【産経新聞連載第4回】
広報の重要性・・・メディアを活用し顧客拡大
私は広報に関する講演やセミナーのほか、広報アドバイザーとして企業広報の戦略策定・実施のお手伝いをしているが、こうした活動の一環で昨年、「会社をマスコミに売り込む法」(ダイヤモンド社)を出版した。
経営者の中には広報の重要性を認識せず、「広報」と「広告」の違いもよく理解していない人が多い。広報は「企業がそのビジョン・戦略や商品・サービスに関する情報をメディアに“提供”し、メディアがその価値判断によって記事にする」。一方、広告は「メディアのスペースや時間を“購入”し、企業側の意図通りに広告として掲載する」ことである。
従って、「広報」はコストがかからないばかりか、その内容に客観性・信頼性が高く、しかも波及効果が大きい。つまり、広告とは異なるより高度な次元の業務で、危機対応もその範疇である。
これまで、中小企業の多くは広い意味で大企業の傘下にあり、必ずしも広報の必要性がなかった。しかし、景気低迷の長期化により、企業系列の崩壊、購買方式の見直し、価格破壊が進み、異系列や異分野・異業種への拡販を図らなければならなくなってきた。
ビジネスの拡大には、「商品・サービスの価値を広く報せること」が必要不可欠である。報せなければ、売れない、買っていただけない」ということになる。広報の重要性が高まってきた。
かってのベンチャー企業であるソニーやホンダもその製品の優位性をメディアの力で広く報せ、成長を遂げたことを忘れてはならない。
メディアには産経新聞などの全国一般紙やテレビのほか、各分野に業界紙(誌)・専門紙(誌)もあり多種多様。企業は、自社の「顧客価値のある情報」を「適切なメディア」に「積極的に提供」し、多くの「記事掲載(報道)」により、遠くの既存・潜在顧客にも「広く報せ」、企業拡大を図らなければならない。
「報せる能力」の優劣が企業業績を大きく左右するといっても過言ではない。
「広報は経営そのもの」――。企業ビジョン・理念に基づいた一貫性のある地道な広報活動が求められている。
