新時代!社長が広報を兼ねる(連載) [2003/12/15配信]
■弾丸(ニュース素材)を探せ(2-1)
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(3)「最も・・・」はいつでもどこでも話題になる
最大、最小、最も速い、最も長い、最も美しい・・・など「最も」を創りだそう。条件付きで考えるといろいろ出てきます。
「最も安い」店として「百円ショップ」が話題になったが、今や「50円ショップ」が「最も安価な店」として記事になりました。典型的な例としては、液体食品輸送のミナト流通サービス(静岡、年商30億円)があります。
毎日2時間かけて各ドライバーが徹底的に洗車し磨き上げ、東名高速道でも一目でわかるピッカピカのローリーで顧客に届ける、正に「最も美しいタンクローリー」です。「ミナトは品質を運ぶ」と評判は抜群、絶大な信頼を得ています。
以前、私が親しい日経産業部記者に同社を紹介したところ、丁度産業新聞経営面で「ユニークな経営」という企画をしていて、早速取材。その結果、半面以上の大きな記事となり、喜ばれました。
■オンリーワンは常にニュースだ(2-2)
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(4)「オンリーワン、独自」は常にニュースだ
「三つの独」もキーワードです。最初の独は「独自つまりオンリーワン」。「ナンバーワンよりオンリーワンに」といいますが、まさにこれはニュースです。「唯一の商品」「唯一の会社」…・何かでオンリーワンになりましょう。そうすれば、記事になるし勝ち残る。これも条件付きでいいからいろいろ考えられます。
その地域では老舗の木造注文住宅の(株)アイテック西岡(兵庫、年6億円)は、20年ほど前から空気の動きや湿度の研究に取組み、湿度の多い但馬地域独特の住宅「夏と冬と着がえをする家」を独自開発、既に大小20棟程度建築、その業績は堅調に推移しています。
これは自然の力を利用、冬暖かく夏涼しい呼吸する健康住宅とも呼ばれ、100年持つ家、親子3代にわたる木造住宅を目指す同社長の想いはこれからもメディアの注目を受けることでしょう。
埼玉県にオンリーワンそのものの土木関連企業があります。同県に根差し独自の経営を行う優良企業(株)高脇基礎工事(門脇佳典社長、年商60億円)は土木工事といえば通常工事別に専門業者が入り、下請け・孫請けしていく習わしでしたが、同社は土木関連を一社で引き受ける方が喜ばれ
るという顧客第一主義の観点から、一括受注できる体制を築き上げたのです。
それが今日のように業界全体が低迷している中でも堅調な業績を維持している理由で埼玉―関東での誇るべきオンリーワンかつナンバーワン企業なのです。
二代目門脇社長は「今後日本のオンリーワン企業として成長したいので広報にも力をいれていく」と力強い。朝日新聞社会面にも、創業者から禅譲を受けた有望社長として紹介されました。
このように、社内から独自のものを探しましょう。商品・サービスだけではなく、独自の経営手法でもいい、独自のマーケティングの仕方でもいいのです。探し出せば、まず、どこかで記事になります。
【山見博康・記】