新時代!社長が広報を兼ねる(連載) [2003/05/15配信] 
 

■ニュース素材にするにはコツがある(2-1)
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 ニュース素材を探すときにいくつものキーワード探すことを学びましたが、日頃みなさんが接しておられる業務の中にもいくつもニュースのネタが転がっているかもしれません。それを見過ごしていることはもったいない話です。

 前回に申し上げたキーワードで目の前の事象を見逃さないようにお願いします。経営に関する視点、つまり会社設立や人事・組織、あるいはM&A(企業の合併や買収)なども、経営戦略の転換、画期的な経営戦略、業務提携や営業権の買収もありましょう。

 ところがそういったキーワードを探していても、なかなか大きなニュース素材はないと思われることでしょう。ところがそこがポイントです。考えることはまだまだあります。

 自分の会社には、田中耕一さんのように「ノーベル賞級」の人材はいないとか「日本ナンバーワンはない」とか「世界でもっとも速い・・・はない」とあきらめる必要はありません。

 ニュース素材を探すには都合のよいコツがあるのです。それは、「小さな」あるいは「狭い」という形容詞です。これまで述べてきたキーワードの前にこの形容詞つけて考えるのです。

 ニュース素材には世界一や日本一である必要はありません。もちろんそれに越したことはないのですが、それにとらわれる必要はまったくありません。どのようなやり方かを次にご披露しましょう。

 ■そのコツとは(2-2)
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 「小さな」という形容詞でいくと、「小さな業種」あるいは「小さな分野」というのがありましょう。

 ある特定の業種例えばIT業界の中でも「特定的なPHS関係では日本で初めて・・・」だとか機械業界の中でも「この部品関係ではもっとも高速処理可能・・」というようなわけです。このように考えていくと意外なニュース素材が社内に転がっているかもしれません。

 次に、「狭い」という形容詞から考えてみましょう。何も日本一である必要はありません。「関西で一番・・・」で結構です。「九州でも独自の・・」でも充分なのです。もっと狭くても大丈夫です。「つまり、岩手県でも珍しい・・・」とかまだ狭く「宮崎市で最大の・・・」でもいいので
 す。例えばまだあります。極端にいえば「この町」でもいい。「この通り」でも
 いいのです。この「狭い」というのはなかなか気付かないものですので、覚えておかれるとよいでしょう。つまり工夫次第ではいろいろな業務のなかに面白いニュース素材が転がっていそうですね。

 いまそういった感覚を持つことが大切なのです。もちろん実際にそれを全部記者が取り上げることはないでしょう。しかしまず自分でニュース素材を多く持っていくことが重要なのです。それをいかに料理し、いかにお客様(記者)にご賞味いただくかがこれからの広報の奥義となっていくのです。そこでもっとも大切な視点は、メディアでいえば「読者・視聴者」、企業からいえば「お客様」です。そのお客様に喜ばれるようなニュース素材を探すということがその原点です。                      【山見博康・記】