『広報卓越者になる法』   
 今日のテーマ:「トップの見識」
 

社員にも 届けと語るビジョンには
          高い見識深い知恵あり

 トップは、面談に際し、創業の夢や志、企業ビジョンなどを熱く語ることが大切である。常日頃社員に話しているメッセージを強調する。

また、自分の生い立ちや苦労話など人間味ある話は記者の心を捉える。業界のあり方、将来の方向についても自らの見識を示す。
 さらに、政治経済の諸問題に関する見解も興味を惹く。いろいろな視点での私見を率直に語ろう。経営者として、人生の先達としての経験や知恵や披瀝することは、若い記者の啓蒙ともなる。『論語』にも「博(ひろ)く学びて篤く志す」とある。

 記者はとにかく経営者と話をするのが仕事。教養ある経営者とも多く接する。こちらからできるだけ多くの情報を提供しようとすれば、自然に話が弾み、話題も飛躍する。すると取材テーマの内容も充実し、記事も膨らむ。
 話の一部が囲み記事などに使われる余禄もある。その見識に共鳴する記者が、その後何らかのコメントが欲しいときに「この人に訊こう」となる。このような面談(インタビュー)は、記者との親密度も深める。親しくなると取材も増える。記者から学ぶ姿勢がいい。するといい情報も入る。
達人志望者は、トップとともに勉強しよう。

 エマソンは
 「人間はその人が考えていることに他ならない。  これまでよりもさらに自分を高めようとする絶  え間のない努力が人間を結ぶさまざまな関係に  現れる」

と言う。
つまり、正しく考える人間が正しい人間であり、自分を幸福と考える人が幸福である。何を考えるか、どう考えるかは、自分で自由に選択できることである。