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│01│山見博康の「社長が広報を兼ねる」……動く広報担当社長たれ
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■旭化成ライフ&リビング社長のエピソードその2(1/2)
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能村社長のすごさはまだまだあります。動く広報担当社長の面目躍如たるできごとがあるのです。
同社は、巨大な中国市場の将来性に着目、数年前に中国進出を果たしました。同社商品は他社にくらべブランド力が抜群なのと、当然品質面の優秀さを誇っています。
ということは当然、価格は高めとなります。中国の裕福層を狙うというもくろみに対して、マスコミをはじめ冷たい見方もありました。つまり、貧しい国なので安い商品しか売れないという予想です。
そこで一計を案じた同社長は一大イベントを行うことにしたのです。つまり、北京での大々的なセールスキャンペーンイベントを開催し、その時社長みずから「巨大蝶ネクタイの演歌歌手」を演じることにしたのです。
それがあたりました。有力紙「大連日報」に写真入で大きく報道されるなど中国メディアがこぞって大きく取り上げたのです。もちろん日本のメディアが取り上げたことはいうまでもありません。
それによって「サランラップ」は中国市場でも高級銘柄としてブランド化し、他社の追随を許さないようになってきたそうです。今では同社長がメディアに登場する回数はおそらく日本でもトップクラスでありましょう。
■続き(2-2)
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更に驚くべきは、同社長は、シンガーソングライターでもあります。それはプロ級とまではいかないそうですが、各商品ブランド別に作詞作曲するのです。
そして、いきつけのカラオケバーなどで機会あらば自慢ののどを披露してそれを歌い、PRに余念がないのです。これこそ「動いて歌う広報担当社長」としてオンリーワンの存在になっています。
まだまだあります。同社長は、日本では珍しく英語を社内公用語にすると宣言したのです。そして自らも勉強に次ぐ勉強です。社長主催の会議はおろかメールも全て英語という徹底ぶりなのです。私へのメールも英語できます。
社長がそのように勉強するものですから、社員も勉強せざるを得ませんね。最初はどぎまぎして通じなかった英語もだんだん慣れてきてここにきてようやく効果があがってきたということです。
こうして枚挙にいとまないほどの逸話の持ち主である能村社長は、柔道2段の猛者でもあります。これからも超ユニークな名物社長としてメディアに新鮮な話題を提供し続け、業績もそれに呼応していくこと間違いないでしょう。
正に私が力説する「広報は経営」を率先垂範する広報担当社長のお手本なのであります。そうなるとメディアにとってもつねに何かの話題を待ち望むようになります。
また、ヒマネタが欲しいとき等、同社広報にいけば何か面白いエピソードがあるだろうと期待するようになります。そうなるとしめたものです。ワンマン社長ならそれらしく何か別の面でオンリーワンになることはメディアを惹きつける要素になります。「動く広報担当社長」を忘れてはなりません。
【山見博康記】