新時代!社長が広報を兼ねる
(連載) [2003/06/15配信] 


■メディアにはいろんな種類がある(2-1)
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 一般的にどんなメディアがあるのでしょうか?常識的なこととは存じますが一度おさらいしておきましょう。

 新聞には全国紙・ブロック紙・地方紙・業界紙・専門紙など多くの種類に分類されます。全体の発行部数は一日4千7百万部以上で日本は世界でも有数の新聞大国です。

 全国紙は発行部数が多い順に読売・朝日・毎日・日経・産経の五大紙があり、部数は覚えやすく丸めると順に一千万部・八百万部・四百万部・三百万部・二百万部となります。その全国紙だけで一千七百万部と全体の六割を占めその影響力の大きさがわかります。

 ブロック紙とは、エリア単位で区別したもので北海道全域をカバーする北海道新聞、東京は東京新聞、中部地方は中日新聞、九州では西日本新聞がこれに入ります。

 地方紙とは主に県紙で、県単位で全国に80種類もあります。地元に密着した記事が多くので、地方の企業にとっても、大都市に本社を持つ企業の地方支店や工場にとっても重要なメディアです。

 次に全国産業紙です。社長にとって注目すべき重要な新聞で、日経発行の産業関係三紙つまり日経産業・日経流通・日経金融の各新聞および日刊工業新聞と日本工業新聞の五紙です。
 これら産業紙はほぼ同様の紙面形態をとり、国際経済・素材エネルギー・バイオ・情報エレクトロニクス・機械・環境など分野別に紙面が分かれています。従って、自社記事掲載の可能性が高いのに加えて、各分野に関する詳細な情報入手にも役立てることができます。
 日経三紙は、日経記者が書いた原稿のうち日経本紙に載らないより専門的な細かい記事でも掲載されます。日刊工業は独立系のもっとも老舗の新聞の一つですし、日本工業は産経新聞系列ですが別会社で記者も独自で取材しています。この五紙に取材要請すればかなりの確率で記事になります。

■業界専門紙・通信社やテレビ(2-2)
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  社長がもっとも忘れてはならない新聞は業界専門紙です。その特徴は、
(1)業界や専門分野に関する情報を広範囲にまた詳細にカバーし細かいニュースでも掲載。
(2)業界専門記者が長く担当するため記者の知識経験が豊富
(3)業界発展や業績向上に寄与する意欲的な記事が多い などです。
 各分野には必ず複数の専門紙があるので、自社関連新聞の担当記者との良好な関係を作っていくことが大切です。

 その他、特定地域だけに限定したミニコミ紙も多く、その地域だけのトピックスなど木目細かな情報を満載しているので見逃さずコンタクトを深めるとよいのです。夕刊フジや日刊ゲンダイなどの夕刊紙にも社長や社員の個人に関する企画などいろんな企業関連企画があります。

 次に、通信社は共同通信・時事通信の2社で地方紙を含み二百数十社に配信、地方への波及効果が大きいので、地方へ報せたい場合も地方からの情報発信にも有効です。テレビの特徴は、速報性と映像によるインパクトの強さです。

 日テレ・テレ朝などのキー局5社は地方局を傘下に全国ネットワークを形成、主要番組を配信しています。全国に12局あるUHF局はキー局ネットワークには入らずそれぞれ地域に密着した番組制作行っているので比較的に容易に利用することができます。
また山間部などではCATVが発達、キー局との提携に加え自主制作も充実させ地域密着型メディアとして今後の成長が期待されます。
 これから本格的なデジタル放送時代を向え、従来からの「NHK衛星」などのBS(放送衛星)に加えて、CS(通信衛星)デジタル放送が本格化します。社長はそれぞれのメディアの特性を理解しておきましょう。
                           【山見博康・記】