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    『広報卓越者になる法』   
   神戸新聞経済部次長インタビュー    2010年1月10日(日)
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Q.1ネット時代、これからの広報はどん な役割を担っているか
A.1公式情報や数値はネットでわかる。 社長メッセージもわかる。我々が広報担 当者から読み取るのは、その企業の「本 音の顔」だ。例えばトップが一押しの事 業についてレクチャーを受けても、広報 担当者が単に資料を読んでいるだけなら 「これはまだ社内に浸透していない」と 感じる。逆に「わたしも関連する事業部 にいましたが、そのときは…」というふ うに盛り上がると「これは本気だな」と 思う。
 ネットには乗せられない、顔を合わせて こそわかる情報を広報に求めに来るのだ し、また広報も発信して欲しい。

Q.2広報担当者に求められる資質とは
A.2 前の設問にもからむが、該当部署 が作った資料通りのことしか説明しない なら広報は不要。例えば記者が質問して きたら、同業他社の状況も説明するな  ど、広報部としての付加価値をどうつけ るか絶えず意識して欲しい。それが後  日、各記者の傾向もの記事や読み物記事 などの形で反映されることもあり、メデ ィアへの露出回数の増加につながる。

 従って、社内だけでなく業界事情に精通 していることが望ましい。


Q.3広報担当者との付合い・コミュニケ ーションについてのアドバイス
A.3 初対面の記者には事実を誠実に伝 える程度でいいが、ある程度自社の記事 を書き込んだ記者には、ちょっとした  「サービス」も忘れないで欲しい。プレ スリリースに出すほどではないが社内で 話題になっている事業、人、話題を「実 はこんな話がありましてね」と伝えるな ど。そうしたことが記者との情報交換に もつながり、広報担当者の蓄積にもつな がっていく。

Q.4どのようなプレスリリースが望まし いか。
A.4 業界紙向けでなく一般紙向けな 
 ら、社会にどう役立つか分かる内容をま ず強調する。家電製品のこの部分がこれ だけ早くなる、とか、ガン治療のこの部 分にこういうふうに使える、とか。専門 用語と数字ばかりが並んでいると、記者 はそもそも読む気がしなくなる。
 広報担当者は当該部署が作ったリリース の原文を「これでは社会に通用しない」 と突き返すくらいであってほしい。記事 になってこそ、つまり一般読者に伝わっ てこそのリリースのはず。

Q.5 プレスリリースはどの形で届くこ とが望ましいか。その優先順位は?
A.5 メール、FAX、郵送 
 
 一義的にはメール、FAX、郵送の順、これ は、手間がかからずゴミが出ない順でも ある。
 しかし面白い中身なら、郵送であろうと 立て看板であろうと取材して記事にする のが記者の仕事。手法はどうあれリリー スはどれも目を通すので、「どうリリー スを出すか」ではなく「どんなリリース を出すか」を重視すべし。

Q.6 記者にとって、一斉発表と個別取 材とは、どのように 異なるか?
A.6 個別取材はいわゆる「独自だね」 であり、力が入るのは当然。一斉発表で も大きな記者会見のような場合は、自分 の蓄積を生かしてトップの一言のニュア ンスをかぎとろうとする場合もある。
 
 いちがいに、どちらがどうとも言い切れ ない。

Q.7 どんな勉強をしたらよいか
A.7 自社とともに業界全体を深く知る こと。