新時代!社長が広報を兼ねる
(連載) [2003/10/15配信]
■記事掲載の社内的効果(その1)(2-1)
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記事やニュースには、社員やその家族も接することになります。また子会社・関係会社などの社員も見ます。広報の効果については、対外的な効果ばかりが強調される傾向があります。
しかし、一般的にはあまり注目されていませんが、広報の重要な役割の一つに社内向け広報があり、思いがけない大きな効果を発揮します。
【1】社長のビジョン・理念が浸透する
成功している経営者の多くが、年度経営計画発表に初め月例会議・朝礼など、あらゆる機会を捉えて自らの理念ジョン・経営哲学あるいは経営方針を社員に浸透させることに大いなる努力を払っています。
社長の考えの一端が記事になると通常話している内容が客観化され、社員の理解が深まるのです。一つの記事が巻き起こす社内的効果には期待を上回るものがあります。
かって、日刊工業新聞の「不死鳥の如く」欄にコスモエイ社が取り上げられた。その中で「お客様第一主義を徹底してどん底から立ち直り今日の会社がある」との市川社長の話が紹介されました。
運良く丁度その日、弊社が小樽にて同社の幹部を対象に、「いかにお客様第一主義を貫くか」のテーマで研修していたので、その記事がそのまま「生きたテキスト」になり、社長の想いが自然に浸透したのです。研修のあと市川社長に記事のお陰でほとんど説明なく、自分の考えを理解しても
らうことができたと喜ばれました。
■記事掲載の社内的効果(その2)(2-2)
【2】ニュース素材への関心を高める
社長が広報に目覚め記事が出始めると、社員に広報意識が芽生え、社員が自発的にニュース素材を発掘するムードが生れます。
各部署にて「差別化」を研究し、工夫する姿勢ができてきます。社内に情報を共有していこうとか、できるだけアイデアを出し合い、それを発展させ、より顧客ニーズはあうものを生み出そうとか……社内での情報公開が奨励される雰囲気になる効果が期待できます。
記事になるには、お客さまに対してどんな価値のある商品・サービスを造り出す必要があるのかを真剣に考えるなど、いわば逆転の発想も生れてくるでしょう。
顧客に焦点をあて、いかに喜んでいただくかを徹底的に追求し、実現すれば必ずニュースネタになるのです。お客さまの感動は記者の心も動かします。
社外への情報公開は、まず社内がお客様にベクトルを合わせた各人のアイデアを尊重することが原点になりましょう。
【3】 社内を活性化できる
記事は回覧や掲示により、話題作りに寄与します。また営業担当は、顧客訪問に利用し、営業活動に幅ができます。
記事により自社や商品・サービスが客観的に評価された証として信頼性が増すことになります。
記事を読んだ外部の人に声をかけられることも多くなります。社内に話題が増え社内活性化に大いに役立ちます。要は、各社員がお客様の視点で記事になるような仕事をすることです。そんな会社は間違いなく発展するでしょう。
【山見博康・記】