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│01│山見博康の「社長が広報を兼ねる」……読むものから載るもの
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■「読むもの」から「載るもの」「載せるもの」(1/2)
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広報は経営の一部であることを改めて心に刻みましょう。激動の時代を勝ち抜
くためには系列外への売込みあるいは異なった分野でのマーケットへ積極的に
乗りだしていくかねばなりません。
そこで「報せる仕事のプロフェッショナル」であるメディアの最大限の支援協
力を仰ぐことが経営拡大の重要な要素と読者という共通の顧客に対して一致協
力してお役に立てる情報を提供するのであります。
「報せないと買っていただけない。買っていただけないのは報せる努力が足り
ない。」ということを肝に命じて日々の経営を遂行しなければなりません。
新聞に掲載されたことのない社長にとっては「新聞は読むもの」であります。
つまり、新聞は情報入手のためで、新聞に載ることは自分とは関係ないと思い
込んでいる社長が多いと思います。
しかしこれからは「新聞は載るものだ」と発想転換することが大切なのです。
他社より優れた業績を上げたり、差別化された優れた技術・役に立つ商品・サ
ービスがあれば、必ずニュース価値があり記事として取り上げられる可能性は
高いということを忘れてはなりません。
また、そのくらい自信のある商品・サービスを創り出すべきなのです。既に広
報に目覚めている社長は、更にもう一歩進んで「記事は載せるもの」というプ
ロアクティブな積極的発想で取組みましょう。その姿勢が記者の心を捉えるの
です。
■ニュース素材はもう一つの経営資源(2/2)
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以前、経営資源はヒト・モノ・カネといわれましたが、近年はそれに情報と時
間が加わっています。この情報とは、これまでは、特許とかノウハウの社内知
的財産や有力な外部情報のことをさすケースが多かったのですが、ここに明確
に「ニュース素材は重要な経営資源」ととらえるべきであります。
例えていえばニュース素材は販売拡大の弾丸ともいえるのです。つまり企業と
いう部隊はマーケットという戦場でニュース素材という幾種類もの優れた弾丸
を次々と創り出していく必要があります。
そしてその有力な弾丸つまりニュースのネタを、メディアという各種多様の武
器を利用して、ターゲットである揺れ動く顧客の心を射止めるのであります。
重要なことは、弾丸の特性にふさわしい武器、さらにターゲットに適切な武器
を利用することなのです。それが実は広報の要諦なのであります。
この弾丸が顧客のハートを掴めば、販売が拡大することになります。そうする
ことによってお客様との間で感動と感謝の渦を作り出すことができるのです。
このように、ニュース素材つまり弾丸はもう1つの経営資源であり、それをい
くつも作り出すことは、競争に勝利する最大の要素であることを強調したいと
思います。
社長はそのような独創的な商品をいつもいつも創り出し、会社も・自分も・商
品も独自の独特で独創的なものであり続けることが理想でありましょう。
「広報は経営」これに長けることが、市場での戦争に勝利する大きな術なので
あります。情報に勝つものは国をも制するのです。ましてや企業においておや
でありましょう。
【山見博康記】