新時代!社長が広報を兼ねる(連載) [2003/06/01配信] 


■ニュース素材をどこで見つけるか?(2-1)
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 ニュースとは何か?を理解し、それらを探すキーワードを学びました。それに加えて視点を「小さな」あるいは「狭い」範囲に限定していけばいろいろなニュースの原石が転がっていることもお分かりになったことでしょう。

 つまり小さな分野・業種・地域です。漠然と探すこれまでやり方だと大きい話題にばかり目が行きがちです。社内でも目だつ戦略的商品だとか社長や経営幹部が推進したり、話題にしたりする商品・サービスについてはどうしても気になり、部下もその動向ばかり追い求めることになります。

 いわゆる目を掛けたテーマ以外にあまり注意を向けないと小さなテーマ、細かい切り口を見過ごすことが多くなります。そこで社内で探すコツを考えて見ましょう。

 ニュース素材(ネタ)を探し出すことを「ニュースの発掘」といいます。どんなことがニュースになるかがわかるとニュースソースをきっちり押さえ、記事になりうる可能性のある情報が社長にあつまるような仕組みつくりも必要になってきます。
 そうすると広報がやりやすくなります。その仕組みを作る前提として社長がやらなければならないことはまず社長がどんなニュースのネタでも上に上がるよう奨励することです。社内を風通しのよい風土にしなければなりません。良い情報もさることながら悪い情報も上がる風土にするのです。それは一朝一夕にはできません。その風土つくりは社員と一緒に作っていく姿勢が必要なのです。

■いつでもどこでも誰にでも発掘できる!(2-2)
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 社員全員がいつもニュースの発掘を心がける会社は広報に目覚めた会社です。ニュース素材がたくさんある会社ほど社員の活性化が図られ、独創的なアイデアが商品開発やユニークなサービスを創造していく力のある企業といえましょう。

 そのような会社は当然マスコミを惹きつけよく記事が出るし、そこに生き生きとした躍動感が生まれるという好循環になっていきます。記事が出なくなると企業は衰退し、衰退していく企業からは記事が出ないのは悲しいかな現実ですが、極めて当然です。

 そこで、社長以外で考えられるニュースソースとは
(1)研究部門からその研究テーマと成果予想を適宜掴む
(2)キーとなる幹部社員から個別情報を
(3)各店舗や営業所幹部から
(4)社員の家庭から。

 このように、社内の多方面からの情報がスムースに流れるようになると、良い情報ばかりでなく、クレームを含む悪い情報の入手も容易になってきます。広報の重要性を社員に正しく理解させることも、広報活動を進める上で大切な要素なのです。

 自社の強みを外部の人達=お客様に積極的に伝えること、そして自社商品・サービスがいかにお客様のお役に立てるかを知っていただくことのみがお客様が増え商品・サービスが実際に売れていく根幹をなすことになります。そのことを全社員が正しく理解し実践する会社は必ず繁栄すると確信
しています。

 ここで忘れてはならないのが、お客様の視点です。顧客価値のある情報を発掘することが大切です。「Value for Customer!バリューフォーカスタマー!」といつもつぶやく癖をつけてください。きっといいことがありますよ。きっと!いつか!            【山見博康・記】