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『至誠の咆哮』
今日のテーマ:『人を知る秘訣』第8条
「疑いの知恵」
2011年1月16日(日)
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あの人間はきっとこんな人間だと思っても、もしや、万一、或いは、と言う様な
いろいろな疑いが生れるでしょう。この疑いの中にこそ、大きな知恵が宿っている
ものです。我々は疑いと言う言葉をとかく悪い方にばかり用いたがりますが、疑い
は決して悪い方にだけかけるものではありません。悪く取った場合でも、もしや
善意に解釈したなら、どうなるか、疑いをかけるなら、四方、八方洩れなく疑って
見なければなりません。一方的な疑いは見当違いのもと。
カントも「我思う、故に我あり」の「思う」とは本来「疑う」という意味だそう
です。それは相手に対する一つの形を変えた思いやりではないでしょうか。
そこで何事にもこう考えてみることも幅広い観点から、視点を変えて観ることに
つながります。
1.もっと違ったことを考えているのでは ないか?
2.こんなことに気付いていないのではないか?
3.善意に解釈したらこうなのではないか?
4.これをこう解釈するともっとよくなるのではないか?
5.実は、最近体調が悪いのではないか?
6.何か他に調子が悪いことがあるので、 こんな考えをしているのではないか?
7.楽観的過ぎる要因は?
逆に調子に乗っているのではないか?
こんな背景を思い浮かべることは思いやりある態度であり、誠実な対応です。
それによって、相手の深層心理にまで切り開いて考えてみる自分自身の探究心の向上にもなりましょう。心中深く秘かに察する能力は相手には見えませんが, そこには熱いものが流れているような気がします。