新時代!社長が広報を兼ねる(連載) [2003/03/01配信]
■メディアの役割(2-1)
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近年、メディアの役割の大きさや重要性について強調されることが多くなりました。新聞や雑誌などの紙媒体と呼ばれるメディアも重要ですが、最近はテレビや通信衛星(CS)など電波媒体のインパクトの大きさには目を見張るものがあります。
それではメディアにはどんな役割があるのでしょうか?考えてみましょう。
マスコミとはマス・コミュニケーション(Mass Communication)=大衆伝達の略でマス・メディア(Mass Media)=大衆媒体を利用して広く情報を伝える仕組みのことをいいます。
マス・メディアの役割には、大きく分けて4つに分かれます。
【1】[報道]機能
国の政治・経済・国際ニュースあるいは事件・事故などを報道する機能。
【2】[言論・啓蒙]機能
論説や解説などを通じて異なった観点・視点からの見方や考え方を提供し、オピニオンリーダーとして読者・視聴者を啓蒙・啓発する機能。
【3】[生活・娯楽情報提供]機能 生活・福祉・スポーツ・娯楽・イベントなどに関する情報提供を行う機能。
【4】[広告宣伝]機能
企業・団体などの広告媒体機能。
この中でもっとも重要な役割は[報道]機能です。企業広報はこの機能と密接な関係があります。もちろん企業のニュース素材には、生活・娯楽情報に関連するものも多いのでメディア全体の機能とも関係することになるのです。一般の新聞の場合、およそ半分から60%が広告で占められてい
ます。
■5つの特徴(2-2)
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メディアにはいろいろな特徴がありますが、次の5つの特徴に注目することが重要です。
【1】超スピード力
特に報道機能に関し、メディアの伝播スピードの威力は計り知れません。しかもそれはITの発達によって、驚異的なスピードで早くなるばかりです。今やこの力を有効利用しなければ他社との競争についていけないことは明白でしょう。
【2】圧倒的拡大力
しかもその情報は地域、地形、国境を越え、想像をはるかに超えて拡大します。ある地域の小さなニュースでも一瞬のうちに世界に広がります。それも良いニュースもさることながら悪いニュースも同様です。この力をないがしろにすると危機に対応することはできないでしょう。
【3】深い浸透力
いろなメディアにおいていろいろな切り口で繰り返し報道され、人の心にも深く浸透することになります。そうして、読者視聴者の脳裏に、心に深く刻まれた内容は永く消えないのです。そこで「ブランドイメージ」が決定するといっても過言ではありません。良いブランドを築き上げるには、この深く人心に入り込む浸透力が大いに力を発揮します。
【4】強力なインパクト力
雑誌は迅速さには他のメディアに劣りますが、その分深いしかも広い取材が可能なため、その記事はストーリー性に富み、インパクトの度合いや次元が異なります。テレビや新聞あるいは通信社の報道が一過性に終わることもありますが、雑誌は重厚なメディアともいえましょう。
【5】スパイラル増幅力
いい意味でも悪い意味でも決して軽んじていけません。「メディアがメディアを増幅する」ということを、私はメディアのもっとも重視すべき力とも思っています。
特に、中小企業がこれから広報活動を始める際に、いや今までやってきた企業にもいえることは「ベタ記事」(新聞で一段だけの小さな記事のことをいいます)を大切にすることです。「ベタ」の漢字は「下手」ですが、それをありがたく思う気持ちが広報を成功させる秘訣の一つです。(その詳しい解説はいずれ致します)
以上のメディアの特徴を十分に理解し、それを活かした広報活動をすることがこれからの企業に求められています。
【山見博康・記】