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     『広報卓越者になる法』   
 「個別取材要請の方法」その2
     2010年8月1日(日)
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【ネタ漏れの場合】
一斉発表にして広くオープンにするべきか、それとも個別に取材要請してもらい大きな報道を期待するのかを検討しているような大型案件や機密案件に関して、どこで聞きつけたのか、取材申込みを受ける場合があります。大型案件程関与する会社や関係者が多くなるからです。

トップ人事、経営戦略、M&A、不祥事あるいは大型商談などの重要テーマの場合です。取材申込を受けたら、まず担当者は問合せ内容だけをよく把握し、一旦受話器を置き「後ほど連絡するから待って欲しい」
と時間稼ぎすることが大切です。担当者はその内容によって、上司やトップに直報し、どのように回答すべきかを慎重に検討の上回答する必要があります。

臨機応変に対応することが重要です。もちろん1社の取材と思っていたら同じテーマで複数記者が相前後して取材に来ることもあります。
当然最初の記者を優先することになるのですが、後から来た記者の方が、より詳細で・正確な情報を掴んでいるケースもあり、それぞれ対応が異なります。
1.最初に来た記者から優先
2.より確度の高い詳細情報を入手してい  る記者優先
3.出来れば一斉発表に持ち込む

 という基本線に沿ってケースバイケースで誠実な対応を行うことが肝要です。
また、複数の記者が同じような情報を入手して問合せに来た場合には 複数メディアに公平に同じ情報を提供することが大切ですが、戦略的に差をつけることも可能です。しかし、会社としては公平を期し混乱を避けるために、一斉発表に持ち込むことを優先することが大切です。その場合、それぞれ個別に記者の了解を得なければなりません。これが難しい。どのケースにせよ、初期対応によってその後の進展が変わることが多く慎重を要します。

記者サービスのため適切な説明者を積極的にアレンジすることは言うまでもありません。

【記事が出た後】の問合わせについては、あらかじめ準備したQ&Aに従って一元的な対応を行います。業界誌や異なった分野のメディアにも、独創的な切り口アイデアを提案することも可能です。卓越者になろうとする志望者にとり、取材申込み時の対応は腕の見せ所、知恵を競う絶好のチャンスです。
これを異素早い発想と行動で乗り切りましょう。
佐藤一斎は、仕事のやり方について、「寛事(かんじ)を処するには捷做(しょうさ)を要す。急事(きゅうじ)を処するには徐做(じょさ)を要す」と、“ゆっくりしていい事は早くやってしまうが良い。急ぎの時はゆっくりやるが良い”