■読売新聞社元経済部長B氏インタビュー        
     
山見―情報提供を歓迎しますか   
  B氏―中小企業、地方企業を問わず、ニュースや情報の内容によって判断しています。従って、報道する価値のある情報の提供は歓迎しますよ。 

 山見―中小企業が、いいニュースネタを提供したい場合には、どうしたらいいですか

 B氏―担当の記者クラブあるいは、各社の経済部、地方支局などに報道資料を送ったり、直接説明することです。ただ膨大な報道資料があるので、簡潔で要点を分かりやすくまとめた資料が望ましいですね。 弊紙に初めてめて情報提供したい方は担当の記者クラブあるいは、各社の経済部、地方支局などにコンタクトして、担当部署や担当記者の連絡先を問い合わせてください。 
  山見ー中小企業がいきなり情報提供の申し入れた場合でもきちんと話を聞いてくれますか?何をポイントに話したらいいですか? 

 B氏―ニュースのポイントを要領よく説明することが大事です。報道紙面は広告欄ではないので、取材や報道に値する情報かどうかを判断した上で、ニュース価値があると思えば、担当記者が取材します。  新聞社に寄せられる情報は膨大なので、だらだらと企業や商品のPRをするのではなく、報道する価値がどこにあるかを、簡潔に説明することが重要です。資料を郵送やFAXで送る時も同様です。 

 山見―発表記事と個別取材記事はどちらを大切にしますか? 

 B氏―原則的には、どのような情報提供の形にせよニュース価値によって判断しますが、個別の情報提供の方が、余裕を持って取材できることなどから、扱いが良くなるケースがあります。 
                                    
 ■独自取材が一番

 山見―最近リリース配信会社が多くなってきましたが、メディアとしてはどうお考えですか?       
 B氏―リリース等を配信する専門の会社が増えていますが、報道各社に送ればそれで良しとしているところも多いように見受けます。 
 やはり、各社が自分の考えでリリース等を作成し、自ら報道各社に配布あるいは説明をすることが、広報活動の基本ですね。 
もちろん、記者に直接説明する機会があるかどうかは、報道する価値がある情報かどうかを報道機関がどう判断するかにかかっています。 
 山見―日に何通くらいのリリースが送られてきますか?全部読みますか? 取り上げる確率はどうですか?          
 B氏―一斉配信でも個別配信でも、情報の内容次第です。各社の担当部、記者クラブ、記者個人に日々寄せられるリリース等の量は膨大で、数は計り知れず、それに全て丹念に目を通すのは難しい面もあります。 りリース等の書き方などに工夫が必要です。情報が膨大なことと紙面の制約があり、紙面化される確率は極めて低いのです。 
読者が読んで関心を持つ内容、報道する側が読者に知らせるべきだと思う内容があれば、記事にします。 

 山見―どんなプレスリリースであれば、読む気になるのか?書き方のポイントを教えて下さい。 
 B氏―まず、読み始めてすぐにニュースの内容、価値がわかるリリースが重要です。また、全体的に、簡潔にしてポイントを要領良く説明する努力と夫が必要ですね。 りリースに記されていない専門的な内容などは個別の取材に対応する準備をしておくことが大事でしょう。 
 山見―PRに力を入れようとする企業へのメッセージ(アドバイス)をお願いします。 
 B氏―大企業、中小企業を問わず、ニュースとして取り上げられる確率は極めて低いが、日々の丹念な息の長い広報、PR活動が、紙面への掲載につながります。 また、都合の良い時だけ取材に応じるのではなく、様々な取材に日頃から丁寧な対応を心がけることが、企業のイメージアップやレピュテーションの向上につながると思います。 

 山見―貴重なアドバイスに感謝します。