丹那トンネルの完成までの16年を描く吉村昭の真骨頂と言える作品。

 

普段何気なく使っている東海道線。それが開通するまでに、これだけの人が直接間接に亡くなり、生活を脅かされたとは今の今まで知らなかった。

 

主役のない吉村昭の記録文学。今回の主役をあえて言えば、トンネル。

その落ち着いた筆致はいつも胸に迫るものがある。