「自分でコントロールできることに全力を尽くせ」

●自分でコントロールできる5か条
発表の要諦は、まず発表やインタビューの目的は何か? 相手にどんな印象を与えたいのか? 何を訴えたいのか?を明確に意識することが第一である。
それに合わせて、自分をコントロールすることが大切だ。人に何かを話す時、自分で自分をコントロール出来る事は何であろうか?
それは、次の五つ:

①話す内容
②態度・姿勢
③話し方
④表情
⑤外見・服装。 
この会見で何を訴えたいのか?どんな印象を与えたいかで、
1.話す内容は、自分で構成する
2.態度を決める
 お詫びに姿勢なのか? どの程度のお詫び なのか? 毅然とするのか?
 しおらしくするのか?・・・どの態度にす るかは自分で選択できる。
 手の使い方もものをいう。「手の動きこそ 万人に通じる言葉なり」「手なくして雄弁 なし」
小さなジェスチャーを伴うと説得力の強化になる。表現は人それぞれ、ジェスチャーの 主役である両手をうまく使うことだ。しかし、大げさなジェスチャーは品位を落とす。

3.話し方を選ぶ
ゆっくり話すか? 少し早くか? 大き目の声で話すのか?・・・全て自分で決める

4.表情を自分で作る
穏やかな表情か? 厳しい表情か? 口元を引き締め固い決意を表すのか?など自由に表情を作ることができる

5.服装・外見

 服装は地味にするのか? 濃い色にするのか? ネクタイの柄は? 身につけるのは?
全て自分で選択可能である。

不祥事などの記者会見をテレビを見て、記者の厳しい質問に社長の眼が宙に舞うシーンに「なーんだ!だらしのない社長だ」と思うであろうが、いざ、自分がその立場になるとそうはうまくいかない。肝心なことは「自分は自分自身でしか、マネジメントできない」ことを知ることだ。
 自分でコントロールできることに全力を集中する。
その前提としては:何を伝えたいか、どう思ってもらいたいかが明確で、自分の話す内容に確信をもたなければならない。
緊急記者会見トレーニングの際に注意すべき大切なポイントは:
●何を訴えたいかで態度を決めよ:まず伝えるべきメッセージを明確に決める。
●発表内容を棒読みしないで、自分のことばで話すこと
●重要ポイント(=キーメッセージ)を確認、凛然たる態度で臨む。
●発表時間より質疑応答時間を長くすること
●発言を司る:断乎たる調子、確乎たる態度、明晰判明な表現方法で確信ある発言を。
声の調子や目や表情、態度には、言葉の選び方に劣らない豊かな雄弁があり、心中を映し出していることを肝に銘じておく。

「肉体を包むだけの衣服の色柄などには私は目を向けない。人間の評価には肉眼を信じない。もっと確実な眼光で真偽を区別する。魂の善は魂に見付けさせるがよい」
(セネカ『人生の短さについて』)