新時代!社長が広報を兼ねる
(連載) [2003/08/15配信] 
 

■記者の正体(その3)(2-1)
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【8】記者は動く情報源

 記者は担当分野から関連業界までを広く深く取材し、価値ある情報を収集しています。

 日本はおろか世界のマクロからミクロまでその頭脳には原稿に書かない・書けないものを含み膨大な情報が詰まっています。つまり最先端のニュースに常にアクセスする動く情報源なのです。

 その価値ある情報を眠らせて世の中のために有用しないのは社会の損実ともいえましょう。
 情報が社命を制する今日にあって、最新の研ぎ澄まされた生きた有力情報として、自由に飛び回っている敏腕記者の情報ネットワークは、もう一つの経営資源でもあります。記者との人脈拡大そのものが情報資源の拡大にもなります。
 
【9】記者は常に素人の心

 記者は博識で優秀な人達です。しかし特に一般紙記者は、担当がよく替わり、守備範囲も広いので担当分野においても実は素人といえましょう。
 従って懇切丁寧にわかり易い説明をしてあげると喜ばれます。それにより記者の間違った思い込み原稿をお互いに避けることもできます。つまり、記者の顧客=読者=企業の顧客ですから、いつも顧客の代弁者と思って接するといいのです。

 記者は常に素人の心を持ち読者・視聴者に役に立つニュースを提供するために頑張っています。もともと頭脳明晰な人達なので、深い知識と経験をもつ玄人はだしの記者も多い。

 特に業界紙専門紙記者には特定分野に関してプロフェッショナルが多いことも忘れてはなりません。社長も教わる姿勢が大切です。ある親しい記者が、「山見ちゃん。”玄人の手抜きより素人の一生懸命”だよ!といいことを教えてくれました。

■記者の正体(その4)(2-2)
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 【10】記者は究極のお客様第一主義者

 経営コンサルタントの小宮一慶は常々お客様、会社、社員/株主がみんな永続的に発展するためには、会社がお客様のお役に立つ商品サービスをご提供し、まず
①お客様に繁栄してもらう。
その結果としての利益で
②会社が繁栄する。すると会社は
③従業員や株主にも還元できる
という順序がありそれは永久に不変」と説いています。

 記者のお客様は読者・視聴者です。より早くより興味ある、より役に立つニュースを報道すれば、購読者数や視聴者数が増えて売上げも増大する。
 従って、ニュース素材を報道する判断基準はひとえにお客様のお役に立つかどうかであり、ここにお客様第一主義者の面目躍如たる所以があるのです。

 といっても単に読者・視聴者が喜べばニュースにするのでは決してありません。その根底には社会の公器としての姿勢や、社会的規範、自社の理念などが不可欠です。

 記者はメディア組織の一員として、自分の原稿が採用されニュースとして世に出ることが、組織での(対外的にも)重要な評価の一部です。それは中小・ベンチャー企業社員と同じく、お客様に喜ばれる商品・サービスを提供する社員がもっとも評価されるのと同じなのです。

 お客様第一主義を標榜している社長は多いが、それを記者にまで徹底している社長は少ない。記者を顧客の代弁者と強く認識して、ライバル他社より、早くより徹底した「記者サービス=お客様に喜ばれる情報提供」を行うことです。         

【山見博康・記】