────────────────
■公式見解=プレスリリース作成の秘訣(1/2)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ポジションペーパーが出来たら、それを元に公式見解(プレスリリース)をま とめなければならない。その公式見解に基づいて、個々の対応がとれることになる。 ▽会社としての発言が明確になれば、社内外のステークホルダーに対して、どの部署からも回答が可能になる。
▽危機発生後、それが、経営に関する危機であろうと、事件・事故・不祥事のような危機であろうと、対外的に社内的にどのように対応するのかについて会社としての考え方や姿勢を明らかにしなければならない。
▽広報担当がやるべきことは
▼中心になって情報マスターに情報を集め
▼ポジションペーパーにまとめ
▼公式見解、つまりプレスリリースを作成する。
そのためには、必要な情報が各部署や現場から率直に上がってこなければならない。ところが、情報が適切に交通しない組織風土の企業は、そうは簡単にはタイムリーに伝わってこないのである。
■具体的なポイント(2/2)
プレスリリースは基本的には一般的なテーマにおける書き方と同様であるが、事件・事故等におけるプレスリリースの作成方法は、特に、次の項目を忘れないことが大切である。
1.「現状把握」
2.「原因究明
3.「当面の対策」
4.「今後の見通し」
これらは、必ず網羅しておく必要がある。プレスリリースの書き方のところで「プレスリリースはアートである」と言った。つまり、独創的に作成することが重要で、定型はないのだ。
なぜなら、訴える内容が異なれば、重要性の順序や図形も同じではありえないからである。
さらには「責任の所在」について、案件の軽重(例:死亡したのか外傷なのかによって多いの変動するが、質問に及ぶことも多いので、どのように答えるかの準備は必要である。
その際、問題の大小に関わらず、広報コンサルタントの指導を受けることが望ましい。
さらにLegal Check(専門家チェック)を忘れないこと。なぜなら、緊急時であればあるほど第三者の目で客観的な目が必要だからである。へ前回にも述べたように、言葉遣いや表現方法は弁護士のアドバイスや、案件により、公認会計士なども必要であろう。
次に大切なことは発表者を慎重に選ことである。
危機管理関係で著作もあり著名な中島茂弁護士もご指摘のように、発表者の役職によりその案件に対する企業の姿勢が判るのだ。
大切なことは、もし緊急に記者会見する場合のリハーサルである。広報者は、「公式見解」(プレスリリース)作成の中心となり、現場(現業部門)-トップとの橋渡しや調整役・統括者の役割を果たさなければならない。
【ご参考】新刊のご案内
去る4月20日出版した『広報・PR実務ハンドブック』(日本能率協会マネジメントセンター)は、ありがたくも大手書店において平積みされていますが、今月20日頃PHPビジネス新書『わかる!使える!広報活動のすべて』(副題:伝わるPRの方法から、ネット広報、危機対応まで)が出版されます。
これまでの広報専門書7冊(内海外2冊)と異なり、本書は、それをベースにして、むしろ一般の方に広く広報のことを知っていただこうとの啓蒙啓発書です。
前著『広報・PR実務ハンドブック』では、「人と会社の生き方は一致する」との仮説から出発し、「広報とは、適切な情報交通で、善に向かって会社を司ること、そして、真人間つまり会社を真の会社にすること」との新しい定義を設けました。
そして、「広報の達人」からさらに飛躍して「広報卓越者」を目指すように激励しています。広報卓越者とは「真人間」になろうをする人物であることが前提で、「真人間十か条」を掲げております。
新書ではこの考え方を根幹として、人は日々「自分広報」している、から始まり、『広報の達人になる法』(ダイヤモンド社)や『絵解き広報活動のすべて』(PHP研究所)などのエキスをまとめて、一般の方にもわかるように解説したものです。とはいえ実務的なこともかなり入っています。以上ご参考まで。
【山見博康記】
作成日:2008-06-05