さすが森功というべきか、こんな本を用意していたとは。
政商ならぬ国商。森の造語だと思うが、葛西は正しい方向で国のことを考えていたか?
そうは思わない。国のことを思っていたかもしれぬが、それはかなり独りよがりな考えだったのでは。
葛西はある非公式会合で「インドあたりで戦争でも起きないか」と言ったとか。
戦争は非当事者にとっては「儲かるネタ」になるのは確かだ。今の日本の繁栄の礎を築いたのが朝鮮戦争であることは疑いがない。
アメリカにとって戦争は「公共事業」とも言われる。しかし、「インドあたりで戦争」とは何とも無責任な発言である。
本著の冒頭に葛西の「政官財界人脈図」を見ると、2012年以降の安倍、スカ政権を動かしてきた「連中」がずらっと並んでいる。
この10年の政策の失敗を見れば「連中」という言葉をここで使って良いだろう。しかも、犯罪的なことも多く重ねてきた「連中」である。
安倍、スカは言うに及ばず安倍の腰巾着を貫いてきた失政の最大の責任者の今井。警察国家を体現したような公安畑出身の杉田。厚顔無恥を絵に描いたような不倫・和泉。これも安倍腰巾着ライターの山口の強姦罪の逮捕状を握りつぶした中村格。
その他のメンツも大概だ。日本の勲章がいかにいかがわしいものかを証明する「大勲位」中曽根。極右の三塚。安倍のお気に入りの稲田。戦後も黒い噂の絶えなかった瀬島龍三。
財界、NHKもひどい。JFE、東電、みずほ、JRなど、「旧い」日本の産業がずらりと並ぶ。そして靖国会議に日本会議。なんだかなー。
葛西、安倍のような人物が10年も国を支配してくると、日本がここまで落ちぶれるのもわかるというものだ。