2007年5月12日付けフジサンケイビジネスアイの書評面「著者が語る」欄に紹介いただきました。
ありがたいことです。
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手元にある一冊の古書『人に好かれる法』が私の人生を変えてくれた。
今から30数年前、まだ30歳の頃、古めかしい日焼けしたこの本に感動、「座右の書」とし、10年に渡る海外生活にも携行した。お陰で好き嫌いが多い欠点も少しは矯正されたようだ。
その古書は、戦後1949年出版の教養書で50万部以上のベストセラーとなり、幅広い人々の心を和ませ、精神的高揚を促した。この度「荒みがちな現代の人たち、特に生き方に悩む母親や若人にも広く読んでもらいたい」との私の願いが天に通じ、忘れ去られる寸前で蘇ったのである。
その最終章に第1条約束を守れ、第7条見栄がないなど「人に好かれる法50ヵ条」がある。私は2年前からメルマガで、各条毎に、多様な失敗・成功を通して学んだ独自の考え方や人生観を率直に記していた。それが『だから嫌われる』として同時出版されたのだ。刺激的な書名ではあるが、内容は孔子やソクラテス初め古今東西の偉人哲人の人生訓に照らして得た、日々折々の処世術であり、世渡りの秘訣とも言えよう。
各条の最後に記した「見ザル 聞かザル しゃべりザル・・・だから嫌われる」等の標語が読者の感性と呼応して一層の理解を促すと思う。
本書が人生に迷う人の指針となり、軋轢(あつれき)に苦しむ人の心の安らぎとなり、コミュニケーションに悩む人のささやかなともし火となることに期待する。また、『人に好かれる法』との併読によって、より良い「好き方・好かれ方」を学び、「人間力」の更なる向上を加速できよう。
近藤信緒こと故池田敏子氏は当時では珍しい女性起業家で現池田書店を創業。武者小路実篤・下村湖人・福田恆存など著名作家とも交流、100冊以上の教養書を著した有数の教養人であった。私はは今この明治の女傑の波乱万丈の生涯を紹介すべく、伝記を執筆中である。
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