■□■□■□■□■□■□■□■□■□■     『広報卓越者になる法』   
   「広報は多面的役者たるべし」
    2010年5月23日(日)
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

広報業務には多面的な役割があり、その重要性は次第に増大しています。
企業にはビジョン・理念や社是などでその存立目的・意義が明示されていますが、社長がその「唱道者」とすれば、広報卓越者を目指す人は、社内外への「伝道師」の役割を担うのです。
社外に対しては「会社の顔」として日々の対応の最前線に立ち、「社会へ開かれた窓」として積極的な情報開示を行うのですが、一方、社内的な役割も重要です。「経営参謀」としてトップへ助言する立場にあるのです。
また、企業ビジョンは元よりトップの考え方・戦略や社員への期待などを常に社員へ浸透する役割もあります。それは経営目標達成への大切な方策です。
近年、米国同様、日本でも情報マネジメントの重要性が認識され、CIO(Chief Information Officer)最高情報責任者を設ける企業が増加しているのはこの表れでもあります。
さらに、企業危機的な状況においては、適切な情報を適切に社会に開示する「防波堤」の役割が重要となります。また、広報に加えて、広く聴く役割もあることを忘れてはなりません。
広報卓越者たらんとする者は、こうした多様な広報の重要性や役割を正しく理解し、トップの分身として、率先してその役割を遂行していかなければなりません。その成果が、企業の現在を変革し、未来を建設していくのです。変幻自在、何役もこなすマルチ役者であるべきです。
かねてより、広報の仕事は「A&P」と言っています。
Artistとしては、時に社長の役割を果たし、時に、役員の代わりの答え、もちろん自分を演じてもいかなければなりません。
それよりもまた、Producerの役割も重要です。つまり演出家です。トップという大スターから通行人役になる新入社員まで、社内の役者にいかに出番を作るか?という役割です。このプロデューサーの役割を立派に果せる人が優れた広報卓越者になる資格が出来てきます。

「きみはある戯曲において、作者がきみを 通して演出しようとする一定の役割の担 い手であることを忘れるな。その役が短 ければ短い役を、その役が長ければ長い 役を、きみは演ずるのである。作者がき みに貧者の役を演じさせようと望むな  ら、それを立派に演ずるがよい。
 それは、役割が身体障碍者であれ、役  人、または普通の市民であっても同じで ある。なぜというに、きみに当てがわれ た役割を立派に演ずることは、きみの仕 事であり、それを選ぶのは他人の仕事だ からである」(『幸福論』ヒルティ)