新時代!社長が広報を兼ねる
(連載) [2003/12/01配信] 


■弾丸(ニュース素材)を探せ(2-1)
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 社内や身辺において何かニュースになりそうな情報にであったとき、自分が読者になった気持ちで、この内容の記事を自分が読んだ時面白いか?と考えてみることが大切です。

 そのニュースバリューとその内容にインパクトが必要なのです。「バリュー&インパクト」がキーワード。この両方を兼ね備えたものが記事になっていきます。記者の目のポイントとしては、

[1]業界への影響あるニュースか?
[2]一般読者に価値あるニュースか? つまり面白いか?
[3]特定分野において価値あるニュースか?
などを常に考慮にいれて、記事にするかどうかを考えています。そこで、中小・ベンチャー企業の場合には、どんなことが ニュース素材になるか具体的に考えてみましょう。
  ここで弾丸とは、ニュース素材のことです。弾丸を多く創ることは社長の仕事でもあります。
(1)「初めて…・・」はニュースの原点

 新聞は「新しく聞く」という意味です。従って「世界初」や「日本初」は間違いなく大ニュースです。社内で「初めて」を探しましょう。
 「何かの分野初めて…・」或いは「どこかの地域で初めて…・」でもとにかく「初めて」はすべてニュースになると考えていいのです。「業界で初めて…・」、「無事故日数…・・日初めて達成」など条件付きでの「初めて…・」を創ることです。

 建設業の(株)ハセベは、ドイツから初めて、金属製「スケールバスター」というイオン交換によって水道管などパイプ内の汚れを自然に落とす器具の輸入販売を開始、業界記者クラブ「鉄鋼研究会」で一斉発表。発表段取りから、プレスリリースの作成、リハーサル、当日の発表まで私がお世話しました。メンバー5社の記者が全員参加し、全紙に掲載されました。反響も大きく社長は大喜びでした。

■「ナンバーワン」ならNews(2-2)
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(2))「一番」を創り出そう。

 人間誰もが「「ナンバーワン」が大好きです。二番は覚えていなくても、一番は別格です。
 世界一や日本一は必ずニュースになります。阪神タイガースの数十年ぶりのリーグ優勝、今年のワールドカップラグビーではイングランドが初優勝でした。優勝は常にスポーツのトップニュースです。
 ビジネスの世界でも同じ。「わが社には日本一はない」とご心配は無用、何でも条件付きでの一番を考えてみましょう。

 つまり、「その地域で一番のシェア」だとか、「ある限られた分野で一番」とか、「ある前提条件の元での一番」を生み出すのが秘訣です。
 ナブコシステム(株)と(株)神奈川ナブコは、それぞれ関東以北と神奈川県における自動ドア分野で5割以上のシェアを誇るまさにナンバーワン企業です。業界のリーダーとしてこれまで何度もメディアに登場しています。

 東証第二部上場昭和化学工業(株)はビールなどの濾過剤では、6割のシェアをもつトップメーカーで、メディアの注目度は高い。
 今後その原料である珪藻土とパーライトを利用したより付加価値のある環境にやさしい壁剤などの開発に力を入れていく戦略です。
 さる6月に創業者の父親から社長を承継した石橋健藏氏はこれからIRを含む広報活動を充実すると意気込んでおられます。  

【山見博康・記】