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│01│山見博康の「社長が広報を兼ねる」…………動く広報担当社社長たれ!
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■動く広報担当社長になれ(1/2)
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3年前の5月に出版した中小・ベンチャー企業のための広報実践指南『会社をマスコミに売り込む法』(ダイヤモンド社)のコンセプトは「社長が率先せよ!動く広報担当社長になれ!」でした。3年たった今、6千部がほぼ売り切れ、ありがたいことに今月9日に重版されました。 去る3月10日、同じくダイヤモンド社から出版された第二作目『広報の達人になる法』と一緒に並ぶことが念願だったからです。
この二冊経営者向けと担当者向けにお伝えしたいことが網羅され、私の経験やノウハウが皆様のお役に立てるベースができたのです。第二作目の主張は「広報の達人は、企業の思想家であれ!」というものです。
私は、小企業の経営者として前著の主張通り、自らメディアへのPRを図ろうとしていましたが、その期待以上に、思いがけない紹介記事や書評もあってありがたいことと感謝しております。
特に、先月掲載された読売や日経本紙の書評は願ってもないことでした。また、フジサンケイビジネスアイ紙の大きな書評欄の「著者が語る」にも登場させていただきました。
メディアコミュニケーションの大切なポイントは、「小さな記者を喜ばせ 小さな記事も喜ぶ」ことであります。大新聞に載るケースはなかなかあるものではありません。紙面も少ないのですから当然です。
一部上場企業においても、大新聞に掲載されるだけの価値あるニュースネタはそう多くはありません。トヨタやソニー・キャノンといった超一流大企業は例外といってもよいのです。
そこで、中小企業の社長は、業界の新聞をはじめ小さいメディアでも直接アクションをとる姿勢が大切です。率先垂範して、自社および自分のPR活動に尽力する必要があります。その姿勢がいつかはきっと実を結ぶことになるでしょう。
■公平と公明正大がピンチを救う(2/2)
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企業危機には、いろいろあります。かっての企業危機といえば、事件や事故、それに不祥事などでしたが、今では情報漏洩・内部告発などに関連した危機が多発しています。
以前は、危機だけのために模擬記者会見などのリハーサルを行う企業もありました。しかし、これからは、いわゆる戦時のみならず、平時におけるマスコミ対応においても、メディア・コミュニケーションの重要性が認識されてきています。
通常の一斉発表・記者会見の時にどのようなQ&Aを作成し、どのように対応するか? も大きなテーマと考えられるようになったのです。
上場企業の場合には、特に決算発表の時に、証券担当記者のみならず、アナリストや一般投資家に対してもどのように説明するのか? どこを強調して、どこの部分の説明に留意するのかなどについて、一層力点をおいて検討するようになってきています。いわゆる、IR=インベスターリレーションズ、つまり投資家向け広報です。
そこで、基本的な対応の姿勢としては、公平と公明正大が重要なキーワードとなります。公表するときには、どの記者にも同じ情報を同じタイミングで、公平に、提供することが不可欠です。
もし、一般紙と業界紙の間、あるいは同じ一般紙の間においても差をつけたことが明らかになれば、その時点で大きな問題に発展します。問題の本質とは別に、記者にとっては差別されたことによる怒りの方が大きいといってもいいのです。
つまり、何でもが疑惑の眼差しで見られ、何をしても信用されなくなります。
そこで、公平をこころがけ、そして、いつも公明正大に堂々と応対することが大切なのです。ときには、この姿勢がピンチを救うことさえありましょう
【山見博康記】