新時代!社長が広報を兼ねる
(連載) [2003/05/01配信] 
 

■ニュース(素材)とは何かを知る(2-1)
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 絶対に記事にするには、三つの極意が要ります。一つは「絶対!記事にすると思うこと」次に「自分は広報のプロ」だとの自信。最後に「記者は自分の情報を待っている」という確信です。
 それには、並みの社長ではダメで「超一流の動く広報担当社長」を目指すことが大切です。その覚悟ができると、次には何がニュースなのか?ということを知らなければなりません。
 ニュースというのは英語でいう「NEW+S」つまり「ニューの複数」です。つまり新しいもの、革新的なものというのが本来の意味でしょう。私は面白いことに気がつきました。「NEWS」は英語の北東西南の頭文字なのです。偶然とはいえよく出来ていますね。

 それでは「ニュース素材」とは何でしょうか?ニュースの意味が「古今東西の新しいもの」であるということは「新聞」が「新しく聞く」と書かれていることでも解ります。そこで社長は記事にするために、ニュース素材を自ら見つけ出さなければ
なりません。これを「ニュース素材の発掘」といいます。社内でのいろいろな出来事の中から発掘するためには秘訣があります。探すコツといってもいいでしょう。

 それは、「キーワード」で考えることです。これからその重要なキーワードをご紹介します。
 まず最初は、「新」がキーワードです。新しいものはきっと記事になります。野茂投手大リーガー100勝新記録はビッグニュースでした。
 次に「最」つまり「もっとも・・・」は必ず記事になります。もっとも大きい、もっとも小さい、もっとも美しい・・とにかく「最」もキーワードです。

■もっともっとキーワードがある!(2-2)
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 さらに、「一番」は最強のキーワードです。世界一のプロゴルファーであるタイガーウッズのことは何でも記事になります。また、今年の長者番付一番は何をさておいても記事に大きく取り上げられます。
 加えて私が「三独」と呼ぶ「独自」「独特」「独創」というのがあります。言い換えれば「「オンリーワン」「ユニーク」「オリジナル」です。「三独」=「三得」にも通じ、競争相手からするとこんな会社は「三毒」にもなりましょう。

 そして、「驚」と「珍」です。「あっと驚く」「画期的」なことは間違いなく記事になります。昔からニュースとは何かを言い表す喩えに「犬が人に噛み付いても記事にならないが、人が犬に噛み付いたら記事になる」といわれています。

 それに「世相」「時流」「指標」というキーワードも忘れてはなりません。「世相」をあらわすものとは、今は、福祉・リサイクル・有機野菜・シルバー・などがつけば記事になりやすいのです。
「時流」に乗っているといえば「タマちゃん」とつけば何でも記事になります。「マツイ」もそうかもしれません。いわゆる「流行」です。指標となる「数字」といえば「無事故日数300日・・・」というようなものです。
 その他「美談」もキーワードです。心温まる話はきっと記事になりましょう。特に世知辛い世の中の「美談」は少ないだけに貴重です。
 まだあります。「人」です。人物に迫る話は読む人の共感を得てまた教訓を与えて喜ばれます。創業者社長で成功している方は並の人物ではありません。独特の才能、機を見るに敏、苦境を切り抜ける才覚、桁外れの馬力、惹きつけて止まない魅力・・などリーダーたる実力を備えておられます。そしてその人生の生き方、考え方も独自のものがあり、さらにプロ級の趣味を持つなど話題抱負。そんな自分を自分で売り込む姿勢が必要なのです。また「人」の切り口で社員を見るといいでしょう。
 
 次に「イベント」もキーワードです。創立30周年などの周年事業、新製品発表会、納涼会など何でもイベントをして話題性を作ればニュース素材になります。イベントを創るのです。

 上記のキーワードで探すことに加えて、革新的経営戦略・方針を出したときはチャンスです。「M&A」「国際」もキーワードです。社長は日々のいろんな経営決断の都度、ニュース素材になるか?ならないか?に常に考えを及ぼすよう癖をつけることが大切です。

         【山見博康・記】
作成日:2003-05-01