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バリューインテグレーターの
『至誠の咆哮』
今日のテーマ:『人に好かれる法』
「誇り高き人」
2010年3月20日(土)NO.190
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やせ我慢や背伸びした格好は、ひどく惨めであるか、さもなければ気高く崇高であるかどちらかである。その心の中に秘められた誇りは、その人にあらゆる忍耐、我慢をさせ、歯を食いしばっても、自分の志を貫かせ、死守させる力を持っている。

そうした一本槍な、ひたむきな生き方をする人というものは、必ず何かを仕遂げ、群を抜き、非凡な生き方をするものである。だからこそ気高さを感じさせるのである。やはりその心に誇りのない人はみすぼらしい。
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 神戸製鋼広報課長として3年半が過ぎようとしていた1984年11月末、上司に呼ばれ配転を命じられました。後2年位はこのままで・・・との心づもりでしたので意外の気持ち。また、次の職場はプラント輸出のバックアップ部隊でそれほどアクティブではない部署でしたので、一時的に我ながら意気消沈した気分になったものです。

そんな時に、大阪のいきつけだった小料理屋「無客庵」の大将福井義之さんから、二つの言葉をいただきました。その一つがこの言葉です。

凛々たる孤風 自らを誇らず

思い起こせば、自分は脊伸びしていたようです。意識してか、或いは意図していたわけではないにしても、自分の実力以上に見せようとしていたのに違いありません。
そうして気を取り直しつつ仕事に励むようになってきた夏のある日、思いがけなく、そしてありがたいことに、サウジアラビアや豪州転勤に関する打診がありました。「以前カタールに駐在し、僻地には慣れていますのでどこでも結構です」とお答えしていたら、2か月位経ってからか、豪州メルボルン駐在に決まったのです。

結果を望まずして、とにかくひたむきに仕事に打ち込むということが、時には幸運をももたらすことを学んだのです。

それは、大学バスケット部部長だった垂水春雄教授が、あるコンパでの訓話で言われた

    ひたぶるな努力は美しい

と相通じるものがあります。気負いなく、懸命に、自らの職分を果たすことの大切さを学ぶことができました。
しかし、そこには、その仕事に対する自分なりの誇りとそれを全うしようとする強い意志、そしてそれをやり抜こうとする自信が必要なのではないでしょうか。

人生に順境逆境あり、その軽重と時期は人それぞれです。その時々に自負心を持ち自己の尊厳を崩さずに、進んで行きたいものです。

 うき事のなほ此の上につもれかし
    限りある身の力試さん 古歌)

 かたくなと笑わば笑へ真直ぐな
    誠の道を行ける此の身を(古歌)