一であろう。本来はその環境を日々、修正、改善し、作り直していくことが政治家の役割であるはずなのだが、日本の政治家はその根本の根底が端から狂ってしまっているのである。だから日本を決定的に破壊してしまいかねない進次郎政権誕生をも何のためらいもなく平気で賛同できるのであろう。著名人で例を挙げて言えば、個人攻撃をするつもりはないが、ホリエモンが進次郎を支持していて対談している動画を見たが、その権力の提灯持ちぶりには、ある種の突き抜けが感じられて、あっぱれと言うのか、政治的エンターテインメントというのか、チャップリンの風刺コメディを見ているかのような気分になった。ホリエモンは解説している内容に価値があるのではなくて、その突き抜けぶりが圧巻なのである。コロナワクチンで接種後に死亡した人の遺族が国にワクチンの危険性に対する情報開示が不十分であったとして賠償金を求める訴訟が現在進行していて、現実に国も死亡や後遺症とワクチンとの因果県警を認定している状況があるにも関わらず、ホリエモンはワクチンに対して否定的な考えを持つ人々を平然として攻撃するような姿勢を改めようとはしない。また別件で言えば、1985年に発生した日航123便墜落の真相が陰謀論でも何でもなく、遺族である小田周二氏や経済アナリストの森永卓郎氏、ノンフィクション作家の青山透子氏らの主張がほぼ真実であることが隠し切れなくなってきているにも関わらず、ホリエモンはいかに政府見解(圧力隔壁の破損)が正しいということを万人にわかりやすく解説するかのような内容の動画を公開している。誤解のないように言っておくと、私は何もホリエモンを批判するつもりでこのようなことを言っているのではない。むしろ理解しているつもりである。理解とは、そうならざるを得ないであろうと思っているということだが、それでもその突き抜けぶりが常人離れしているように感じているということだ。なぜ、そうならざるを得ないと私が考えるかと言えば、言うまでもないことだと思われるが、ホリエモンはライブドア事件で逮捕され、投獄された経歴がある。それでそのライブドア事件とは一体、何だったのかということについて、ほとんどの人はよくわかっていないと思われるし、私もよくわからない。粉飾決算で会社を高く売りつけようとしたなどと言われていたように記憶しているが、仮にそうだったとしても実刑判決を出されるほど罪が大きいとは到底、考えられないものである。幸い、私は逮捕されたり、刑務所に入った経験がないのでわからないが、ホリエモンにとってその獄中生活は人生を一変させるほどの体験だったのではないかと想像する。東大に入るほどの頭脳を持ち、ビジネスでも成功して、衆議院選挙に立候補するほどの華やかな人生を歩んできた人間が、突然、よくわからないような不条理な理由で逮捕されて、収監されるということは、少し大袈裟に言えばドストエフスキーが銃殺刑に処される直前の奇跡的な恩赦によってシベリア流刑に減刑されたものの、死の深淵を垣間見ることによって生じた神秘体験で、それまでの世界に対する考え方を大きく変化させたのと同じぐらいのインパクトを持っていたのではないかと思われるのである。それで結局何でホリエモンが逮捕されたのかと言えば、これが重要な点だが、日本放送株を買い占めて、フジテレビを買収しようとしたからであることは間違いないであろう。当時のホリエモンは、ネットと放送の融合の必要性やその価値を声高に主張していて、資本、株式の論理だけでフジテレビの買収に猪突猛進に突き進んだのであるが、日本の大手メディアは、単なる株式会社や多大な影響力を有する一企業として存在しているのではなくて、はっきり言えば政治の広報機関とでもいうか、日本の政治に都合の良い議論や民主主義を醸成し、国民を誘導、洗脳するための社会装置なのである。