今日のテーマ:『人を知る秘訣』
 第18条「勇気は試さねばならぬ」
    2011年9月17日(土) 
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 常に大言壮語したり、いやに落ち着いた説教ぶりをする人間はなかなか勇気のある人間の様に思われ易いが、勇気こそ一度試されたものでなくては本物ではない。

えらい説教をする或るお坊さんが我が子を高いすべり台まで上らせたが、その高さに目をまわし、恐怖のあまり、その手を放し我が子を突き落してしまった。

大企業のサラリーマンにベンチャーで起業する方法を説き、それには勇気が必要だと力説している著名な学者も、それでは自分はどうか?と問われると話に詰まることもあろう。
巷の話題では、日頃臆病で笑われ者の子供が、友達の危険を救うために猛犬の首輪にしがみつき、その腹を両足で蹴って猛犬をタジタジとさせ、大人の救いを求めたことが新聞に報道されていた。どちらが真に勇気のある人間であるか。
勇気は考えではない。実行である。実行してみて真にその恐怖が判るものだ。
勇気を出して起業しても、最初の内は、うまく滑りだすことが出来ても、問題はそれからだ。何事も続けることは難しい。

顧客が減り、売上げが思うように上がら
なくなると、日々貯金通帳の残高が気になりだす。悪くなってからの毎月の減り方
の速さは、正に恐怖である。その怖さを実感できるのは、会社務めにはない。その
状況におかれた者だけが実感する。それを乗り越えるところに真の勇気が見えてくる
ものであろう。
 何事も実行。吉田松陰も松下村塾において説いたこともそうだ。
松陰が武士のあり方を書いた「士気七則」にこうある。
「士の道は義より大なるはなし。
 義は勇によりておこなわれ、
 勇は義によりて長ず」