拘るな!とどんなにお坊さんが説教しても、人間は、高等動物であるが故に、心にいろいろな「こだわり」を抱きます。
▽ 富・お金や物・・・一流ブランド商品・好きな食べ物
▽大きな名誉や権力・・・地位・役職・褒章
▽不断の享楽・・・遊び・ばくち・酒
何事にも拘らぬ、と誓いつつ、そうはやすやすと出来ないのが世の常、人の常!
ところが、このようなものは普通多くの人々が求め、何がしかの満足を得ることはできます。
しかし、富を得ても使い方に無教養を露呈して嘲笑われ、つねに無くなる不安と恐怖におののくのです。 また長年にわたる権力の座への強いこだわりから、次第に醜態を晒して晩年を汚す愚を犯して闇夜に消える世の儚さにひとり涙するのです。しかし、人間として持つべき望ましい真のこだわりとは、次のようなことでしょう。
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道徳的信念や使命感を抱くこと
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人徳や優れた教養・品格を身につけること
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精神および肉体の健康を求め、維持増進を図ること
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適性のある仕事とその自由自在の発揮を生き甲斐にすること
これらの気高い追求に上限はなく、悠しくこだわりを持ち続けることは社会への貢献であり、人生の妙味です。
「般若心経」にある「色即是空」の「空」とは、
かたよらないこころ
こだわらないこころ
とらわれないこころ
ひろく、ひろく、もっとひろく
これが般若心経 空のこころなり
私は、写経の時、般若心経の後にこれを付け加えるのを好みます。何か自ら空中遊泳して気分が浮遊し、富裕層ならず浮遊層になった気分です。
こだわり過ぎる人は嫌われます。
とはいっても、「自分にはこだわる人」でなければなりません。
ならば、「人にこだわらず、自分にこだわれ」
かたよる、こだわる、とらわれる
・・・・だから、嫌われる!