NHKとの契約、受信料支払いが強制化されているのもそういう理由からであるが、国策というよりは元をただせば戦後のGHQによる占領政策からの流れを引き継いでいるのであって、要するに今日においても日本の政治の背後にはアメリカの影響力は厳然として存在しているのであって、そういう大本営的な官民一体のところにライブドアのような新参の何をやっているのかよくわからないような、何を言い出すのかよくわからないような企業がある日、突然にフジテレビのような大手メディアの所有者になるということは、法律的には問題なくとも政治的に絶対に許されないことなのだ。だからホリエモンは潰されたのであろう。当時のホリエモンはそういう日本の権力構造における微妙な機微というものをよく理解できていなかったのだと思われる。逮捕こそされていないがソフトバンクの孫正義氏によるTV朝日の買収も、楽天、三木谷氏によるTBS買収も成功していない。日本の政治、メディア連携体制の牙城は守られているのである。そしてそれこそが日本という国家の本質であり、問題であるとも言えると私は常々考えているものである。それでホリエモンは、これは私の勝手な想像なので間違っているかも知れないが、投獄体験の中で自分を不条理にも逮捕した国家権力に対して恨みというか、ルサンチマンのような感情を抱いたのではないかと思うのである。しかしそれで出所後に国家批判や反権力の闘士のような態度を取ったところで、すぐにまた別の理由で潰されることはわかっているので、ホリエモンのドストエフスキー的転向は、自分の知名度や影響力を活用して、日本の破滅的な無茶苦茶に加担、助長することで、心理的なルサンチマンを反転させて、ある種の復讐をしようとしているのではないかと思えてならないのである。そしてその決意において突き抜けているように私には見るということだ。要するに何が言いたいのかと言えば、ホリエモンのことはどうでもいいのであるが、全てはつながっているということである。次期自民党の総裁が誰になるのかということも、ワクチンの被害がほとんど報道されないことも、メディアを買収しようとすると国策捜査で潰されるのも根っこにあるものは、同じ構図の同根であるということだ。それがわかるかどうかで世の中の見え方というものがまったく変わってくると思われるのだが、いかがであろうか。自民党総裁選の行方については、アメリカは当初は進次郎を指名していたのだと思われる。それでマスコミやマスコミに出演する著名人によって進次郎推しが始まった。はっきり言って、アメリカは日本の総理大臣の能力などどうでもよいのである。従順にアメリカの指示を聞いて、上手く立ち回れればいいだけのペットの犬程度にしか考えていないであろう。お手を言われれば、手を出して、お回りと言われれば、その辺をぐるぐると回って、ホームと言われれば即座に犬小屋に帰るだけの能力があれば用は足りるのであるから、それ以上の人間的な知性や洞察力は求められていないといえよう。ところが日本人の反応は当然と言えば、当然のことながらそうではない。いやしくも日本の政治のトップであるのだから、あまりにも程度が低いとそれだけで日本人の自尊心は傷付くのである。日本人全体が進次郎と同じレベルだと思われるのが我慢ならないのである。それであまりにも日本人の反発の声が大きいということと、私のようにその背後にアメリカの影を指摘する声が多く見受けられるようになってきたことから、それは宗主国というか飼い主であるアメリカにとっても好まざる状況であるので流れが変わってきていると見れる。日本で最もCIAと関係が深いと言われている読売新聞が、一番最初に進次郎の人気が凋落しているとの世論調査の記事を出してきて、その後からそれに追随するような他のマスコミの声が出てくるようになったことから私にはそう思えるのだが、今はアメリカの進次郎使命の縛りが消えているように見える。しかし最初はその指名でスタートしているのでその影響力が完全に消失せずに残存している。ということで女性初の総理大臣が誕生すれば、話題にもなって国際的な体裁も悪くはないので、進次郎と高市早苗が拮抗しているように私には見える。石破茂はないであろう。ある意味で進次郎以上に何を言っているのか、何を考えているのかよくわからないし、人相も悪くて不気味さがある。日本にとってもアメリカにとっても望まれていない人物であるように感じられる。

(吉川 玲)