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バリューインテグレーター(価値統合家)の『至誠の咆哮』
今日のテーマ:『人に好かれる法』第96条
        「秘密」
2009年3月22日(日)NO.188
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誰にでも秘密がある。知られたくないものを持っている。と同時に誰でも人の秘密は知りたがる。聞きたがる。こういう癖の強い人は嫌われる。
なるべく人の秘密には近寄らない。
知りたがらない。聞きたがらない。
そういう人は信用される。
秘密に関係した事には口を挟まない。
こういう人は安心して付き合える。
  
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秘密には触れない、訊かない、近づかない
嫌なこと触れない、訊かない、遠ざかる
だから好かれる

 私は広報PRの専門家として、会社や組織の情報をいかに整理し、トップの考えや組織の意志決定内容をどのように社内外に伝達するかをコンサルティングしています。外部に報せる有力な方法としてメディア(記者)に協力願って、記事やニュースで読者視聴者に届けてもらうことです。

 企業や組織が伝えたい人は顧客や一般の人々ですが、それはメディアが伝えたい読者・視聴者でもあるので、実はお客様が共通なのです。つまり、会社や組織の出来事を記事にして報道するのがお互いし仕事なのです。
しかし、事件事故不祥事等何か緊急事態か起きた時に、どうして夜中まで対立しているのでしょうか? それは立場が違うからです。メディアは・国民の代表者、社会の公器として何でも報せようとしますが、企業・組織には出せる情報もありますが、出したくない情報もあるし、さらに必ず今はまだ出すべきでない或いは丸秘の、大切な機密情報もある。
そこで、対立するのです。そこで顧客様は共通ですから、ビジョンやCSR・コンプライアンスに沿って回答するのですが、記者はすべて明らかにせよ!と迫ってきます。絶対に許してくれません。
なぜなら、機密を知り、特ダネにしトップニュース、スクープ記事という獲物を捕る超一流狩人がジャーナリストの本分、記者の目指す道だからです。
「機密を明かせ!」「言いたくないことも全て教えろ!」と堂々を言える背景には、次の大義名分があるのです。

1.メディアは、社会の公器だ
2.メディアは、社会の代弁者だ
3.メディアは、読者・視聴者の代表者だ

 さもなくば、堂々と「機密を明らかにせよ」と言えないはずです。 
記者は本来訊けないこともずばずば訊く人が一流です。秘密探り、訊き方のプロフェッショナルです。秘密を明かしたくない組織や人は記者を怖がる。だから、記者は嫌われる、のです。

広報PRの重要な役割は、そんな時に「何を、いつ、どこまで明かすべきか?」を決めてそれを、必要な人たちや社会に報せることです。その報せる手段の一つに、メディアの存在がある。つまりメディアは一つの客観的報せるための媒体なのです。
 
私たちは日々いろいろな見方でみています。まず一般的に「見る」、次に、被災地を視る・検視するなどの「視る」、また芝居を「観る」し、患者を診て、脈を診たり、また面倒も看ます。そこで、日常生活や仕事で調べるテーマや考えるべき案件があれば、次の「BAF」でみると抜け目がなくなります。

● B=Bird(バード)  鳥(とり)
  ・・・上から俯瞰(ふかん)する。
   高いところから広く観る。
● A=Ant(アント)  蟻(あり)
  ・・・現実をしっかり視る。
   触って確かめて診る。
● F=Fish(フィッシュ) 魚(さかな)
  ・・・複眼で見る。
   上下左右からとくに下から見る。

しかし、「鳥」は、雀や雲雀ではひ弱です。また、俯瞰力も一流とはいきません。やはり目指すは「鷹(たか)」です。高所に位置し、優れた広角の視力での俯瞰力・分解性能を誇ります。時に獲物を見つけたら悠然とピンポイントで攻撃を加えて勝利する戦闘能力も抜群です。

「蟻」は、テキパキと目の前の仕事を片付けていく「働き蟻」です。

最も大切なのは、見えないものを見る「魚」」の役割。とはいえ、めだかやさばでは心元(こころもと)なく、やはり「鮫」の鋭さと敏捷性が必要です。臭覚に優れ、飽くなき追跡は急です。

しかしできれば魚ではありませんが「イルカ」が理想です。Intelligent(インテリジェント)でもの分かりが早く、スピーディで行動力がある。そして、いつもにこにこと可愛いし動作にユーモアがあり、請われると芸もする、楽天的で幸せになれそうだし、万人に好かれる生き物です。イルカを見習って好かれる極意を会得しましょう。(ただし、太り気味に注意!)

Birdになって別の観点からもっと身近なことを俯瞰してみましょう。
自分が他人に昨晩の行動を根掘り葉掘り訊かれることは、いわば人権侵害の部類です。ところが、親や上司、恋人、妻・夫等の場合には訊く権利もあり、ある程度は深く話さざるを得ません。警察や裁判官が捜査権限を持っていますので、法律に触れる事由の場合には質問権に基づいて訊くのです。
尋問される人は、言いたくない、知られたくないことを話さざるを得ない。
だから、そんな人が大嫌いなのです。
米国CIAやイスラエルMOSSADなどは、敵の国家機密暴露が国家を守ること。だから、スパイは敵に嫌われる最たる人物です。
「敵の計略を見抜くことほど、
 指揮官にとって重要なことはない」
      (マキアヴェッリ)のです。

人や物事の秘密を明らかにすることは、色んな仕事やビジネスの原点です。
まず、裁判官、検事、警察、弁護士がそのトップ、次に探偵や調査会社。
医者、科学者、研究者・・・もそうです。
警察や裁判官の実力はいかに人に秘密を白状させるかにあります。弁護士も同様。
医者は人の痛みや苦痛の現象から何が原因かを探り出し適切な処置をする人、宇宙科学者は、宇宙の機密を発見し、宇宙の機能を探求して人類に役立つことを研究する人・・・。
カウンセラーは人の悩みを訊いて聞いてあげる人。お坊さんも牧師もそうです。いかに人の心の奥底にある秘密を明らかに出来るか、うまく引き出してあげられるか?です。

企業で言えば、人事は、社員の適性を見出して適所に配置すること。営業は顧客(候補)要望を訊き出し或いは探り出して商品価値を推薦すること。監査役は経理の過ちを探すこと。工場の生産性は問題を探すことから始まるのです。

アスリートもいかに早く走り飛ぶテクニックを詳細に探るか、アーチストも然り。
このように考えれば、機密に近寄らない人も人に好かれる秘訣ですが、機密に巧みに近づき、それを合法的に、誠意を持って、傷つけずに・・・明らかにする人はもっと好かれる人です。それに長ずる人は最高の知能を持ち、最高の仕事に従事できる人です。
そういう人たちが真に人類に前進をもたらす人です。

 このことから、浅く人に好かれたい人は、人や物事の秘密に近づかないこと。
深く人に好かれ、愛され、優れた仕事をしたい人は秘密に近づき、訊きだし、細部まで、時に深層心理にまで深く探り、明らかにするつまり「見える化」するように努力することです。

「探すこと=探究」は、実は、最高度の仕事です。
「食べ物探し」はあらゆる生の継続の源。「真理の探究」は人類発展の源。

 「敵の情報を探り出す間者を敵に気づか  れないように使いこなすのは最高の技  術であって、君主たる者の宝をすべき  ことだ」(『孫子』)

嫌なこと、暴く、調べる、訊きまくる
        だから嫌われる