『人に好かれる法百ケ条』
第五十九条 幸を牽く力
ひまわりの花は太陽に向って咲くという。人間も陽気な人の前では、自然に明るく笑みを含んでくるものだ。人の心は陽気が好きだ。同じ話をしても、陽気に行くのと陰気に行くのとでは、心の応え方がまるっきりちがってくる。
幸運は陽気な方へ、人の心も陽気な方へと集まって行く。
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いつも朗らかでにこにこしている人が必ず周りにいるものです。明朗は人を惹き付け、暗さは人を遠ざけます。人は明るいことを好むものです。ある人が部屋に入るとパッと明るくなる人、陽気な話が弾む人、暗い雰囲気も陽転させる人は人に好かれます。
とくにリーダーに成る人は、どんな時にも朗らかさを失わない心の安定が不可欠でしょう。その明朗さは悲観的な状況を好転させる力があります。
人間の幸不幸は、運命に左右されると共に、それに劣らずその人の気質に左右されるものです。それには素直に心を開くことでありましょう。
明朗さは活力を生み出す源です。活力に溢れた人は、常に他人の活力をも呼び起こし、さらに増幅する力を持っています。何かに熱中している人に人は惹き付けられます。どんなエネルギーも常に熱に転換します。エネルギッシュな人にはいつしか人が集まってきます。熱エネルギーは閃光とな
り、その火花は核融合の如く周りに連鎖し、伝播していくのです。いつも春風の和やかさでもって人に接しているといいことが起きます。
「幸福を与えるものは朗らかさ以外には ない。朗らかさは無上至高の財宝であ る。われわれはこの獲得増進を他のど んな努力よりも重く見るべきであろ う。朗らかさにとって富ほど役に立た ぬものはなく、健康ほど有益なものは ない」
(『幸福について』ショーペンハウアー)