■売れないと嘆く前に社長がすべきこと ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
社長はCEOつまり最高執行責任者です。しかしこの激動の時代にはCEOの役割だけで満足していては勝ち残れません。いずれ衰退の憂き目を辿りいつのまにか消えていくことでしょう。厳しい競争に勝つにはCIOつまり最高情報責任者も兼ね、社長自ら実践しなければなりません。
このコラムは、“率先垂範の姿勢”のない社長にはお読みいただく必要はありません。売れない、あるいは買ってもらえない・・・このデフレ時代の今、そういって嘆いている経営者が多い。しかし売りたい、買ってもらいたいと言っていても何ら解決にはなりません。
売るためにはマーケティングや広報あるいは広告宣伝が大切といいます。
しかし多くの社長がマーケティングと広報などの関係を正しく理解していないのが現状。そのためには、ビジネスの本質を追求してみることです。
すると広報の本質に行き当たります。「ビジネスの本質は行商のおばさんにあり!」。独自の経営戦略コンサルティングをベースに、著作に講演にと活躍中の新進気鋭の経営コンサルタント小宮一慶氏(小宮コンサルタンツ社長)は、こう喝破しています。
大企業も中小企業もすべてこの行商のおばさんが行う活動サイクルを実践しています。このサイクルをいかに円滑にハイスピードで効率よく回すかが経営というものです。ビジネスと広報の本質を理解し実践するというこの原点に戻ることが、景気低迷が続くなかで勝ち残るキーなのです
ビジネスの本質は行商のおばさんにあり!」。独自の経営戦略コンサルティングをベースに、著作に講演にと活躍中の新進気鋭の経営コンサルタント小宮一慶氏(小宮コンサルタンツ社長)は、その著「会社を経営するということ」(PHP出版)の中でこう喝破しています。
大企業も中小企業もすべてこの行商のおばさんが行う活動サイクルを実践しています。このサイクルをいかに円滑にハイスピードで効率よく回すかが経営というものです。ビジネスと広報の本質を理解し実践するというこの原点に戻ることが、景気低迷が続くなかで勝ち残るキーなのです。
実は同氏とは私が神戸製鋼の広報部長になった91年以来の付合いで、今は弊社の親会社の社長です。二人の間はいわば運命の糸で結ばれた不思議な縁(えにし)ともいえ、いずれお話することになりましょう。
■広報の本質が見えてくる!
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行商のおばさんは海岸で魚を「捕る」。そして山や町に運びます。それは「付加価値を付ける」ためです。そして「売り」ます。それから「代金回収」。その儲けの中から、最新の網を買うなど「再投資」するのです。
もし余れば、給与を増やしたり、貯金つまり内部留保することになります。
そして、サイクルの最初に戻り、より多くの魚を捕る。大企業であろうと中小企業ベンチャーであろうと、ビジネスは、そのサイクル以外何ものでもないのです。
つまり「仕入れ」-「価値作り」-「販売」-「代金回収」-「再投資」+「内部留保」これがビジネスのサイクルです。もしあなたがある商品・サービスをもって独立したベンチャー企業と考えてみると分かりやすいでしょう。
そこには、大企業では、エリート部署ともいわれる総務・人事・企画あるいは秘書などはありません。つまりそれらはビジネスの本質ではなく、組織が大きくなってできたいわば必要悪ともいえるサポート部門なのです。
それでは、そのおばさんは山や町でどのようにして魚を売るのでしょうか?まず、友人や知人を訪問販売します。次に歩きながらか露店を開いて、きっと「おさかな~、おさかな~!!」と大声で叫ぶことでしょう。誰しも聞いたことがありますね。
私も小さい頃、早朝「おとーふー、おとーふ!!」と独特の抑揚ある声がすると母に「ぼく、買ってきなさい」といわれたものです。そのおとうふ屋さんの声ははっきりと耳に残っているほどです。
今でも、「さお~さお竹!」とか「やきいも~やきいも!」と独特の言い回しで叫んでいますね。なぜ、大声で叫ぶ必要があるのか?他に方法はないのか? その「なぜ」を突き詰めると広報の本質が見えてきます。この本質を学ぶことによってこれからの理解が容易になります。【山見博康・記】
作成日:2003-01-01