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    『広報卓越者になる法』   
今日のテーマ:
「リハーサル・メディアトレーニング」
     2011年8月29日(月)

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リハーサル・メディアトレーニングの目的とは

(1)古くから「備えあれば患(うれ)いなし」と言われるように何事も用心が肝要、そうすれば心にも余裕ができます。美空ひばりのような大歌手でも、ステージに立つ直前までリハーサルに余念がありません。これは、プロとして当然のことです。会社の代表として、対外的に宣うことつまり「一斉発表」は、会社の「公式試合」であり、個々の「記者面談(インタビュー)」は1対1の「戦い」なのです。
 その戦場に、稽古なしに臨むとは、丸腰で戦いに臨むこと。つまり「質問のプロ」である記者に素人が立ち向かうようなものです。
 経営者は、重要なテーマで記者と応対する前には短時間でも練習すべきです。そこで、公式見解=プレスリリースをまとめ、「Q&A」を準備するプロセスが、社内の情報を円滑に交通させることに大いに役立ちます。
つまり、メディア・トレーニングの目的とは:
1.広報の重要性に関する真の理解を得 る。社員の情報への感性を高める。
2.広報体制構築を行い、社内における情報開示の姿勢を統一する。

3.Q&A作成から一貫することにより担当 
者のレベルアップを図る

4.常に社内外への言動を統一する。
どんな場合にリハーサルしておくべきかには、いろんなケースがあります。その主なものとは:
▽経営計画・トップ人事・M&Aなどの重大発表前
▽重要なテーマに関する記者インタビュー前
▽事件・事故・不祥事など緊急時記者会見
▽新任役員への啓蒙
このような重要事項に関して即刻多くの人に伝えるべき時に必要な考えとは:
▼重要な経営事項(含危機)に関し、刻々変化する状況を最も報せなければならない人達は、顧客であり、近隣の人たちであり、そのほかのステークホルダーの人たちである。
▼本当は “一人一人”に即刻連絡しなければならない。しかし、一挙にしかも同じ内容で伝達できないので、強大な伝達力をもつメディアの協力を仰ぐ。
ということです。
発表は経営者の本番試合。重要な対外的発言の前には、きちんと“練習”を積むのです。
いつもQ&A作成を習慣付けることです。

メディア・トレーニングすると次の利点があります。
1.Q&Aの不備を改善、漏れがなくなる
2.キーメッセージの強調不足、表現の拙さなどをチェックできる
3.会見態度、服装、言葉などを改善できる
4.発表者が“自信”と“確信”を持って会見に臨む
5.その結果、意図する内容での報道が期待できる
「三つ子の魂百まで」というまでもなく、人は長年反復訓練によってある動作技術を向上することができます。タイガーウッズやイチローのような超一流のプロにおいてさえ、試合直前までその技術向上に余念がないものです。相手に適切に伝える技術も然り、落語家や噺家(はなしか)も訓練により上達します。
重要案件に関する対外発表や単独取材であればある程、万全な準備つまりリハーサルを行うことは、経営者の義務とも言えましょう。
心の余裕は、歩く姿勢、発言の落着き、眼光の確かさ、口調の安定につぶさに現れます。そうすれば、想定を上回る厳しい質問にも、誠実な態度で接することができるのです。

(2)人は中身が9割
人は、確信持ったことしか、自信持って言えないものです。余裕を持った態度は取れません。確信のない突然の質問に、思わず、目が宙を舞い、態度に落ち着きを失う。つまり、“ドギマギ”します。それには外見は何の役にもたたないものです。
会社として、“いかにあるべきかを決定する”ことが大切です。それが決まれは、どんな態度で臨むかも外見も自ずと決まるもの。この順序を忘れてはなりません。
1.人も会社も中身だ!
「人は見た目が9割」という数字に惑わされてはなりません。こと広報においては本質ではないのです。「人は、中身が9割、いや9割(9分9厘)。外見は内面の影絵に過ぎない」のです!
最も重要なことは、何を思い、何を話すかです。その中味にビジョンがあり、伝えたいことが明確であれば、自ずと確固たる態度に導かれ、厳然たる姿勢が身につくものです。創業社長も当初は、ただ強い志とひたぶるな情熱以外、何もなかったはずです。外見への答はひとつ、「服装は相手のためにある」と好感を与えることでいいのです。外見は大切ですが捉われてはなりません。ネクタイ1本より訴えたい1ポイントの方が重要。それを明確に把握し、熱意をもって話すことです。一見の印象は薄くとも、真に卓越した人物であれば、その卓越性を感じさせるに時間は要しません。吉田松陰が外見で人を啓蒙感化したのでしょうか?

2.儀容を保て
私達は「儀容を保つ」大切さに気づかなければなりません。儀容とはなり・かたち。それは、衣装や化粧に過度に気を配ることや肩肘を張ることでもありません。森鴎外が訓えるように「自分が人と相対して座した時の顔つきと姿勢・人に物を言う際の声の調子や話しぶり」を鏡で見るように思い浮かべましょう。人と談話する時は真直ぐに相手の顔を見る。おだやかな視線を送ること。手遊びは禁物、やたら大きな素振りは醜い。心配るべきは笑い顔のあり様で、大口あげて笑うことなく笑顔を心がけることです。