さすが内田樹編集の好著。

 

表紙裏に「撤退は敗北でもなく逃避でもなく、歴史のパラダイム転換である!」とある。

「撤退」について16名の他分野の方が綴る一冊。

 

内田樹、斉藤幸吉、白井聡といった方々の綴りはもちろん素晴らしい。

その他の方のものも勉強になるものが多いが、特に中田考、平田オリザ、兪炳匡(ゆう へいきょう)三氏の論考は目から鱗である。

中田孝のイスラム=非欧米的視点からの視点。

平田オリザの日本語、日本人の非論理性。

兪炳匡のBプラン。

一度読んだだけでは、全てを理解できない程奥の深い論考ばかりであるが、そこに「何かヤバイこと」が書かれていることは理解できる。

編者の内田樹が書いている通り、一つ読んだらすぐに次には進まず、コーヒーでも飲んで・・・の意味するところが、読後によく理解できる。